看護師転職の履歴書の書き方|志望動機や職歴、資格欄【例文あり】
看護師が転職する場合、履歴書はどのように書けばいいのでしょうか。
そこで、看護師が履歴書を作成する際の基本情報や学歴・職歴欄などの書き方をまとめました。
採用担当者が確認するポイントも紹介しています。
目次
看護師が履歴書を書く際のマナー4つ
看護師の履歴書を作成する際に注意しておきたい基本マナーを紹介します。
1.看護師の履歴書は手書きでもパソコンでも可
履歴書は手書きでもパソコンでも問題ありません。
しかし、採用担当者によっては手書きの履歴書から人柄や熱意を推察する可能性もあります。
看護師は、経験・スキルだけでなく人柄も重視されるからです。
志望度が高い病院で、履歴書を手書きにするか迷った場合は、念のため応募先や転職エージェントなどにどちらで作成すべきか確認するとよいでしょう。
2.できるだけ空欄をつくらない
履歴書に空欄があまりにも多い場合は、「入職意欲が低いのではないか」という印象をもたれる可能性があります。
履歴書は、学歴/職歴欄・志望動機・自己PR欄が大きいものや、長所や趣味・特技欄が設けられているものなど、複数のフォーマットがあります。
自分が書きやすいフォーマットを選び、空欄が目立たないようにしましょう。
3.応募先の敬称を間違えない
医療機関は、一般企業よりも敬称が長いため注意が必要です。
一覧を参考に、履歴書や面接で使い方を間違えないようにしましょう。
応募先 | 履歴書 | 面接 |
---|---|---|
企業 | 貴社 | 御社 |
病院・医院 | 貴院・貴医院 | 御院・御医院 |
施設 | 貴施設 | 御施設 |
医療法人 | 貴法人または貴社 | 御法人 |
医療法人の場合は「貴法人」と書いても問題ありませんが、運営母体が企業の場合は「貴社」と書くのが一般的です。
4.資格名は正しく記載する
看護師は関連資格や講習が多いため、資格欄の書き方にもポイントがあります。
資格を履歴書に書く際は、資格名を正式名称で書くだけでなく、取得・合格・修了なども正確に書きましょう。
看護師転職向け履歴書の書き方のポイント【見本付き】
看護師が転職する場合の履歴書の書き方について、項目ごとにまとめています。
志望動機では例文もご紹介しているので参考にしてください。
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1.基本情報(日付・住所など)
氏名や日付、住所や連絡先など基本情報は略さず正式名称で記載しましょう。
日付は記入日ではなく提出日を記載し、履歴書全体で和暦か西暦のどちらかに統一します。
証明写真は3ヶ月以内に撮影した縦40mm×横30mmサイズの写真を使用しましょう。
2.学歴
転職の場合の学歴欄は、義務教育は省略しても問題ありません。
高校卒業以降の入学・卒業した年月と学校名を記載しましょう。
看護師の資格を取得するまでは、高等学校の看護科や養成所、看護系の短期大学・大学などさまざまなコースがあるので、正式名称で専攻課程を書くことが大切です。
3.職歴
職歴は、学歴を記入した後に1行空けて中央に「職歴」と書き、次の行から職歴を記入していきます。
「○○法人○○会○○総合病院○○病棟」と、経験領域がわかるように診療科も明記します。
アルバイト・パートの職歴は、応募する仕事に生かせる場合は記載しましょう。
なお、医療機関や医療施設で働く場合、「入職」「退職」という表現を使います。
現在も働いている場合は職歴の最後に「現在に至る」、退職している場合は「一身上の都合による退職」や「クリニック閉鎖により退職」などの退職理由を補足し、次の行に右寄せで「以上」と記載しましょう。
4.免許・資格
免許・資格欄は、学歴や職歴と同様に、取得年月が古い順に正式名称で書きましょう。
専門看護師や認定看護師などの資格は分類も記入しておきましょう。
BLSプロバイダーコースなどの認定証を書く場合は「修了」「受講」とします。
看護師の転職で記入が想定される主な免許・資格の一覧を紹介します。
<主な免許・資格の一覧>
免許・資格 | 正式名称 |
---|---|
正看護師 | 看護師免許 |
准看護師 | 准看護師免許 |
助産師 | 助産師免許 |
保健師 | 保健師免許 |
自動車免許 | 普通自動車第一種運転免許
普通自動車第一種運転免許(AT限定) |
免許・資格の取得を予定している場合は、アピールになる可能性があるので「○○年○月看護師免許取得見込み」と記載しましょう。
5.志望動機【例文あり】
志望動機は、応募先を志望する理由とともに、どのような経験・スキルを生かして働きたいかを伝える項目です。
他の医療機関にもいえるような志望理由を書くと、入社意欲の低さを懸念されてしまう可能性があります。
病院の理念や経営方針に加え、専門分野や看護部の取り組みなどの情報収集を行い、できるかぎり独自性のある特徴を志望動機に含めるといいでしょう。
志望動機の注意点 | 注意する理由 |
---|---|
1.例文をそのまま使用する、ありきたりな内容は避ける | 熱意を感じられず採用担当者の印象に残らない可能性が高いから |
2.希望条件は控えめに | 希望条件が多いと「一方的に意見を言う人」という印象を与える可能性があるから |
3.給与や待遇には触れない | 「待遇が良ければどこでもいいのでは?」と思われてしまうから |
例文1.地域包括ケアの分野で看護に取り組みたい
<例文>
脳外科病棟に勤務していましたが、脳血管障害で後遺症が残った患者さんとの関わりを通して、入院から退院まで総合的に支援していきたいと思うようになりました。
貴院は急性期医療、介護、福祉、みとりまでを含めた地域包括ケアの取り組みを行っております。
今後ますます重要になる地域包括ケアの分野で、看護に深く関わっていきたく志望いたしました。
例文2.慢性期の看護経験を生かし透析患者様をサポートしたい
<例文>
慢性期の内科病棟に勤めていました。入院期間が長期にわたるため患者様のさまざまな悩みを聞く機会も多く、退院後の闘病生活を支える重要性も感じています。
看護師経験はまだ5年と浅いのですが、これまでの経験を生かし疾患を抱えて生活している患者様を、心身の両面からサポートしてまいりたいと考えております。
透析患者様だけではなくご家族も含め、交流を深めるための取り組みも行っている貴院の一員として働きたいと思い志望いたしました。
例文3.子育てと両立しながら病院に復帰したい
<例文>
結婚・妊娠と同時に退職し、育児に専念していたため7年のブランクがあります。
子どもが小学生になり少し手も離れ、育児と両立しながら医療機関に復帰したいという気持ちが強くなりました。
長期間のブランクはありますが、1日でも早く貴院の戦力となれるよう尽力したいと考えております。
6.自己PR・趣味や特技
自己PRは、自分の強みを通じて応募先でどのように貢献したいのかを伝える項目です。
経験・スキルは履歴書の職歴や免許欄である程度判断できますが、人柄や仕事へのこだわりまではわかりません。
自己PRを履歴書に記載することで、採用担当者がどのような人物かをイメージしやすくなるでしょう。
7.本人希望記入欄
本人希望欄は、応募先にどうしても伝えたいことを書く欄です。
人材募集をしている勤務地や科が複数ある場合は、希望する勤務地や部署を記載しておきましょう。
特に希望がない場合でも、空欄にせず「貴院の規定に従います。」と記入します。
なお、年収や勤務時間などの希望条件を本人希望欄に記載すると、「仕事の話をする前から希望条件を求める人物」という印象をもたれる可能性があります。
希望条件がある場合は、面接で相互理解が深まってから伝えるようにしましょう。
看護師の履歴書で採用担当者が見るポイントランキング
採用担当者は、履歴書のどこを見て評価をしているのでしょうか。
そこで、当編集部は採用担当者にアンケートを実施し、看護師の履歴書を見るときに重視しているポイントを複数回答してもらいました。
回答で多かった6位までのポイントを、ランキング形式でご紹介します。
ランキング | 重視する項目 |
---|---|
1位 | 職歴・経験 |
2位 | 転職回数・在籍期間 |
3位 | 志望動機 |
4位 | 住所・通勤時間 |
5位 | 見やすさ・ていねいさ |
6位 | 家族構成 |
1位.職歴・経験に関する採用担当者の意見
急性期病院採用担当者・男性
ただ単に、勤務先病院を記載するだけでなく、職務経歴書で何病棟・何科でどのような仕事をしていたかが記載してあると、その人の専門性が読み取れます。
急性期病院採用担当者・女性
社会人になる以前の経歴はほとんど重要視していません。看護師の資格を取得しているので、どのような過程で取得に至ったのかはあまり関係ないので。
実務経験がわかる職歴・経験だと評価につながります。
勤務先名だけでなく病棟や科まで記載し、どのような経験をしているのかを明らかにして、専門性や働きぶりをイメージできるようにしましょう。
また、看護師は資格必須で実績を重視する職種のため、有資格者であれば学歴や社会人以前の経験は重視しないという声もありました。
2位.転職回数・在籍期間に関する採用担当者の意見
介護施設採用担当者・女性
転職回数にも通じますが、短期間(1年未満)で退職をしている人は長続きしないのではという印象を受けてしまいます。
転職回数や1年未満で退職していると、「長続きしなさそう」という印象を与える可能性が高くなります。
転職回数が多いと、「新しい環境になじむのが苦手で、コミュニケーションスキルに問題があるのでは」と考える採用担当者もいるようです。
3位.志望動機に関する採用担当者の意見
医療機関採用担当者・男性
志望動機がありきたりで、こちらの病院について下調べもしていないような内容だと「とりあえず看護師資格を活かして働ければどこでもいいんだろうな」と感じてしまいますね。。
医療機関採用担当者・男性
最近はホームページを見れば、応募先の病院の情報はたくさん得られると思います。よく調べていることがわかり「ここで働きたい」という想いが伝わると、是非採用したい、会ってみたいと思いますね。
志望動機を作成する際は、応募先の情報収集が必要です。
ありきたりで下調べをしていないような内容だと、「看護師資格を生かして働ければどこでもいいんだろうと感じてしまう」という声がありました。
よく調べて「ここで働きたい」という想いが伝わると、「是非採用したい、会ってみたいと思う」という評価につながるようです。
4位.住所・通勤時間に関する採用担当者の意見
急性期病院採用担当・女性
一緒に仕事をするうえで、通勤にどれぐらい時間がかかるかは把握しておきたいです。残業になった際などに安全に帰宅してもらえる範囲なのかは大切な項目だと思います。
介護事業所採用担当・男性
居住している住所も見ます。デイサービス系は資金に余力がない為、交通費もできるだけ抑えたいので施設から遠くない場所に住んでいるかは重要なポイントです。
家が遠くなればなるほど残業を依頼しずらく、交通費も高くなることからできるだけ居住地が近い人を優先するケースもあるようです。
5位.見やすさ・ていねいさに関する採用担当者の意見
介護施設採用担当者・男性
履歴書と職務経歴書が不完全ですと、やる気を感じないどころか、言葉が悪いですが、簡単に受かるのではないかと考えている印象を受けてしまいます。積極的に採用はしたくないですね。
介護施設採用担当者・男性
字が汚いままに読めないほどの字で書き平気で提出する人、パソコンで作成していても途中でフォントが変わっていたり字の大きさが非常に小さかったりすると読む人のことも考えられていないなと感じます。
内容が不完全・字が汚く読めない・文字サイズが極端に小さいといった履歴書は、「読み手に配慮できていないと感じる」という声がありました。
手書きに自信がない場合は、パソコンで作成するようにしましょう。
6位.家族構成に関する採用担当者の意見
介護事業所管理者・男性
小さいお子さんがいるかどうかを見ます。学校の行事だったり、具合が悪かったりで休まなくてはいけない事も多くなると思うので。
介護事業所・女性
家族の有無は確認します。扶養家族がいる場合、就業期間の伸びが期待できるからです。それほど重視していませんが、参考にする程度です。
小さい子どもがいる場合は仕事への影響を気にする声がある一方、扶養家族の存在により就業期間を期待できるという声もありました。
履歴書全般に関する採用担当者の意見
医療機関採用担当・女性
重視するポイントはほとんどありませんが、履歴書の写真が極端に暗い、化粧が派手すぎるなど、常識がなさそうな方は書類選考で通さないことがあります。
介護事業所採用担当・女性
看護師の現場は人手不足なのでよほどのことがなければ書類審査で落とすことはありません。一度面接でお会いしてから判断するようにしています。
履歴書の写真が極端に暗い、化粧が派手すぎるなど、一般常識を疑ってしまうような証明写真は、書類選考に影響するという意見がありました。
一方で、看護師の現場は人手不足の傾向があり、人柄や人間性を重視しているため書類選考ではなく面接で判断するといった声もあります。
証明写真は基本的なルールにのっとり、採用担当者に不安を与えない写真を準備しましょう。
看護師転職で履歴書を提出する際のマナー
看護師の求人には、履歴書を郵送やメールで提出するケースもあります。
提出方法別にマナーを解説します。
封筒での郵送なら送付状(添え状)をセットに
履歴書を郵送で提出するように指示があった場合は、A4サイズを折らずに入れられる「角型2号」「A4角型」のサイズを選ぶといいでしょう。
履歴書には送付状を同封すると、目的や同封書類が明らかになるためていねいです。
送付状の書き方については、別の記事も参考にするとわかりやすいでしょう。
メールなら指定の形式で
メールで送信する場合は、採用担当者からの指示に従います。
もし指定や指示がなければ、PDF形式に変換し「日付_履歴書_氏名」などわかりやすいファイル名にしましょう。
履歴書を送付するメールの件名も、「履歴書ご送付の件/氏名」「看護職応募の件/氏名」など、氏名を入れておくと採用担当者が確認しやすくなります。
手渡しなら送付状は不要
面接で手渡しするよう指示されたら、送付状は不要です。
ただし、受付で渡す可能性もあるので、封筒に入れて持参するようにしましょう。
受付で渡す場合は封筒に入れたまま渡し、面接で採用担当者から提出を求められた場合は、封筒から応募書類を出して渡します。
看護師の履歴書に関するよくある質問4つ
看護師が転職する場合の、履歴書に関するよくある疑問にお答えしています。
Q1.履歴書は手書きとパソコンどっちがいい?
A1.応募先から指定がなければ、手書きでもパソコンでもどちらでも大丈夫ですが、採用担当者によっては手書きの履歴書から人柄や熱意を推察する可能性があります。
なお、書き間違いが生じた場合は新しい履歴書に書き直し、修正テープなどは使用しないのが基本的なマナーです。
Q2.職歴が多くて書ききれない場合はどうしたらいい?
A2.職歴欄が大きい履歴書を選択する、職歴を箇条書きにして詳細は職務経歴書に記載するといった方法があります。
また、学歴を義務教育から記載している場合は省略して高校卒業から書く、「現在に至る」や「以上」を改行している場合は一行に続けて書くなどの方法もあります。
なお、職歴を省略すると経歴詐称と捉えられてしまう可能性があるので、履歴書や職務経歴書に収まるように工夫しましょう。
Q3.パートやアルバイトで看護師をしていた職歴も必要?
A3.パート・アルバイト経験は基本的に不要ですが、応募先の仕事に生かせそうな経験があれば書いておきましょう。
また、正職員での看護師経験が少ない、職歴欄のスペースが十分にあるという場合は、パート・アルバイト経験も書いておくと評価につながる可能性があります。
Q4.履歴書と職務経歴書はどう違うの?
A4.履歴書は基本情報を確認するための書類で、職務経歴書は募集している仕事にマッチするかを判断するための書類です。
そのため、履歴書では氏名や住所、学歴や職歴などの基本情報を記入し、職務経歴書では具体的な業務内容や実績、スキルや自己PRなどを記入しましょう。
まとめ
看護師は国家資格が必要な専門職種であり、経験領域を重視される傾向があります。
必ず経験領域がわかるように、履歴書には病院名とともに診療科も明記しましょう。
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