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履歴書への中退の正しい書き方|書かない場合は経歴詐称にあたる?

中退は、履歴書に書く必要があるのでしょうか。結論からいうと、履歴書には必ず中退を含め高校以降の全ての学歴を記載する必要があります。

とはいえ「履歴書に書くと不利になるのでは?」と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は専門家に、中退へのイメージを取材してきました。

履歴書の学歴に中退は書くべき?

履歴書の学歴欄には、中退した経歴は書いた方がいいのでしょうか。

正しく書かないと「経歴詐称」にあたる

原則として、履歴書に記載する学歴・職歴や資格は、事実を正しく書かないと経歴詐称になってしまいます。

中退した事実を隠したまま応募した場合、内定を得るまでずっと気まずい思いを抱えながら面接を受けることになります。無事入社できたとしても、どこかのタイミングで見つかるかもしれません。

経歴を偽るのは経歴詐称にあたるとともに精神的な負担もかかる行為です。学校を中退した場合は履歴書に必ず記載するようにしましょう。

 

履歴書に正しく記載しなければならない項目

  • 学歴(入学・卒業・中退の年月在籍期間)
  • 職歴(入社・退職の年月、雇用形態、配属部署など)
  • 免許や資格(取得時期など)
  • 通勤時間(交通手段、通勤時間)※履歴書に欄が設けられている場合
  • 扶養家族(有無、人数)※履歴書に欄が設けられていて記載しなかった場合、手続きに不備が発生する可能性があります

 

中退をしたかどうかは調べられる?

中途採用の場合には基本的に職歴を重視するため、学校を中退したかどうかを調べるケースは多くはありません。

ただし、第二新卒や専門職など、企業によっては履歴書に記載した学歴が正しいかを確認するために卒業証明書の提出を求めるケースがあります。

中退は就職・転職活動で不利になるの?【専門家に取材しました】

中退は就活や転職活動で不利になるのでしょうか。専門家に意見を聞きました。

粟野友樹
Seguros(組織人事コンサルティング)、国家資格キャリアコンサルタント


筑波大学大学院(野外教育)を修了後、人材業界等での営業やキャリアアドバイザーを約15年経験。

2018年にSeguros(組織人事コンサルティング)として独立。延べ20社の社外人事としての中途・新卒採用支援や、リクナビNEXT「転職成功ノウハウ」等の転職系記事の監修を担当。

人材要件が「大卒」であれば、選考に影響する可能性がある

求人に記載されている人材要件が「大学卒業」となっている場合は、中退が選考に影響する可能性があります。

大卒ではなく「高卒以上」となっているのであれば、大学中退が大きく影響することはないでしょう。

人材要件が「大卒」となっている企業でも、中退理由などによっては採用になる可能性もあります。「家庭の事情」や「資格取得のため」など、具体的な理由がある場合は、履歴書に記載しておきましょう。

経験によっては、中退が影響しない可能性がある

中退という経歴を見たときに、「なぜ中退したのだろう?」などと採用担当者が気にするケースもあります。

ただ募集条件となる経験・スキルにマッチしている場合には、中退した事実をそれほど気にしないケースもあります。

学歴を偽ったり隠したりすると詐称になってしまいます。経験・スキルや応募する求人によって、中退が影響するかどうかは異なるので、必要以上に気にせずに興味をもった求人には積極的に応募してみましょう。

履歴書への中退の正しい書き方

通っていた学校を中退した場合は、履歴書にどのように書けばいいのでしょうか。正しい中退の書き方を2つのポイントに従って解説します。

ポイント1:「中途退学」と記載をする

2017年4月

〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学

2018年1月

〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 中途退学

中退は「中途退学」と正式に記載しましょう。

学歴欄に入学年月と学校名・学部・学科名に加えて「入学」と記載したら、改行して退学した年月と学校名などの後に「中途退学」と記載します。

注意:退学と中途退学は別物

言葉の意味としては、退学も中途退学も学校を辞めることを指しますが、自主的に途中で学校を辞めることを「中途退学」と呼ぶのに対して、「退学」は何らかの理由により学校を辞めさせられた場合に使用するケースが多いようです。

ただし、履歴書に記載する場合は、退学も中途退学も「中途退学」と記載するのが一般的です。

ポイント2:中退理由をしっかりと記載する

学校を中退した理由まで履歴書に記載する必要は原則としてありません。

ただし、家庭の事情やケガ・病気などやむをえない事情や、学校を辞めて留学やビジネス経験などに時間を使いたくなった経緯がある場合は、履歴書で補足しておくといいでしょう。

特に、中退から入学や就業など次の経歴までにブランク期間がある場合は、中退理由やブランク期間中の活動について書いておくと、応募書類上で採用担当者の疑問解消につながります。

注意:中退予定でも記載が必要

2017年4月

〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学

2018年1月

〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 (2018年2月中途退学予定)

中途退学を予定しながらも、応募時点で学校に通学している場合は、採用担当者が「いつ入社できるのだろう?」と疑問を抱きます。

履歴書にも中退予定である旨を補足し、中途退学する日が決まっているのであれば、入学年月と学校名・学部・学科、「入学」と記載した次の行に、学校名などに続けてカッコ書きで(20○○年○月○日 中途退学予定)と記載します。

日付まで決まっていない場合は、学校名などの後に(中途退学予定)と記載しておきましょう。

注意:高卒認定試験に合格をしていても記載が必要

通っていた高校を中途退学して、その後高等学校卒業程度認定試験に合格した場合も、履歴書には高校中退の経歴を記載する必要があります。

高卒認定試験に合格しているからといって、中退の経歴を省略しないようにしましょう。

まとめ

履歴書の学歴や職歴欄は、事実を正しく記載することが求められます。書くことが多いと省略したくなるかもしれませんが、面接で聞かれたり証明書を求められたりすることもあるので、過去の経歴はもれなく記載しましょう。

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