履歴書の本人希望欄の書き方|バイトやパート、在職中の場合などの書き方も紹介
履歴書の最後に設けられている本人希望欄はどのようなケースで活用するといいのでしょうか。
本人希望欄には、特別に希望する条件がないかぎり「貴社の規定に従います。」と記載をします。今回は特別な希望条件がある場合はどのように書けばいいのか、パターン別に紹介をします。
【パターン別】履歴書の本人希望欄の正しい書き方
履歴書の本人希望欄の基本的な書き方と、状況に応じた伝え方についてご紹介します。
【基本】絶対条件がない場合は「貴社の規定に従います。」と記載
本人希望欄は、同じ企業が複数の職種・勤務地で募集している場合や、どうしても譲れない条件がある場合に記載します。
応募企業に伝えたい条件がない場合は、空欄のままにしておかず「貴社の規定に従います。」と記載しましょう。
【募集職種や勤務地が複数ある場合】希望職種・勤務地を記載
求人に記載されている募集職種や勤務地が複数あり、職種や勤務地に希望がある場合は、「営業職を希望いたします。」「勤務地は関東・東北の拠点を希望しております。」などと、本人希望欄に記載しておきましょう。
職種や勤務地に強い希望がない場合は、「貴社の規定に従います。」と記載します。
【在職中の場合】連絡可能日時と連絡手段を記載
企業で働きながら転職活動をしている場合は、日中に連絡ができないケースが多いです。
「就業中のため平日18時以降であれば連絡可能です。」「就業中のため、留守番電話やメールでご連絡いただけましたら、確認次第折り返しいたします。」など、本人希望欄に連絡可能な時間帯や連絡手段を記載しておくと連絡がつきやすくなります。
【退職予定日が決まっている場合】退職予定日と入社可能日を記載
退職予定日が決まっている場合は、「20○○年○月○日退職予定です。」「20○○年○月○日からの勤務を希望しております。」など、退職予定日や入社可能日を記載しておきましょう。
採用担当者が採用の目安にすることができるでしょう。
【希望制度がある場合】住居や交通手段などの希望制度を記載
社宅や社員寮への入居やマイカー勤務など、求人に記載されている福利厚生や通勤制度などの利用を希望している場合は、事前に制度利用の調整が必要になることもあります。
「○○エリアの社宅への入居を希望しています。」「マイカー通勤を希望しております。」などと、本人希望欄に記載しておきましょう。
【出勤できない日や時間帯がある場合】理由と出勤できる日や時間帯を記載
勤務日や時間に制限がある場合は、理由とともに本人希望欄に必ず記載しておきましょう。
特に、応募企業が定めている就業時間内で勤務できない日時がある場合は、「保育園の送迎のため月水は9:00~17:00勤務を希望します。」「家族の介護があるため、月に2回の半休を希望します。」など、具体的に書いておくとよいでしょう。
【希望年収がある場合】
転職先の年収は、応募者の経験・スキルや仕事内容を面接で確認し、企業の給与テーブルや評価制度などに従って決定されます。
そのため、経験・スキルに対する評価や入社後の仕事内容などが確定していない履歴書の段階で希望年収を伝えてしまうと、「お互いが理解を深める前に一方的に条件を主張する人物」という印象を与える可能性があります。
年収は転職先を選ぶ際に重要な要素ですが、履歴書の本人希望欄で伝えることはせずに、書類選考を通過し面接で相互理解が深まってから交渉するようにしましょう。
【扶養内での勤務を希望する場合】その内容を記載
アルバイト・パートなどで扶養内での勤務を希望する場合は、「扶養範囲内での勤務を希望します。」と記載しておきましょう。
アルバイト・パートの場合は、勤務先がシフト調整を行っているケースが多いため、希望勤務時間や曜日、出勤できない日なども履歴書に明記しておくと採用担当者が選考しやすくなります。
採用担当者は本人希望欄をどう見ている?【専門家に取材しました】
採用担当者は本人希望欄をどのような観点で確認しているのでしょうか。専門家に実際の声を聞いてみました。
粟野友樹
Seguros(組織人事コンサルティング)、国家資格キャリアコンサルタント
筑波大学大学院(野外教育)を修了後、人材業界等での営業やキャリアアドバイザーを約15年経験。
2018年にSeguros(組織人事コンサルティング)として独立。延べ20社の社外人事としての中途・新卒採用支援や、リクナビNEXT「転職成功ノウハウ」等の転職系記事の監修を担当。
応募者の「強い希望条件」と捉えている
原則として履歴書の本人希望欄は、どうしても応募企業に伝えたい条件を記載する項目です。複数の職種や勤務地で募集している場合は、採用担当者が判別できるように希望職種や勤務地を書いておいた方がていねいですが、年収などの待遇に関しては注意が必要です。
書類選考の段階で希望の年収額を書いてしまうと、応募企業の給与レンジに合わなければ書類選考で不採用になる可能性があるかもしれません。
採用担当者は本人希望欄に記載された項目を「強い希望条件」と捉えます。
求人に「本社勤務 年収500~700万円」と記載されていたとして、本人希望欄に「完全リモートワークで、年収800万円以上を希望します。」などと書かれていた場合、「まだ具体的な話をしていない段階で、募集要項と異なる条件や待遇を希望している」という印象が強く残ってしまいます。
その結果、応募者が複数いた場合は、比較検討してお断りをさせていただく可能性もあります。まだ会って話をしていない履歴書の段階で、年収などの希望条件を伝えることはできるだけ控えるようにしましょう。
「貴社の規定に従います。」以外の文言が書いてあった場合はどう感じる?
履歴書の本人希望欄には、基本的に「貴社の規定に従います。」と記載します。
そのため、「貴社の規定に従います。」以外の文言が書いてあった場合は、採用担当者の印象に残る可能性が高いでしょう。
本人希望欄は、強い希望を記載する項目なので、複数の条件が記載されていた場合は「希望が多くて強いこだわりがある人」という印象を抱く可能性もあります。
長く働くうえで自分の希望はきちんと伝えるべきではありますが、履歴書の段階でさまざまな希望を書いてしまうのはあまりおすすめはできません。
待遇や条件のすり合わせはどうすればいい?
履歴書では最低限の希望条件のみをあれば伝え、それ以外の待遇や条件のすり合わせは、面接や面談の場で行いましょう。転職エージェントを利用している場合は、担当のキャリアアドバイザー経由で伝えるという方法もあります。
待遇や条件のすり合わせは面接の場で行うべきですが、まだお互いに理解が深まっていない面接の冒頭で言い出してしまったり、企業説明や仕事内容など基本的な説明を聞く1次面接の場で一方的に希望年収の金額だけを伝えたりすると、採用担当者から「給与にしか興味がなさそう」「コミュニケーションに不安がある」と、懸念される可能性が高くなります。
面接は応募者と企業がお互いを見極めるために実施するものです。一方的に条件を伝えるのではなく、対話を通じて双方が納得できる着地点を探るようにしましょう。
まとめ
履歴書の本人希望欄は、強く希望する条件を書面で伝える役割を果たします。
「あらかじめ希望を書いておけば条件が良くなるかもしれない」と軽い気持ちで書いたとしても、企業側が重く受け止めて選考に影響してしまうこともあります。どうしても譲れない条件以外は、履歴書ではなく面接の場で伝えるようにしましょう。
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