留学経験は履歴書に書くべき?正しい書き方レクチャー【記載例有り】
留学経験は、応募企業に語学力をアピールできるので履歴書にも記載しておきたい経歴です。
留学には「正規留学」「交換留学」「語学留学」「ワーキングホリデー」の4種類があり、書き方に違いがあります。
そこで、履歴書の留学経験の書き方について解説します。
目次
留学の種類は大きく4つ!履歴書の学歴に書けるのは1年以上が基本
「留学」の定義には4つの種類があり、学歴欄に書けるのは1年以上の留学が基本となっています。
各留学の違いや傾向について紹介します。
正規留学とは
海外の大学や大学院などの教育機関に在籍し、現地の学生と同様に学位取得を目指すのが「正規留学」です。
入学試験で一定レベルの語学力を求められるため、語学力向上が目的ではなく、海外の教育機関で専門分野の知識を得るための留学といえます。
場所が海外というだけで、国内と同様に大学や大学院に通うため、期間は2~4年が一般的です。
正規の教育機関に1年以上留学するので、履歴書の学歴欄に記入できます。
交換留学とは
日本の大学に在籍したまま、大学が学生交換協定を締結している海外の大学に、1学期~1年間留学するプログラムが「交換留学」です。
正規留学よりも短期で留学が可能で、在籍している国内の大学の授業料を納入することで海外大学の料金は不要になるため、安心・安価に留学できる点がメリットです。
正規の教育機関に通うので、1年のプログラムに通っていれば、履歴書の学歴欄に記載できます。
語学留学とは
語学の習得を目的として留学するのが「語学留学」です。
現地の学生と一緒に教育機関に通う正規留学や交換留学と異なり、観光ビザを使って1週間や1ヶ月といった短期間での留学が可能です。
また、ワーキングホリデービザを取得して語学学校に通いながら現地でアルバイトもできるため、短期間に多様な経験ができるでしょう。
期間が短く正規の教育機関ではないため、履歴書の学歴欄ではなく資格・免許欄に記載します。
ワーキングホリデー(ワーホリ)とは
ワーキングホリデーは18歳から30歳までの日本国籍を持つ人が、オーストラリアやニュージーランドなどの協定を結んでいる国に留学できる制度です。
ワーキングホリデーは海外で働ける点が特徴で、海外生活を維持するための資金を稼ぎながら、語学も身につけられます。
留学経験には入りませんが、海外での経験や語学力をアピールしたい場合は自己PR欄で伝えるようにしましょう。
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【留学の種類別】履歴書における学歴欄の書き方
留学の種類別に、履歴書の学歴欄の書き方を解説します。
【共通】国名・時期(期間)・海外の学校名を記載
履歴書への書き方の基本として、留学した国名・時期(年月)と期間・正式な学校名と学部・学科、専攻を記載します。
学部や専攻がない場合は、コース名などを記載しましょう。
正規留学(1年以上)の書き方
1年以上の正規留学の書き方例を学部・学科とコースの場合に分けてご紹介します。
学部や学科がある場合
年 | 月 | 学歴 |
2002年 | 4 | 私立〇〇高等学校 入学 |
2005年 | 3 | 私立〇〇高等学校 卒業 |
2005年 | 8 | アメリカ合衆国〇〇大学 □□学部 △△学科 入学 |
2009年 | 5 | アメリカ合衆国〇〇大学 □□学部 △△学科 卒業 |
学部や学科がある場合は、大学名に続けて学部・学科名を正式名称で記載しましょう。
コースの場合
年 | 月 | 学歴 |
2002年 | 4 | 私立〇〇高等学校 入学 |
2005年 | 3 | 私立〇〇高等学校 卒業 |
2005年 | 8 | アメリカ合衆国〇〇大学 □□コース 入学 |
2009年 | 5 | アメリカ合衆国〇〇大学 □□コース 卒業 |
学部・学科がなく専攻コースに通学していた場合は、コース名を記載します。
交換留学(1年以上)の書き方
年 | 月 | 学歴 |
2002年 | 4 | 私立〇〇高等学校 入学 |
2005年 | 3 | 私立〇〇高等学校 卒業 |
2005年 | 4 | 〇〇大学□□学部△△学科 入学 |
2007年 | 4 | 2008年3月までアメリカ合衆国〇〇大学 □□学部 △△学科に交換留学 |
2009年 | 3 | 〇〇大学□□学部△△学科 卒業 |
交換留学をしていた場合は、その旨を補足したうえで、大学名や学部・学科を記載します。
就職後(社会人)に留学した場合の書き方
年 | 月 | 学歴 |
2005年 | 3 | 私立〇〇高等学校 卒業 |
2005年 | 4 | 〇〇大学□□学部△△学科 入学 |
2009年 | 3 | 〇〇大学□□学部△△学科 卒業 |
2011年 | 8 | アメリカ合衆国〇〇大学 大学院経営学修士課程(MBA)入学 |
2013年 | 5 | アメリカ合衆国〇〇大学 大学院経営学修士課程(MBA)修了 |
職歴 | ||
2009年 | 4 | 株式会社〇〇 入社 |
2011年 | 3 | 株式会社〇〇 一身上の都合により |
以上 |
就職後に留学した場合は、学歴欄の卒業の次に、留学した学校名などを記載します。
【留学の状況別】日本の大学中退・休学の書き方
留学のために、日本の大学を中退・休学した場合の書き方をご紹介します。
大学休学での留学
年 | 月 | 学歴 |
2005年 | 3 | 私立〇〇高等学校 卒業 |
2005年 | 4 | 〇〇大学□□学部△△学科 入学 |
2007年 | 4 | 休学し、アメリカ合衆国〇〇大学□□コースに1年間留学 |
2010年 | 3 | 〇〇大学□□学部△△学科 卒業 |
大学を休学した場合は、補足したうえで留学した学校名などを記載しましょう。
大学中退での留学
年 | 月 | 学歴 |
2005年 | 3 | 私立〇〇高等学校 卒業 |
2005年 | 4 | 〇〇大学□□学部△△学科 入学 |
2006年 | 6 | 〇〇大学□□学部△△学科 中途退学 |
2006年 | 8 | アメリカ合衆国〇〇大学□□コース 入学 |
2008年 | 5 | アメリカ合衆国〇〇大学□□コース 卒業 |
大学を中退して留学した場合は、通っていた大学名に加えて「中途退学」と記載し、留学の学歴を続けましょう。
留学経験からアピールできる強みと例文
留学経験で培った強みを、履歴書でアピールする際のポイントと例文をご紹介します。
1.語学力をアピールする際のポイント&例文
留学経験でアピールしたい強みといえば語学力。
語学力をアピールする際のポイントと例文を3つご紹介します。
習得した語学レベルや成長幅を伝える
学習意欲や努力を伝えるために、習得した語学レベルは成長幅で伝えるようにしましょう。
例えば、「日常会話レベルで留学しましたが、帰国する頃には現地学生とディスカッションを深められるようになりました」など、留学前と留学後でどのように成長して、現在はどの程度の語学レベルなのかを伝えられるといいでしょう。
語学力をアピールした例文【免許・資格・特技の欄】
免許・資格・特技の例文
・英語力:高校受験レベルの単語や表現での平易な会話は可能なレベル、ローカルの友人とのメールでの意思疎通が可能なレベル
・20XX年X月~20XX年X月(1ヶ月間)オーストラリア 〇〇語学学校に英語力アップを目的に短期語学留学
上記は具体的なレベルと留学期間、目的を伝えた例文です。
履歴書は文字数が限られるので、アピールしたい要素を端的に記載するようにしましょう。
2.行動力&問題解決能力をアピールする際のポイント&例文
行動力や問題解決力はビジネスでも必要とされる重要スキルです。
海外で主体的に働きかけたことは、行動力や問題解決力のアピールになります。
具体的な行動エピソードと成果、気づきなどを交えてアピールしましょう。
実行に移した行動力&攻略法を伝える
海外留学を決め行動に起こすまで、情報収集やプランニング、事前学習が必要です。
少なくない費用がかかるため、周囲を説得して実行するまでに工夫したことや、壁にぶつかっても突破したエピソードがあればアピールしましょう。
行動力と問題解決能力をアピールした例文【自己PRの欄】
自己PRの例文
私は行動力があるところが強みです。
学生時代に日本語が通用しない国に行き、困難を克服する力を身につけたいと思い、フィリピンにホームステイに行きました。
留学当初は滞在先の家族との意思疎通もままならず、自分の言いたいことを伝えるだけで精一杯でした。
しかし、どんなに疲れている日でも勉強を続けた結果、3ヶ月後には日常的な会話であればスムーズに話せるようになりました。
この経験は、大変なことも一歩一歩積み上げれば壁を乗り越えられるという自信になっています。
大学卒業後も自己能力以上の業務にも臆せずチャレンジし、会社とともに成長していけるよう励んでいきたいと感じています。
上記の例文は冒頭で端的に強みを伝えてからエピソードを続けているため、理解しやすい文章になっています。
当初のレベルから努力を続け、成長したエピソードがイキイキと伝わります。
海外留学経験を通じて身につけたバイタリティや自信を、入社後に活かそうとしている姿勢も好印象です。
3.国際感覚をアピールする際のポイント&例文
海外留学では、国際感覚も養われます。国際感覚をアピールする際のポイントと例文を解説します。
現地の人との関わりにより広がった価値観をアピール
留学やワーキングホリデーは、教育機関や就業先などで現地の人と関わる機会があります。
多様な価値観を持つ人と関わることで、自身の考えや固定観念が変わり、視野が広がったエピソードがあれば、履歴書でアピールしましょう。
国際感覚をアピールした例文【志望動機の欄】
志望動機の例文
入社後は、貴社の中国へのビジネス展開をドライブしていきたいと考えています。
大学4年次はすでに卒業見込みとなっていたため、短期間ではありますが、卒業論文で題材とした中国に短期留学をしました。
現地に行ったからこそ肌で感じた環境問題、人々の苦悩を知り、自分に何かできないかと真剣に考える機会がありました。
それまでは中国に対して先入観を持っていましたが、現地の人と触れ合ううちにその考え方も変わり、国では括れないと実感しました。
貴社は、中国への環境分野のビジネスに力を入れようとしています。多くの学びを得た中国に恩返しをするためにも、短期留学で得た知見を活かし、今後の目標を果たしたいと考えております。
上記の例文では、冒頭で入社後に実現したいことを伝え、そのきっかけとなった留学エピソードに結びつけています。
留学で気づいたことから応募企業を選択した理由まで一貫しており、納得感の得やすい志望動機です。
留学経験(ワーキングホリデー)の詳細は職務経歴書に
履歴書はフォーマットが決まっているため、記載する文字数が限られています。
留学経験で得た強みを履歴書でアピールしきれない場合は、職務経歴書の自己PR欄に具体的に記載しましょう。
職務経歴書用の自己PRを作成してから、200~300文字程度に要約した文章を履歴書に使用すると効率的です。
採用担当者が見ているポイント3つ
応募企業の採用担当者が、履歴書の留学経験で判断しているポイントについて解説します。
1.留学を決意した理由
留学の目的の多くは語学だけではないので、何を専攻として学んできたのか、学校での成績(米国でいうとGPA)もアピールポイントのひとつになるでしょう。
学校で学んだ専攻が応募する仕事に活かせると、採用担当者から評価されやすくなります。
2.留学ならではと感じさせるスキルや経験
留学当初から現在までの語学力の成長度合いから、応募者の留学時の努力を推し量って評価するケースもあります。
困難な環境でも自分なりに吸収し、前向きに取り組もうとする姿勢が伝われば、「入社後の慣れない職場でも能動的に成果を出そうとする人物」と評価される可能性があります。
3.当社で留学経験をどう活かしたいのか
自身の留学経験や語学力を、応募先企業でどのように活かしたいのかを確認することで、入社後に実務で活かせるかどうかを判断しています。
もし海外の現地企業で中長期のインターンシップ経験がある場合は、どのような企業で何の仕事をしていたのかもチェックポイントになります。
まとめ
費用や時間をかけて留学した経験は、転職活動でも最大限に活かしましょう。
本文でご紹介したとおり、留学経験は語学力だけでなく、行動力や国際感覚のアピールにもなります。
履歴書の学歴欄、資格・免許欄、自己PR欄などを活用し、留学経験を効果的に伝えましょう。
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