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こんにちは!「HOP!」の編集担当・与那覇です。最近、「かかりつけ薬局」や「かかりつけ薬剤師」という言葉を耳にする機会がずいぶん増えましたよね。そこでHOP!編集部では、都内で21店舗の薬局を経営する東京メディエールさんに直撃取材!地域における薬局の役割について伺ってきました。
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
1.東京メディエールの成り立ちと活動内容
東京都城北部を中心に21店舗の薬局を構える、一般社団法人東京メディエールさん。今回は同法人の副理事長である、知久雅幸(ちくまさゆき)さんにお話を伺いました。
知久雅幸さん/一般社団法人東京メディエール副理事長・薬剤師
与那覇:本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。はじめに東京メディエールさんの成り立ちについて教えてください。
知久さん:2015年、以前から業務連携していた4つの法人(株式会社健商、ひまわり企画、ユニオン企画、有限会社虹企画)を合併して立ち上げたのが、一般社団法人東京メディエールです。合併前から4つの法人間では非営利・協働をベースとして業務連携を行なっていましたが、さらなる「地域の皆さんの健康サポート」を実現したいと考えたのです。
与那覇:東京メディエールさんとほかの薬局の違いは何でしょうか。
知久さん:薬害防止活動などを積極的に行なっている点です。薬害についての勉強会開催や、薬害に見舞われ訴訟になってしまった方を支援しています。薬害の歴史は古く、スモンやサリドマイド、薬害エイズなどがあります。患者さんの人権を守る、大きな薬害を未然に防ぐ、ということを中心に考え、訴訟の支援活動などに積極的に取り組み始めたのが1980年代です。
「薬害ヤコブ」「イレッサ(抗がん剤)」の副作用で亡くなられる方もいますが、そういった悲しい出来事をなくしていくためにも支援を続けています。
与那覇:少しでも薬害が少なくなることを祈ります。ところで、病院や診療所、介護施設とはどのように連携しているのでしょうか。
知久さん:定期的にドクター、薬剤師、介護職関連の会議を実施し、気になる患者さんの生活環境について情報共有しています。元々弊社は在宅訪問などに力を入れており、最近は「地域包括ケア制度」に合わせた取り組みを始めています。
与那覇:「かかりつけ薬局・薬剤師」のようなイメージですか?
知久さん:そうですね。弊社の薬局がある都心部は、独り暮らしの高齢者が多く、経済格差が広がるなかで貧困に苦しんでいる高齢者も増えています。経済的に苦しい方からも在宅訪問の需要が高まるなかで、どのようなサービスを提供していくか考えた結果、まずは薬局から出て患家にうかがうことから始めようと、今のスタイルが定着しました。
与那覇:在宅訪問ではどのようなことをされているんでしょうか。
知久さん:たとえば外来の患者さまで、職員から「薬がきちんと飲めていないようだ」との情報が上がってくることがあります。これらの患者さんは「気になる患者さん」として分類され、サービスとしての服薬指導にご自宅に出向くこともあります。正規のサービスではないので、お金はいただきません。また、患者さまがお薬を飲むのを嫌がっている場合、強制的に飲ませるのではなく、飲みたくない気持ちにも共感しながら、どのように療養するか一緒に考えていきます。
与那覇:常に患者さまの立場に立って運営されているんですね。どのようにして患者さまからの声を集めているんでしょうか。
知久さん:患者さまが自ら薬局にお声を寄せてくれることが多いですね。小さい薬局でも「頻繁に」とは言えませんが、かなり多くの相談が寄せられます。そのほかにお電話や、患者さまのご家族から要望をいただくこともあります。薬物治療の面において弊社を頼りにしていただいていることは大変ありがたいことです。
与那覇:地域の方々と町の薬局、医療機関との結びつきは、これから少子高齢化が進んでいくなかでとても重要ですね。
2.病棟研修も実施!東京メディエール独自の薬剤師研修
与那覇:東京メディエールさんでは若手薬剤師の育成にも力を入れているようですね。具体的にどのような取り組みをされているんでしょうか。
知久さん:特徴的な研修制度として、中長期の病棟研修があります。希望に合わせて長いもので半年、実際に病棟業務を行なうというものです。病院の種類は一般病院から慢性期病院とさまざまで、できる限り本人が「何を学びたいか」を聞き取り、希望を尊重しています。
与那覇:薬局の薬剤師さんが病院で研修するとは珍しいですね。薬剤師さんは病棟でどのようなことを行なうのでしょうか。
知久さん:主に病棟業務ですね。薬剤師の視点から入院患者さんの服薬状況や、治療上の問題点がないかを観察し、担当医師に伝えています。長期的な視点で、患者さん一人ひとりのケアを経験できるんです。
与那覇:そのような病棟での研修は、薬局でどのように活きるのでしょうか。
知久さん:一番大きいのは、病理の知識が増えることではないでしょうか。薬だけでなくドクターが診察する病気に対しての知識も増える点です。薬局に戻った際、処方せんの背景を深く理解することにつながっています。
与那覇:研修が業務にも深くつながっているというわけですね。これまでどのような病院で研修を実施したのでしょうか。
知久さん:最近では「緩和ケア」に携わりたいという薬剤師が、王子の病院研修に行きました。実際の現場で医療を学べることが、働くうえでの大きなモチベーションになっているようです。
与那覇:病院での研修は大変な面も多いと思いますが、医療従事者として成長できる大切な機会となっているんですね。
知久さん:研修の内容とは少し違いますが、弊社では若い薬剤師さんから意見を取り入れて、新しい制度や取り組みが生まれることも多いんですよ。たとえば薬局に血糖測定器や骨密度測定器を設置したいという要望があれば、幹部が真剣に検討します。僕は、年配者が考えるより若い人から出てきたアイディアの方が絶対に良いという持論があるので、特に経営以外はなるべく口出しをしないように心がけていますね。
与那覇:会社からのトップダウンではなく、若手薬剤師さんからの意見を積極的に取り入れてるんですね。自分のやりたいことや意見が業務に反映されると、働く上でのモチベーションも高まり、患者さまやスタッフ同士のコミュニケーションも活発になりそうですね。
3.誰もが安心して医療を受けられる社会を目指して
与那覇:ここまでお話しを伺ってきたなかで、東京メディエールさんは「地域の方々への社会貢献」「薬害根絶運動」「若手薬剤師への教育」など、さまざまな取り組みを実施していることがわかりました。これから東京メディエールさんが目指す未来への展望を教えてください。
知久さん:今まで申し上げたことの延長になりますが、一番大切にしたいことは「いつでも・どこでも・誰もが安心して安全な医療を受けられる社会の実現」です。そのために保険薬局事業においては、今までもこれからも、地域住民の皆さんの利益を最優先に考え、副作用を未然に防ぐためのDI(Drag Information)や、薬害防止活動などに取り組み、同時に地域住民の健康増進を図る活動なども精力的に行なっていきたいと考えています。既存の取り組みと合わせて、今まで以上に幅広い医療、福祉活動に従事していきたいですね。
与那覇:これからの活動も期待しています。本日はどうもありがとうございました!
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