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凸版印刷株式会社の100%子会社、おかぴファーマシーシステム株式会社が2020年3月にリリースした処方せん薬宅配サービス「とどくすり」。
今回はサービスの特徴や開発に至った背景、そして今後の展望を同社の倉重さんに伺いました。
倉重 達一郎(くらしげ たついちろう)さん
楽天グループのケンコーコム、JINS、LINEなどで医療・ヘルスケア領域の事業開発責任者を歴任。ケンコーコムでは執行役員としてOTC医薬品のネット販売の規制解禁の実行メンバーとして従事。
現在は凸版印刷(株)事業開発本部ヘルスケア事業開発センターセンター長、兼おかぴファーマシーシステム(株)代表取締役、薬剤師として活躍。
トッパンが掲げる4つの成長領域うち「健康・ライフサイエンス」領域における新規事業立上げに取り組んでいる。
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
1.オンライン服薬指導、薬の配達、決済まで一気通貫したサポートを提供する「とどくすり」
ーまず「とどくすり」とはどのようなサービスなのでしょうか?
「とどくすり」は、「とどくすり」は薬局のオンライン化を支援する仕組みです。ウェブ上での処方せん受付、電話等での服薬指導サポートや、薬の配達、そして薬代の決済までを担っています。 これにより、患者さんは自宅に居ながらにして、医師から処方された薬を受け取ることができるのです。
「とどくすり」で薬の配達を申し込むと、翌日以降にお薬が配送されます。 より早く薬を受け取りたい方に向けた「とどくすりEXPRESS」というサービスも展開しています。地域限定ですが、最短当日にお薬が届く便利なサービスです。
加えて、電話・オンライン診療を受診した方がそのままオンライン服薬指導を受けた際、診察代と薬代を合わせて「とどくすり」の中で決済が可能な医療機関向けサービス「とどくすり電話診療サポート」も開始しました。 このように電話・オンライン診療の普及から薬局のオンライン服薬指導のサポート、そして決済まで一貫してお届けするのが「とどくすり」サービスです。
ー決済までサービス内で完結するのは非常に便利ですね…!
そうですね。
オンライン診療の場合、どこで診療代を支払うか困ってしまう患者さんが多いんです。
他サービスでもオンライン診療のツールは沢山ありますが、患者さんに手数料の負担があったり、病院側に設備の負担がかかったり、専用のアプリをダウンロードする必要があったり…。
こういった煩雑な手間が省けるのは本サービスの特徴といえますね。
電話診療から決済まで一気通貫したサポートを実施している点、そして医療機関側もユーザー側も導入コストがゼロという点は他サービスにはないメリットではないでしょうか。 昨今の世情をふまえて、対面ではなくオンライン診療を希望する医師、患者さんは増えています。そういった方々に向けてサービスを展開し、患者さんの健康維持のためのサポートをしていきたいですね。
ー具体的なサービスの利用方法を教えてください
基本的には0410対応*に沿って実施いただきます。
*厚生労働省が発出した事務連絡「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取り扱いについて」を指す
まず患者さんは医療機関での診察のあと、住所や服薬指導の時間帯、決済方法といった情報を「とどくすり」に登録します。 医療機関から「とどくすり」宛に処方箋が送られ、あとは患者さんが指定した時間にオンライン服薬指導を受けられるという仕組みです。
服薬指導を経て薬剤師が薬の処方について問題ないと判断すれば、指定した日時に薬が自宅に届きます。 患者さんが受診する医療機関に制限はなく、患者さんは全国各地から直接医師を選べます。もちろん、かかりつけの医師によるオンライン診察も可能です。
現在は新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためのサービスという意味合いが強いですが、身体的あるいは精神的に外出が困難な方にもご利用いただき、「このサービスがあって助かった」というようなお声をいただいております。また薬の種類によっては他の患者さんもいる薬局での服薬指導を受けることをためらう患者さんもいらっしゃいます。
こういった患者さんの課題・ニーズにお応えしていくことが今後の当社の役割であると考えています。
ー「とどくすり」を導入するメリットを教えてください
医療機関
医療機関が導入するのは「とどくすり電話診療サポート」ですが、一番に導入の手軽さはメリットとして挙げられると思います。 専用の機械やアプリのダウンロードも必要ないですし、契約も必要ないので非常に導入ハードルが低いサービスだと思います。
さらに言いますと、診察代の回収を無料で代行しているという点も言えますね。 オンライン診療において診察代の回収に課題を感じている医療機関が多いなか、導入費用が一切かからずこの点を解消できるのは大きなメリットではないでしょうか。
薬局
薬局のメリットとしては、オンライン服薬指導・決済・薬の配送含めて薬局のオンライン化すべてをサポートしている点です。 処方箋一枚あたりの手数料は発生しますが、導入費用はゼロ円でオンライン服薬指導のスケジューリングや薬の配送サポートまでサービスを受けられますよ。
2.薬剤師が服薬指導に専念できる環境をつくりたい
ー「とどくすり」はどのような経緯で開発されたのでしょうか
2020年2月、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて厚生労働省がオンライン診療の特別措置*を発表しました。
*厚生労働省が発出した事務連絡「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取り扱いについて」
そんな状況のなかで「凸版印刷には何ができるだろうか」「コロナ禍において薬剤師が服薬指導に集中できる環境とはどういう状態なのか」を改めて問い直しました。
そして新しい生活様式への移行が叫ばれる中で、薬局がオフラインでの服薬指導とオンラインでの服薬指導を両立できるような環境を模索した結果、本サービスの開発に至ったというわけです。 薬局薬剤師がオフライン・オンライン問わず服薬指導に集中できる状態を作っていきたい、というのが開発のきっかけですね。
ー現状は、あまり集中できるとはいえない状況なのでしょうか?
なかなか難しい状況だと思います。
オンラインの服薬指導は、ただ電話で患者さんとお話をするだけではありません。服薬指導の前後に、遠隔での受付対応、薬代金の決済、さらには薬の配送など業務が多すぎるのです。
これらの業務を、オフラインの患者さん対応と並行してこなしているのです。
薬によっては配送中の温度管理や配送の事故防止などあらゆる点に気を配りつつ、オフラインの対応も担う…どれだけ大変な業務なのかは言うまでもありません。
こういった状況を踏まえ、オンライン服薬指導にかかる自主安全ガイドラインを作成し、誤配の防止や決済のサポートなどをパッケージとして提供することが、課題の解決に繋がるのではないかと考えています。
オンライン服薬指導は普及の最中です。だからこそ私たちが安全ガイドラインの作成等を率先して実施し、オンライン服薬指導のさらなる普及に貢献できたらいいですね。
3.オフライン・オンラインの共存を目指して
ー今後のサービス展望を教えてください
オンラインが本格的に普及しても、オフライン診療や服薬指導がなくなるとはまったく考えていません。オフラインとオンラインをシームレスで両方使える環境が求められるでしょうね。
そんな時代のなかで、私たちはオンラインの部分で薬局を支援していきたいです。
夜遅い時間や土日などオフラインで薬局が対応しきれない時間をカバーすることもそうですし、患者さんのライフスタイルの変化にあわせて薬剤師自体もマッチングしていかなければなりません。
たとえば漢方を長年飲んでいる患者さんは漢方を専門とする薬剤師に服薬指導をしてもらう、といった形です。
オンラインだからこそ患者さんのニーズを集約して、経済合理的に対応できるサービスがつくれると考えています。
そんなサービスが実現すればオンライン診療の意義も高まりますし、中小薬局のサポートにも大きな力を発揮できるでしょう。
いずれは患者さんの需要にあわせて薬剤師がマッチングするようなAIを組み、最適な時間に最適な薬剤師が服薬指導できるようなサービスを作りたいですね。
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