職務経歴書の自己PRの書き方|思いつかない時に使える例文あり
職務経歴書には、自己PRを記載して強みや得意分野をアピールすることが重要です。
そこで本記事では、自己PRの書き方のマナーや、強み・職種別の例文を紹介します。
目次
【4ステップ】職務経歴書における自己PRの書き方
自己PRの作成は、マナーを理解し4つのステップに沿って進めましょう。
【書く前に】自己PRの基本マナー
- 約200〜400字でまとめる
- 誇張や自慢話になっていないか注意する
- 同じ文末が3回以上続かないようにする
職務経歴書における自己PRの文字数は特に決まっていませんが、全体の構成や余白とのバランスで、200~400文字程度でまとめると読みやすくなります。
また、強みが誇張されていたり、ただの自慢話になっていたりしないか必ずチェックしましょう。
【ステップ1】「課題→工夫による実行→結果」の話を書き出す
自己PRを作成する際は、これまでの業務を振り返り「課題→工夫による実行→結果」に沿ったエピソードを複数書き出します。
「自分の強みは○○だから」と、先に強みを決めてしまうとエピソードがかぎられてしまう可能性があります。
そのため、まず「課題→工夫による実行→結果」に沿ったエピソードをできるだけ多く書き出しておくことが重要です。
目覚ましい結果が出なかったエピソードでも、課題意識があって試行錯誤した経験があれば、そこで得た気づきを交えて書き出しておきましょう。
【ステップ2】応募先に生かせる強みを複数決める
エピソードを書き出したら、応募先に生かせる強みを2~3個決めます。
職務経歴書に記載する自己PRは、採用担当者が入社後の活躍をイメージしやすいように、応募先での再現性があるかどうかが重要です。
求人や採用ページに記載されている仕事内容や求める人物などから、応募先で生かせる強みを明らかにしましょう。
【ステップ3】強みの根拠となる成果を書く
強みを決めたら、その強みが生まれたプロセスや成果、実績を書きます。強みの根拠を書くことで、自己PRに説得力が生まれます。
なお、「輝かしい成果がないとアピールにならないのでは」と考える方もいますが、自己PRは自分自身の強みを伝えるための項目です。
客観的に優秀と捉えられるような成果や実績でなくても構わないので、強みに説得力をもたせるための具体的なエピソードを交えて伝えましょう。
【ステップ4】強みをどのように生かすのかを書く
自己PRの締めとして、応募企業で自分の強みをどのように生かして貢献するのかを書きます。
採用担当者が入社後の活躍イメージを描けるようにするためです。
求人や採用ページなどを調べて、応募する仕事で強みを生かせそうなポイントを探しましょう。
【強み別】思いつかないときに使える自己PRの例文
強みが思い浮かばない方向けに、強み別の自己PR例文を紹介します。
どの強みであっても、採用担当者がイメージしやすいように根拠となるエピソードはできるだけ具体的に伝えましょう。
1.責任感
私は仕事をするうえで「責任感」を大切にしてきました。
営業職である以上、目標を達成するという強い気持ちをもっていますが、同時に、提案したサービスによって顧客の課題が解決するまで徹底してサポートするという思いもあります。
担当していた大手不動産会社では、継続して受注はいただいておりましたが、業務プロセスが複雑でサービスをうまく活用できず、生産効率が改善しないことが課題でした。
そこで、業務内容のヒアリングを行い、業務プロセスの分解・整理をして担当者に提案しました。
提案内容を導入したところ、月に○時間の短縮を実現。
担当者から評価をいただき、追加で○万円の受注となりました。
貴社においても、責任感を生かして顧客満足度の向上と売上アップを目指したいと考えております。
ビジネスパーソンには一定の責任感が求められます。
「社会人として当たり前では?」という内容になっていないか確認しましょう。
また、責任感をどのように仕事で生かしたのかを具体的に伝えることが大切です。
2.計画性
私の強みは計画性です。
現職では、営業リーダーとして自身の営業活動に加え、メンバーの指導と営業サポートを行っています。
担当顧客が多いため、トラブルが突発的に発生することも頻繁にあります。
そこで、自身の営業活動は締め日から逆算して提案とクロージング、顧客側の社内稟議などのスケジュールを作成し、計画的に進めました。
できるだけ前倒しで進めることで、失注したとしても他の顧客に提案することで営業目標をカバーできます。
そのため、営業リーダーを任されていた○年間は未達だった月は一度もありません。
今後も、計画性を生かして目標を必達する営業でありたいと考えております。
計画を立てるだけでなく、結果がともなっていることをアピールしましょう。
また、計画性は「業務推進力」や「自律性」などに言い換えることもできます。
3.洞察力
現在に至るまでに社内外を含め1,000人を超える人々と出会ってきた経験から、物事の本質を見抜くことを得意としています。
入社3年目のとき、顧客からヒアリングしたことをそのまま商品企画に反映した結果、全く売れなかったことがありました。
相手から発せられる言葉や文字に100パーセントはなく、何か不足していたり、状況によっては本音が隠れていたりします。
常に疑問をもつことでそれを引き出したり見抜いたりする力が自然と身につき、結果として相手の求めている以上のものを提供することができるようになりました。
昨年リリースした新商品は、計画を大幅に超える○件(達成率:○○○%)の受注をいただき、事業の柱のひとつになっています。
今後も、洞察力を生かして顧客ニーズを的確につかみ、ヒット商品を生み出したいと思っています。
「さまざまな情報を収集した」だけにならないように、目に見えないことを見抜く力を意識して伝えましょう。
また、成功体験だけでなく、失敗から学んだというエピソードをアピールする方法もあります。
4.柔軟性
私の強みは何事にも柔軟性をもって対応できるところです。
現職では中国語という武器を身につけ、中国というダイナミックな市場での営業・マネジメントという貴重な経験を積んできました。
中国は広いため、地域によって商習慣が異なります。
顧客の反応やメンバーの営業実績を見ながら柔軟に営業戦略を変えることで、20XX年は目標を○億円上回る○○億円の売上を達成することができました。
現在は現地法人のサポートをする立場にいますが、新たな環境への適応力や異文化コミュニケーション力を生かし、海外でのマネジメント業務に携わりたいと考えております。
どのような環境で柔軟性を発揮し、成果を出したのかを具体的に伝えましょう。
柔軟性は、「臨機応変に対応できる冷静さ」「素直さや視野の広さ」に言い換えることも可能です。
5.コミュニケーション力
私の強みは相手目線に立ったコミュニケーション力です。
障害が発生し関係部署と調整や会話をする際に、相手方のシステムや知識に合わせた言葉を使うように心掛けています。
また、チームリーダーとしてメンバーとの1on1ミーティングを実施し、定期的なコミュニケーションの機会を設けています。
タスクの割り振りを行う際は、1on1で聞いたメンバーの得意分野や興味・志向を考慮しました。
その結果、社内で実施されている組織のエンゲージメント調査では、いずれの項目も平均より高水準でした。
今後も、コミュニケーション力を生かしてプロジェクトや組織を推進していきたいと考えております。
コミュニケーション力は「傾聴力」「伝える力」「連携力」などの能力が含まれます。
また、表情や態度など、非言語の能力もコミュニケーション力の一環なので、具体的にどのような能力を発揮したのかを意識して書きます。
コミュニケーション力をアピールする場合は、面接でも能力を発揮できるように心掛けておきましょう。
6.マネジメント力
私の強みはマネジメント力です。
20XX年に〇名をまとめるチームのリーダーとなってから、スタッフが自発的に活躍できる環境作りを心掛けていました。
お客様に満足度の高いショッピングをしていただくためには、スタッフが楽しく働いていることが大切だと考えています。
お客様のことを一番見ているのも、知っているのも店頭スタッフです。
そこで、スタッフからの提案や意見にはしっかりと耳を傾け、自ら実行できるようサポートしてきました。
その結果、東日本エリアで1位の売上実績店舗にて、正社員登用するスタッフを〇年間で〇名育成できました。
リーダー経験を生かして、スタッフが活躍できる店舗作りを実現していきたいと考えております。
マネジメントの自己PRでは、対象人数や対象層を書くと、役割や責任範囲を採用担当者がイメージしやすくなります。
また、自分自身のマネジメント方針・スタイルを伝えることも重要です。
【職業別】職務経歴書に書く自己PRのポイント
自己PRのポイントを職業別に紹介します。
1.事務職
働き方改革の一環として、多くの企業が生産性の向上に関心をもっています。
事務職の場合は、業務を正確に遂行するだけでなく、業務改善や効率化への意識があるかどうかが判断される傾向があります。
過去に課題解決に取り組んだ実績があれば、自己PRで積極的にアピールしましょう。
【転職成功者5名の実例付き】事務職の職務経歴書の書き方とテンプレート&見本
2.営業職
営業職では、数値を交えた実績や事実が重要となります。
自分なりの営業戦略やスタンス、こだわりなどを伝えた上で、その根拠となる成果・実績を伝えましょう。
成果・実績を伝える場合は売上や達成率だけでなく、昨年との比較や営業組織での順位など、客観的に判断できる情報を補足するとよいでしょう。
【転職成功者4人の実例】営業職の職務経歴書の書き方とテンプレート&見本
3.Webデザイナー職
Webデザイナーの場合は、どのようなジャンルのデザインに強いのかを伝えます。
また、ディレクションやフロントエンドなど、経験・スキルに幅がある場合は、複数の得意分野やスキルを掛けあわせて書きましょう。
なお、採用担当者に対して、専門用語や業界用語を多用せず、できるだけわかりやすく書くことが大切です。
【プロが添削】WEBデザイナーの職務経歴書の書き方のポイント&テンプレート
4.エンジニア職
エンジニアの場合は、参加プロジェクトの規模や担当フェーズ、役割などを記載します。
成果を書くことが難しいプロジェクトの場合は、自分なりにこだわったことや工夫したことをアピールしましょう。
Webデザイナー同様に、エンジニアも専門用語や業界用語が多い職種のため、誰もが理解できる表現・用語を選ぶことが重要です。
【経験者3人の実例】ITエンジニアの職務経歴書の書き方と見本&テンプレート
5.看護師
看護師の場合は、応募する診療科目、領域の経験があるかどうかを重視されます。
応募する仕事に生かせる経験を中心に、自己PRとしてアピールします。
また、人の命に関わる仕事であることから、患者への思いや接し方のこだわりも伝えるようにしましょう。
【転職成功者5人の実例付き】看護師の職務経歴書の書き方とテンプレート&見本
6.薬剤師
薬剤師の場合は、調剤薬局・ドラッグストア・病院・医療品関連企業など、おもに4つの働き方があります。
勤務先によって業務や求められる役割が異なるため、応募先に生かせる経験を中心にまとめます。
また、人の命に関わる仕事であることから、正確さや責任感の強さが感じられるエピソードがあれば書きましょう。
【経験者3人の実例】薬剤師の職務経歴書の書き方と見本&テンプレート
7.未経験職種
未経験職種に応募する場合は、業界・職種が異なっても生かせる「ポータブルスキル」をアピールするという方法があります。
求人に記載されている仕事内容を確認し、応募先に生かせるスキルを意識して書きましょう。
ポータブルスキルに加えて、入社意欲や向上心などをアピールしてもよいでしょう。
職務経歴書の自己PRに関するおもな質問3つ
自己PRに関するおもな疑問にお答えします。
Q1.職務経歴書における自己PRの役割は?
A1.職務経歴書における自己PRは、応募先に強み・こだわりを伝える役割をもちます。
採用担当者は、応募者の強みや仕事でのこだわりが、社風や募集している仕事にマッチするかどうかを判断しています。
社風や仕事にマッチしていれば、会社になじんで成果を出し、長く活躍してもらえる可能性が高くなるからです。
そのため、自己PRは応募する仕事に生かせる強みを意識して書きましょう。
Q2.職務経歴書と履歴書の自己PRは同じ内容でもよい?
A2.職務経歴書と履歴書の自己PRは、同じ強みを伝えるようにしましょう。
違う強みを伝えてしまうと、アピールポイントが定まらず、採用担当者が強みを判断できなくなってしまいます。
また、履歴書は職務経歴書に比べて記載するスペースがかぎられているため、職務経歴書用の自己PRを作成した後に履歴書用に要約すると効率的です。
Q3.職務経歴書に自己PRを書かないケースはある?
A3.どのようなケースであっても、職務経歴書には自己PRを設けるのが基本です。
職務経歴だけで経験・スキルを判断することはできますが、自己PRがないと採用担当者が応募者の人物像をイメージできません。
強みによって成果を出したエピソードを自己PRで伝えることで、採用担当者は自社の社風や仕事に適している人材かどうかを判断しやすくなります。
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また完成した職務経歴書はPDFでダウンロードもできるため、メールでの添付はもちろん、コンビニ等で印刷するのも便利です。
まとめ
職務経歴書の自己PRは、応募者の人柄や強みを判断するための重要な項目です。
また、自己PRは面接でも聞かれる可能性が高い項目です。
転職活動を始める際は、これまでの経験を振り返り、自分の強みを言語化し自己PRとしてまとめておきましょう。