転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方|おすすめのフォーマット・サンプル例文あり
転職回数が多いと職務経歴書に書く項目が増えるため、どのようにまとめていいのか悩んでしまう方も少なくないようです。
転職回数が多いからといって一概にネガティブなイメージをもたれることはありませんが、職務経歴書のまとめ方の工夫で、転職回数の多さからより強みをアピールすることができます。
今回は転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方についてご紹介します。
目次
転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方
転職回数が多い場合の職務経歴書のポイントについて解説します。
1.強みをアピールしやすい形式で書く
職務経歴書は履歴書のようにフォーマットが決まっていないため、経歴に合わせた形式で作成できます。
そこで、3つの職務経歴書の形式を解説します。
1.転職回数が多め・実績アピールなら「キャリア式」
目安として転職回数が3回以上、異業種が多く実績をアピールするなら、「キャリア式」を選択するといいでしょう。
例えば「Webマーケティング」「システムエンジニア」など、過去に経験した業務や役割ごとに分類して経歴を記載するため、転職回数の多さが気にならなくなります。
下記はキャリア式で職務経歴書を作成した際のサンプルです。
2.最新の職歴をアピールしたいなら「逆編年体式」
最新の職歴を強くアピールしたい場合は、「逆編年体式」を選びましょう。
時系列に記載する編年体式に比べ、逆編年体式は最新の経歴から順に記載する形式です。
最新の経歴を中心にまとめて古い経歴は簡潔に記載することで、転職回数の多さをカバーしながら直近の実績をアピールできるでしょう。
下記は逆編年体式で職務経歴書を作成した際のサンプルです。
3.形式に迷ったら「編年体式」
形式に迷ったら編年体式を選びましょう。職務経歴書を読み進めればキャリアの変遷がわかるので、採用担当者が経緯を把握しやすくなります。
また、転職回数が多くても社会人経験が5年程度であれば、キャリア式よりも編年体式の方が読みやすい場合もあります。
実績や経験に応じて、より自分に合う形式を選択しましょう。
下記は編年体式で職務経歴書を作成した際のサンプルです。
2.冒頭の職務要約サマリでキャリアの流れを伝える
職務経歴書の冒頭には、職務要約(職務概要)を入れると採用担当者が一目で概要をつかめます。
転職回数が多い場合は、職務要約にキャリアの流れや転職を重ねた意図を入れることで、前提を理解してもらいやすくなるでしょう。
3.応募企業が求めている経験・スキルを強調する
採用担当者は、職務経歴書から自社にマッチする人材かどうかを判断しています。
職務経歴書には、応募企業が求める経験・スキルを強調してまとめるようにしましょう。
転職回数が多い場合は、過去の経歴をまんべんなく記載すると、情報量が増えすぎて採用担当者が負担に感じます。
そのため、募集要項を読み込んで応募企業が求める人物像を確認し、マッチする経験・スキルを中心にまとめるようにしましょう。
4.転職理由に一貫性を感じられる内容を意識する
転職回数が多く在籍期間が短いと、採用担当者は「入社してもまたすぐに転職してしまうのではないか」「忍耐力に欠けるのではないか」などと、定着性を懸念します。
そのため「経験領域の幅を広げるため」「より規模の大きなプロジェクトを経験するため」など、転職理由に一貫性を感じられる内容を意識することで、採用担当者にキャリア観や計画性を伝えられるでしょう。
5.自己PRで各社を通じた強みを書く
「論理的思考」「課題発見力」など、業界や職種を超えて持ち運びができるスキルを「ポータブルスキル」と呼んでいます。
職務経歴書の最後に自己PR欄を設けて、どのような職場でも生かせる強みをアピールしましょう。
「強みがわからない」という場合は、過去の経験を振り返って周囲から褒められた、または成果を出した経験を挙げ、その際に発揮したスキルがないか考えてみましょう。
6.職歴は省略しない
職歴は省略せずすべて記載しましょう。中には「転職回数が多い」「在籍期間が短い」などの理由から、一部の職歴を省略しようとする方もいるかもしれません。
どんなに短くても職歴は職歴なので、省くと経歴詐称となってしまいます。
書類選考や面接の段階では問題なく通過したとしても、社会保険の手続きなどで判明してしまう可能性があります。
応募する仕事と関係性が薄い職歴は箇条書きにするなど、転職回数を目立たせない工夫もできるので、職歴を省略することは控えましょう。
7.退職理由を書く際は前向きな表現を使う
「人間関係の悪化」「待遇が不本意」など、応募書類にネガティブな退職理由を記載すると、採用担当者は「入社しても不満が出たらまた辞めてしまうのでは」「不満を抱えやすいタイプなのでは」と感じる可能性があります。
また、他責思考の印象を与えてしまうので、退職理由にネガティブな表現は避け、転職で実現したい前向きな理由を記載しましょう。
8.最大4枚までにまとめる
転職回数がどんなに多くても、職務経歴書は最大4枚程度でまとめるのが一般的です。
5枚以上になると、読み手の多くが負担感を覚えます。
また、転職回数が多いことが強調されてしまうという側面もあります。
応募する仕事に関係の薄い職歴は簡潔に記載し、できる限り「入社後に活躍してもらえそうだ」と感じさせる内容を目指しましょう。
9.業務は羅列せず表や箇条書きで簡潔に
業務内容を文章で長々と記述すると、把握するのに時間がかかります。
採用担当者が負担に感じるだけでなく、書類作成力やプレゼン力に欠けるという印象を与える可能性もあります。
職務経歴書は表や箇条書きを活用して、簡潔に記載するようにしましょう。
【パターン別】書き方のポイントを紹介
【異職種の経験が複数ある場合】
複数の職種経験がある場合の、職務経歴書の書き方のポイントを解説します。
1.キャリア式で書く
「営業と販売」など異なる職種経験がある場合は、キャリア式のテンプレートを使用して職務経歴書を作成すると、転職回数が多くても経験・スキルを把握しやすくなります。
経験職種ごとに見出しをつけて、経験・スキルを表や箇条書きなどでまとめるようにしましょう。
2.自己PRで各社を通じた強みを記載する
異なる職種を経験している場合は、各社を通じて得た強みを自己PRでアピールしましょう。
自己PRで伝える強みは、応募企業でも生かせる内容になっているとより効果的です。
募集要項に記載されている「求める人物像」などを確認し、仕事へのこだわりや信条など一貫性のある部分を強調しましょう。
【短期退職が多数ある場合】
短期間での退職が複数ある場合の、職務経歴書の書き方のポイントを解説します。
1.キャリア式で書く
編年体式や逆編年体式を使用すると短期間での退職が目立ってしまうため、キャリア式が向いています。
キャリア式で応募する仕事に生かせる経験を中心にまとめることで、即戦力のアピールにつながるでしょう。
2.退職理由の欄を設ける
やむを得ない理由がある場合や、転職に至る背景を説明したい場合は、退職理由の欄を設けるという方法もあります。
退職理由に説得力があれば、転職回数の多さや期間の短さをフォローできるでしょう。
また、短期間でも各社で得られた学びや気づきを記載し、それを踏まえて応募企業で働く目的や意欲を伝えるのもひとつの方法です。
【同業種で転職回数が多い場合】
同業種で転職回数が多い場合の、職務経歴書の書き方のポイントを解説します。
1.編年体式または逆編年体式で書く
キャリアに一貫性がなく、直近の経歴に注目してもらいたい場合は逆編年体式を選択するとよいでしょう。
形式に迷った場合は編年体式でも問題ありません。いずれにしても、応募する仕事に生かせる経験を中心にまとめることがポイントです。
2.成長が伝わるストーリーを意識する
同業種の場合は、採用担当者が「なぜ同業種で転職したのだろう?」と疑問に思います。
なぜ同業種転職をしたのか、応募書類で転職の意図を伝えましょう。
また、同業種だと似たような業務内容や実績が並んでしまう可能性があるため、まとめ方に工夫が必要です。
例えば、どの企業でも共通するベーシックな業務経験を簡潔にまとめ、転職して新たに得た経験・スキルを強調することで、成長が伝わりやすくなるでしょう。
【10回以上転職している場合】
転職回数が10回以上となると、どうしても「転職回数が多い」という印象を与えます。
10回以上転職している場合の、職務経歴書の書き方のポイントを解説します。
1.キャリア式で書く
転職回数が多い場合は、キャリア式のテンプレートを選択した方が転職回数は目立ちにくくなります。
できるだけメリハリをつけて、応募企業で生かせる経験を中心にまとめるようにしましょう。
2.幅広い経験とスキルをアピールする
柔軟性や視野の広さ、コミュニケーション能力や吸収力など、数多くの企業を経験した結果得られた経験・スキルをアピールするのも有効です。
事例やエピソードを交えることで、説得力が増すでしょう。
3.自分のキャリア観を書くという方法も
転職回数10回以上となると、「転職が多い」という印象をもたれるのが一般的です。
それを理解したうえで、自身のキャリアをどのように考えているのか、これまでの企業では何を評価されて実績を上げたのかを、客観的に職務経歴書に記載するという方法もあります。
また、過去に在籍した企業と現在もビジネス上でつながりがあるという関係性の良さや実績をアピールするために、「実績を証明するためのリファレンスチェックも可能です」と書いてあると、説得力が高まるでしょう。
転職回数が多いと不利?採用担当者に与える印象
転職回数の多さは、採用担当者にどのような印象を与えるのでしょうか。一般的な傾向を解説します。
採用してもすぐに退職するかもしれない
転職回数が多く在籍期間が短いと、定着性を懸念される可能性があります。
特に、ネガティブな退職理由が書かれていると、「また嫌なことがあったら辞めてしまうのでは」という懸念が増してしまう可能性があります。
職務経歴書に退職理由を記載する場合はポジティブな表現を意識することで、採用担当者の懸念が払拭されやすくなるでしょう。
強みがわからない
短期間のうちに転職していると、強みを生かしたキャリア形成ができているのか判断しにくくなります。
自己分析で強みを明らかにして、職務経歴書の自己PR欄でアピールしましょう。
転職回数を重ねたことで職場にすぐになじめるようになった場合は、柔軟性やモチベーションの高さをアピールすることもできます。
忍耐力に欠けるのかもしれない
短期間で転職していると、「忍耐力に欠けるのでは」「継続力が足りないのでは」という印象を与える可能性があります。
しかし、何度も転職を実現することは、それだけ行動力やチャレンジ精神があるという裏付けにもなります。
転職先で成果を出したことを経歴欄に記載し、一定の成果を出しながら転職にチャレンジしたことを伝えましょう。
協調性がないのかもしれない
採用担当者の中には、「周囲にうまくなじめずに転職したのでは」と考える人もいるかもしれません。
協調性をフォローするために職場に溶け込む努力をしていたエピソードや、チームやプロジェクト一体となって成果を出した実績を盛り込むようにしましょう。
転職回数が多い際の職務経歴書に関するよくある質問
転職回数が多い場合の、職務経歴書の書き方に関するよくある疑問にお答えします。
Q1.転職の多い女性が職務経歴書を書く際に特別意識することはある?
A1.女性だからといって特別意識することはありません。
男女雇用機会均等法では、採用において男女均等の取り扱いを求めています。
適用外職種やポジティブ・アクションのための特例措置を除いて、性差を理由とする選考はできません。
そのため、女性限定で意識することはありませんが、転職回数が多く在籍期間が短い場合は、男女ともに採用担当者が定着性を懸念する可能性があります。
前述したポイントに従って、職務経歴書の書き方を工夫しましょう。
Q2.転職回数が多い40代が職務経歴書を書くポイントは?
A2.実績や専門性をアピールしましょう。
40代の場合、20~30代に比べるとマッチする求人が少なくなる傾向があります。
そのため40代の場合は、前述したポイントに加えて、実績や専門性を強調するようにしましょう。
Q3.数ヶ月未満で短期退職した職歴も職務経歴書に書くべき?
A3.職務経歴書には、全ての職歴を記載する必要があります。
たとえ、在籍期間が数ヶ月未満の職歴があったとしても、省略せずすべて記載するようにしましょう。
Q4.職務経歴書にはパートやアルバイトの内容も書くべき?
A4.短期のパートやアルバイトの場合は省略しても問題ありません。
ですが、応募する仕事に生かせる経験は、職務経歴書に書くことでアピールにつながります。
また、長期のパート・アルバイトの場合は、書かないと空白期間ができてしまいます。
採用担当者がブランク中の活動について疑問を感じる可能性があるため、パートやアルバイトをしていたことを書いておいた方がいいでしょう。
まとめ:転職回数が多くても書き方の工夫はできる
転職回数に対する企業の考え方はさまざまです。
書類選考の段階で「転職回数○回以内」とルールを設けている企業もあれば、「自社にマッチしそうな人材であれば転職回数が多くても構わない」と考える企業もあります。
書類選考で転職回数に条件を設けている企業でなければ、職務経歴書の内容次第で書類選考の通過率を上げられる可能性があります。
採用担当者の立場になったつもりで、自身の職務経歴書が「面接で話を聞いてみたい」と感じさせる内容になっているかどうかを確認してみましょう。
スマホで職務経歴書をつくるなら【職務経歴書Web作成ツール】が便利
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