50代薬剤師の転職は難しい?成功のポイントは求人選びと面接にあり

1.50代薬剤師は転職できる?50代転職の特徴とは

薬剤師 50代

50代転職では年収は期待できない

50代の薬剤師でも転職できるケースはあります。しかし、40代までと比べると明確に難しくなりますので、それをしっかり認識した上で転職活動を行う必要があります。

50代の転職が難しい一番の理由は、年収の高さです

厚生労働省が発表している平成30年の賃金構造基本統計調査によると、50代男性の薬剤師の平均年収は約687万円で、 これは全世代平均の約575万円よりも100万円以上高い水準となっています。(厚生労働省|平成30年賃金構造基本統計調査)

採用する側から見ると、高いコストをかけて採用しても、定年までの期間も短いため働く期間が限られている50代は、採算が合わないと思われてしまうのです。

仮に同じ能力の薬剤師だったとしたら、コストの安く働いてもらえる期間も長い20代、30代を採用したいと考えるのは自然ですよね。

50代の薬剤師は豊富な経験は魅力ですが、だからといって転職しやすくなるというわけでもないのです。

経験の豊富さだけでは転職に成功できない

2019年4月の厚生労働省の見解で、薬剤師以外に事務も調剤ができることが認められました。ドラッグストアでは、OTC専門の薬剤師の人数を減らす傾向にあります。

そのような流れで、薬剤師の需要は減っていき、50代の転職はより一層厳しくなることが予想されます。

そのため、50代の薬剤師の方は、「薬剤師の長年の経験があるのだから、どうにか転職できるだろう」などと軽く考えるのではなく、転職を成功させるためのポイントをしっかり押さえながら転職活動を行う必要があります

50代薬剤師の転職成功のポイントとは「求人選び」と「面接」です

次からは、成功のポイントである「求人選び」と「面接」について、それぞれ解説していきます。

2.50代薬剤師の求人選びの3つのポイント!転職エージェントおすすめの職場も紹介

まずは、求人選びのポイントについて紹介していきます。

転職エージェントへのインタビューで分かったポイントは下記の3点です。

50代薬剤師の求人選びのポイント3つ

  1. 「50代歓迎」求人を探す
  2. 大手の求人はNG!中小規模の調剤薬局求人から探す
  3. 中小薬局の管理薬剤師の求人が特に狙い目

それぞれ詳細を見ていきましょう。

1)「50代歓迎」求人を探す

まず基本は、「50代歓迎」と記載されている求人を探すことです。

「歓迎」と書かれていなくても、「NG」じゃなければいいのでは?と思うかもしれませんが、実は求人掲載に関しては法律上年齢制限を設けることができない、というルールがあります。

そのため、「50代歓迎」と記載されていない求人に応募しても転職できる可能性は低く、基本的には「50代以上はNG」と考えた方が良いのです。

しかし、50代以上について記載されている求人を実際に探してみても、まず掲載されている求人自体が限られていますので、探すのにも苦労することでしょう。

一つの転職サイトを利用するだけではなかなか良い求人に出会えません。

複数の転職サイトに登録して、非公開求人も含めてできるだけ多くの求人を紹介してもらうことが重要になります。

2)大手の求人はNG!中小規模の調剤薬局求人から探す

50代での転職を考えるなら、大手の求人はNGです。大手の調剤薬局やドラッグストアでは、40代以上の薬剤師が採用されることはほとんどないからです。

その理由は、大手では新卒の薬剤師を大量に採用するためです。新卒で必要な薬剤師を補充できるため、人件費がかかる40代以上の薬剤師をあえて採用する必要性がないのです。

むしろ、大手調剤薬局やドラッグストアで働いてきた50代付近の中年層の薬剤師は、必要ないとみなされれば圧力をかけられて離職に追い込まれるケースもあるのです。

一方、中小規模の調剤薬局ではなかなか新卒や若手の薬剤師が集まらず、人手不足になっているケースが多く見られます

50代で転職する場合には、そのような薬局の中から転職先を探すと、良い条件で転職できる可能性が高くなります

・大手調剤薬局が50代をとらない理由

日本調剤株式会社やアインファーマシーズなどの大手調剤薬局は基本的に年齢別に基本給を設定していて、年功序列で年収が上がっていくシステムです。

ですから、50代は一番基本給が高くなるのです。 そのため、大手調剤薬局にとって50代の薬剤師採用はとてもリスクの高いことになります。

以上の理由から、そのため、基本給が低い若い薬剤師を採用する傾向にあります。

3)中小薬局の管理薬剤師の求人が特に狙い目

中小規模の調剤薬局求人の中でも、特にねらい目なのは管理薬剤師の求人です。

50代となると、これまでに管理薬剤師を経験してこられた方も多いと思います。店舗の責任者になるので、「むしろ仕事量が増えるのでは?」と感じる方も多いと思います。

しかし、実は名前だけの管理職で、仕事もそれほど多くないというケースも多くあるのです。

それはなぜか。調剤薬局やドラッグストアでは、薬事法に基づき、1店舗あたりに必ず管理薬剤師を置かなければならないとされています。

しかし、地方薬局では薬剤師が不足していたり、都内薬局でも間々薬剤師が多い職場では結婚や出産などのライフイベントで離職して、一時的に人手が足りなくなる可能性が高いのです。

そのような職場では、継続してその店舗で働いてくれる管理薬剤師のなり手が少ないのです。

50代であれば、一般的にライフイベントでの離職の可能性は低いため、企業側としても安心して管理薬剤師を任せることができるのです。

管理薬剤師の仕事内容

  • 管理薬剤師以外の薬剤師、薬剤師以外の従業員が、適切に業務を行っているかどうか(例 :接客、法令遵守、情報提供の適否)の監督
  • 薬学の専門的な知識が必要な事例等、従業員等ができない場合への対応

引用元:厚生労働省|管理薬剤師等の責務の内容

ただ、これは職場によります。処方箋枚数が少なく、残業も少ない店舗ではおススメですが、忙しい店舗や、会社によっては必要以上の仕事を管理薬剤師に押し付けているところもあります。

転職エージェントに相談して、働きやすい職場を探してもらうようにしましょう。

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3.転職に失敗しないために。50代薬剤師の面接で見られる3つのポイント!

薬剤師 50代 面接

次に面接時のポイントについて解説していきます。

採用担当者へのインタビューによると、50代の薬剤師は面接では以下の3点を見られていることが多くあります。

面接時のポイント3つ

  1. 謙虚さが有るか
  2. 学ぶ姿勢が有るか
  3. 即戦力になるか

それぞれ詳細を見ていきましょう。

1)謙虚な姿勢が有るか

50代の薬剤師は、経験が豊富で管理職を経験してきた人も多いため、面接の場においても過度に自己評価が高かったり、経験を誇示してしまうということがよくあります。

しかし、実際には50代で転職してくる人は現場では「やりづらい」と思われることが多いのです。

経験、知識が豊富で頼りになる面もありますが、他社のやり方を持ち込まれると現場が混乱することもあります。採用担当者からも、「頑固だから採用しても周囲の人とうまくやっていけない」と思われている場合が多いのです。

そのため、面接では経験はしっかりアピールしつつも、謙虚な姿勢を見せる必要があります

「今の職場でもやっている仕事だからできますよ」という姿勢よりも、「これまでと異なる点は一からしっかり学び直しますとアピールすることで、この人は他の薬剤師とうまくやっていけるんだなと採用担当者に思ってもらえるのです。

2)学ぶ姿勢が有るか

薬局では、近年機械化が進んでいて、店舗によっては電子薬歴や自動分包機等の新しい機械を使うこともあります。

これまでの職場で使ったことがあればいいですが、そうでなければ50代で転職して、新しく覚えなおさなければならないのはかなりの負担です。また、これまで経験したことのない診療科であれば新薬など知識面でも勉強する必要が出てきます。

これは、当然採用担当者も「50代で今から全部覚えられるのか」と不安に感じるところです。

例え50代であっても、いや50代だからこそ、学ぶ姿勢を見せるというのは非常に大切になります。

面接の際に「今は使えないけれど勉強します」といった発言をしたり、薬局見学の際に実際に機会を触ってみる、質問をしてみるといったポジティブなアピールをすることで、50代というデメリットを解消することができます

3)即戦力となるか

50代薬剤師に職場がどのような役割を求めるか。それは「即戦力」です。

20代、30代であればしっかり研修をしてスキルアップをさせる、という時間やコストの余裕がありますが、50代ではそのようなわけにはいきません。教育係としてのニーズがあるので入ってすぐに一人前以上の働きをする、というレベルが求められます

ですから、50代薬剤師の今までの働き方は採用担当者にとって非常に重要なポイントとなるのです。

在宅医療を扱っていた、総合病院前を含め多くの診療科門前で働いてきた、といった薬剤師としてのスキルはもちろん、50代であればマネージャーとして複数店舗を管理してきた、薬局の新規立ち上げに携わった経験があるなど、管理スキルも大きなアピールポイントになります

4.50代薬剤師の採用側から見た魅力は?絶対アピールすべきポイント2選

面接で見られるポイントを紹介しましたが、面接時のポイントを踏まえて50代ならではの魅力をアピールすることが非常に重要になってきます。

しかし、「自分だと何をアピールしたら良いのかわからない」という薬剤師も多いですよね。

そこで、50代薬剤師がアピールすべきポイントをお伝えします。

離職可能性が低い・時間の融通利く

20~30代の若い薬剤師では、女性の場合結婚や出産での退職・離職の可能性がありますが、50代になると、すでにそのライフイベントも終わっていますので出産育児を理由に退職されることはありません。

また、男性であっても、若い世代であれば再転職されてしまうリスクがありますが、50代で転職となればそこから再度転職することはほとんどありません。また、小さい子供もいないため時間の融通が利きやすいというのも特徴です。

採用担当者にとって、安定して時間が確保できる薬剤師は貴重な存在になります。

豊富な調剤経験・コミュニケーション力

調剤経験が豊富で、緊急での対応が必要な場合でも落ち着いて臨機応変に対応できるという点も、50代薬剤師の魅力の一つです。また、一般的に中高年の薬剤師は、若い薬剤師よりもコミュニケーション力に優れていると言われます。

その理由は、若い薬剤師は学生時代患者とのコミュニケーションの教育を受けていないだけでなく、薬剤師として働いてからも日が浅く、また都内などの忙しい職場ではコミュニケーションに関する教育をする余裕がないためです。

特に近年は、コミュニケーションに苦労する若い世代が多く、そのような薬剤師は服薬指導の際にうまく対応できなかったり、患者から情報をうまく聞きだせなかったりといった影響があります。

患者との接し方を理解している50代の薬剤師は、現場の教育係としても重宝される存在です。

5.注意!50代薬剤師の転職では年収は妥協しよう

50代が転職で成功するためのポイントを紹介してきました。しかし、50代転職では1つだけ注意しなければならないことがあります。

それは、転職=年収が上がる、というイメージが強いですが、50代での転職ではそのようなイメージを持ってはいけないということです。

年収は上がることはほぼなく、下がる可能性の方が高いため、そこは認識したうえで転職活動に臨みましょう。

50代の転職で年収が上がらない理由は以下の2つです。

50代は元々の年収設定が高い

一つは、今の50代はちょうどバブル期に就職した世代なので、元々の年収設定が高いということです。

先ほどお伝えした通り、50代男性の薬剤師の平均年収は687万円ですが、これは年齢による上昇幅だけでなく、バブル期の就職だったのでスタートから年収が高かった、という要因もあります。

働ける期間が短い

もう一つは、働ける期間が短いということです。50代ですと、定年までと考えると長くても10年しか働くことができません。将来性が低いため、企業もそこまで50代の薬剤師に投資できないのです。

50代となると、これまでの経験に対するプライドや、年収面でもこだわりを持っている人が多いかと思います。転職活動においては、ある程度年収を妥協する気持ちを持っておきましょう。

6.転職成功には求人数・情報量が重要。50代薬剤師おすすめ転職サイト3選

薬剤師 転職エージェント 相談

ここまで50代の転職のポイントを紹介してきましたが、求人選びからつまづいてしまっては意味がありません。

求人選びを成功させるためには転職サイトに登録することが非常に重要になります。

しかし、登録するのはどの転職サイトでもよいというわけではありません。転職サイト選びは以下の点に注意しましょう。

転職サイト選びのポイント

  • 転職サポートの手厚さ
  • 調剤薬局の数の多さ

50代が転職に成功するためには転職サポートも調剤薬局の求人数も重要です。

なぜなら、50代の転職成功はただ求人を見つけることではなく自分にとって居心地のいい職場を見つけることだからです。

そのためには、複数の転職サイトに登録し、求人の紹介母数・情報を増やすことが非常に重要になってきます。

逆に、転職サイトを利用しない場合はどうなるのでしょうか。転職サイトを利用せず転職に失敗した方の経験談を記載します。

女性
有休消化ができない職場に耐えられず辞職
35歳・女性

転職サイトは使わず、中小のドラッグストアにパートとして転職しました。

労働基準法でパートは半年で有休をもらえるはずなのに全く有休消化をさせてもらえなかったり、上司薬剤師の人間関係のいざこざに巻き込まれてしまったため、耐えられず1年で転職を決意しました。

次の転職では、「転職エージェントに希望求人の職場事情を聞いていれば転職に失敗しないだろう」と思い、転職サイトに登録しました。

今の職場ではトラブルがないので「早く転職サイトで紹介してもらえばよかった」と思っています。

このように転職サイトに登録せずに転職すると、求人情報がほとんどないので転職後に「こんなはずじゃなかったのに…」と後悔することも多くなってしまいます。

一方で、転職サイトに登録すれば、転職エージェントがあらかじめ人間関係などの働かなければわからないような情報まで調べてくれるので、転職後のギャップを少なくすることができます

次におすすめの転職サイトを紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

転職サイトは転職サポートの手厚さと調剤薬局の求人数で選ぶ

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サイト
転職サポート 調剤薬局求人数 相談方法
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転職サポート面・調剤薬局の求人数の2つの観点からおすすめの転職サイトを選びました。

転職サポートと調剤薬局の求人数が重要な理由について詳しく説明します。

転職サポート|転職後のミスマッチ防止が転職成功の鍵

転職のサポート体制は、サイトによって大きく変わります。中でもファルマスタッフやマイナビ薬剤師は、全国各地に事業所があります。そのため電話やメールだけでなく、実際に事業所にて転職エージェントと面談ができたり、面接の際はエージェントに同行してもらうことも可能になります。

電話だけではこちらの希望がしっかり相手に伝わっているのかわかりにくいものですが、実際に会うことができるとこちらも安心感を持てますし、意思疎通がしやすくなるので、希望する求人の意図を確実にくみ取ってもらうことができます

また、全国に拠点があるということはそれだけ地域の特性や求人の情報に詳しいということも言えます。

ファルマスタッフ、マイナビ薬剤師はエージェントとの面談の中で、50代の薬剤師が希望する求人を、その地域の特性をふまえつつ職場の雰囲気、人間関係、理念などの様々な要素から判断して紹介してくれます。

これらの情報は求人票をみただけではわからない情報で、これらの情報があることで実際にそこで働くイメージを持つことができます。その結果、転職後のミスマッチを防ぐことができ、最適な求人に転職できる可能性が高まるのです。

調剤薬局の求人数|紹介求人母数を増やす

転職には、紹介してもらえる求人の数も大事です。

50代の薬剤師で一番多い求人は調剤薬局となります。50代おススメの職場で中小調剤薬局と説明したように、50代の転職における悩みを解決できる、転職を成功させることができる可能性が一番あるのも調剤薬局です

そのため、転職サイトを選ぶ際も、「調剤薬局の求人が多い転職サイト」にする必要があります。求人数が多ければ、それだけ質の良い求人の数も増えることになります。50代の転職では、特にこの求人母数を増やすということが大事になるのです。

今回ご紹介しているファルマスタッフ、マイナビ薬剤師、いずれも調剤薬局の求人数を豊富に持っている転職サイトです。これらの転職サイトに登録することで、今の悩みを解決できる新しい職場への転職を成功させましょう。

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7.50代薬剤師の転職理由って?職場で陥る3つの悩み

ここからは、50代薬剤師にまつわる情報として転職理由と魅力を紹介していきます。 まずは、50代薬剤師の主な転職理由を確認していきましょう。

50代の薬剤師は以下の悩みを抱えて転職する方が多いようです。

  • 電子薬歴など、服薬指導・処方箋の電子化についていけない
  • 年齢的に、仕事量に体力が追いつかなくなった
  • 若い上司からの指導が耐えられない

それぞれ詳しく説明していきます。

電子薬歴など、服薬指導・処方箋の電子化についていけない

電子薬歴など、今は多くの薬局が電子化を進めています。また、ピッキングや監査の場面においても、機械化を取り入れている薬局もあり、その流れは今後さらに加速していくことが予想されます。

電子化、機械化を進めるのは、店舗的には業務の効率化が一番の目的です。最初は慣れずに戸惑うこともあるかと思いますが、慣れてくれば日々の業務が簡略化され、薬剤師の負担は軽減します。

特に、普段様々な機会に触れている若い世代にとってはさほど抵抗なく電子化、機械化に対応できるものと思われます。

しかし、50代にとってはこういった電子化の流れについていくのは難しく、「自分が一番経験を積んでいるはずなのに、上手く機械を扱えずつらい…と悩む薬剤師も多いようです。

現場では、手記薬歴を他の薬剤師に頼んで電子薬歴に移行してもらうといったように、非常に手間のかかることをやっている場合もあります。これでは本人だけでなく、周りの人にも迷惑がかかってしまいますね。

年齢的に、仕事量に体力が追いつかなくなった

50代の薬剤師の中には体力面など、年齢的なことが原因で転職を考える方が多くいらっしゃいます。 特に忙しい職場で長い間働いていると、限界を感じることも多くなります。

病院薬剤師は大抵どの職場でも忙しいですが、ドラッグストアや調剤薬局は店舗によって忙しさも様々です。

例えば大病院の門前で在宅医療もやって…という店舗では、処方内容も重く、手間も多いため休む暇もほとんどなく動き回ることになります。一方で、眼科、皮膚科の門前などでは処方内容も軽く、体力的にも楽な店舗になります。

年齢を重ねると、体力面でもそうですが、老眼になり処方箋の薬の中身を確認するといった細かい作業がつらくなるなど、様々な面で支障が出ます。そのような悩みを解決するために転職を考える50代の薬剤師は「ゆっくり働きたいと考えることが多いようです。

若い上司からの指導が耐えられない

50代の薬剤師の中には、プライドが高く若い薬剤師からの指導に耐えられず辞めてしまうという場合が多くあります。

複数店舗を展開している調剤薬局などでは、薬剤師は一つの店舗で固定で働く方法と、複数店舗で勤務するラウンダーという働き方があります。一つの店舗で管理薬剤師を経験したあと、ラウンダーを経てエリアマネージャーへと出世するのが一般的です。

薬剤師の中には「異動せずに一つの店舗で働きたい」と考える人も多いので、管理薬剤師より上にいかず、その結果自分より若い世代がエリアマネージャーとなり、指示されるようになるというケースは多く見られます。

また、立場が上でなくても、現場で自分より若い薬剤師からミスを指摘されたり、指導を受けるということはあります。しかし、これまでの経験にプライドを持っていると「なんで自分より経験の浅い薬剤師から指導をうけなければならないのか」と思ってしまうことがあります。

特に、周囲の年齢層が若い職場では仕事がやりづらいと感じる50代の薬剤師は多いようです。

8.まとめ

50代になってからの転職は、コストがかかり働ける期間が短いという理由で若い世代よりも難しいのが現実です。

しかし、今回お伝えした「求人選び」の方法と、「面接」での対応次第では、希望通りの転職をすることも十分に可能です。

50代になると、職場によっては肩身の狭い思いをすることがありますが、今の職場に不満があっても年齢を考えると転職に躊躇してしまいがちです。

しかし、50代の薬剤師には「経験」や「コミュニケーション力」など、若手の見本となる点はたくさんあります。

これまでの経験が今以上に活かされる職場に出会えるかもしれませんので、一度転職サイトに登録して話を聞いてみてはいかがでしょうか。

この記事を監修した人
カネさん
HOP!ナビ薬剤師 編集部
カネさん
薬学部卒業後、高知県の調剤薬局に就職。3年間、臨床経験を積む。その後、転職活動の合間に都内で派遣薬剤師として勤務。大手医療系人材紹介会社に入社し転職エージェントとして求職者をサポート。現在はHOP!ナビ薬剤師でキャリアに悩む薬剤師さんに向けて記事の企画や監修を行う。