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こんにちは。新型コロナウイルスの流行が続き、「コロナ疲れ」が目立つようになってきました。
緊急事態宣言の一部解除がされるなど少しずつ新しい動きは出てきていますが、先行き不透明な状況はまだしばらく続きそうですね。
さて、今回も5月に起きた医療に関するニュースを3点ピックアップしています。
あくまで一個人の意見ではありますが、「こんな考え方もあるのか」という気づきのきっかけとなればと思います。
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
新型コロナ効用「科学的根拠なし」 警察の摘発相次ぐ
ニュース概要
新型コロナに効くとうたった健康食品などの販売が増え、警察の摘発が相次いでいます。
4月に、タンポポ茶について新型コロナのへの効果を宣伝して売り上げを伸ばした薬局やペットショップが書類送検されました。
また、3月には同様の効果をうたってサプリメントを販売した会社も書類送検されています。健康への効果や効能をうたえるのは原則、国が承認した医薬品だけです。
しかし、このような違法広告は後を絶たず、消費者庁はこれまでに64事業者の87商品で不適切な広告を確認しています。
日経新聞 2020/5/9
コメント
健康食品の誇大表示の問題に関しては今に始まった話ではありませんが、今回のコロナの騒動の中でも、違法広告が後を絶たないようです。
今回の記事について、どういったことが問題なのか、また薬剤師としてすべきことについて考えてみたいと思います。
今回の事件については、大きく二つの問題があると思います。
一つはそもそも新型コロナに対する効果が認められていないという「効果の有無」の問題。
そしてもう一つは医薬品ではないのに病気に対する効能をうたっているという「広告表示」の問題です。
まず、新型コロナに関する効果については、医薬品であっても現段階で明確な根拠のあるものはほとんどありません。
特に、医薬品でもない健康食品がそのような効果をうたうことはできません。
私の職場でも今回のタンポポ茶ではありませんが、同様のケースとして「癌に効果がある」と言われている健康食品を販売しています。
ただ、これも癌に効くという明確な研究結果などはありません。
なので、当然そのような広告表示をしてはいけませんし、例え口頭であっても「癌に効くみたいですよ」などと言ってはいけません。
このあたりは、販売に際して周知徹底されるものなので、今回摘発された業者にしても「知らなかった」ということはないだろうなと思います。
次に、健康食品の広告について、基本的なところから考えてみましょう。
広告表示の観点から見ると、健康食品は以下の4つに分類されます。
表示義務あり | 表示義務なし | ||
---|---|---|---|
特定保健用 食品 |
栄養機能 食品 |
機能性表示 食品 |
その他の 食品 |
この中で、健康に関する影響についての表示が許可されているのは「特定保健用食品」いわゆるトクホだけです。
トクホの場合、例えば「脂肪を燃焼させる」といった効果が科学的根拠に基づいたもので、それが国(消費者庁)に認められた場合、広告表示が可能です。
しかしその他の食品については、健康に直接作用するような表現での広告はできないのです。
今回の記事で紹介されているタンポポ茶やサプリメントなどについては、トクホではありませんので、当然「コロナに効く」といったような健康に寄与する文言は違法となります。
タンポポ茶に関しては、「母乳が出やすくなる」「冷え症に効く」といった効果があると言われています。
なので特に女性の方は耳にしたこともあるかもしれませんね。もちろん、そういった効果を期待して服用するのは悪い事ではありません。
しかし、母乳が出やすくなるなどの効果も、科学的根拠に基づいたものではなく、あくまで口コミなどで言われているだけということを理解して、自己責任で購入しなければいけません。
目先の利益を追求するあまり、このような手法で販売を行っている薬局があるというのは非常に悲しいことです。
先日のマスク不足の際には、マスクを高額で抱き合わせ販売していた薬局もありました。犯罪ではありませんが、これも同様の考えだと思います。
薬剤師の仕事は「患者の健康に寄与する」ことが目的でありやりがいですが、その前提として「正しい知識のもとに」情報提供を行うことを忘れてはいけません。
また、今のコロナのように社会全体として不安な状況が続いているときには、「嘘くさい」と思っていてもわずかな効果を期待して高額な商品を購入してしまいがちです。消費者としても、冷静な判断が出来るといいですね。
日薬が薬局経営の財政支援などを要望
ニュース概要
日本薬剤師会は「新型コロナウイルス感染症が薬局経営等に及ぼす影響に関する要望書」を厚生労働省に提出しました。
現在、新型コロナ流行に伴う外出自粛により薬局での応需処方箋枚数の減少、処方日数の長期化による技術料の減少などから薬局の経営にも影響が出ています。
そのため、薬局に対して必要な財政支援を求めています。
また、薬局は他の医療機関同様、コロナウイルス流行下でも開局が求められる施設ですので、薬局のスタッフに感染者が出た場合に医療体制を維持する仕組み作りも求めています。
DIオンライン 2020/5/1
コメント
緊急事態宣言に伴う外出自粛によって、薬局などの医療機関を訪れる人も減っています。薬局では7割以上の店舗で処方箋枚数が減少したというデータもあります。
今回、医療機関でも感染拡大を避けるため、様々な対応が取られています。
オンラインや電話診療が増え、感染防止のためのビニールシートが設置されるなど、これまでとは異なるやり方が増え戸惑っている薬剤師の方も多いのではないでしょうか。
薬局はどれだけコロナウイルスが流行しても閉鎖することはありませんので、しばらくは今のスタイルでの営業が続くことになりそうです。
その中でも、コロナ収束後にも影響を与えそうだと個人的に思っているのは処方日数の長期化です。
病院に来る回数を減らすため、特に慢性疾患の患者さんに対しては普段より長期の処方をされるケースが増えました。
今までは2週間ごとに来ていた患者さんが1ヶ月ごとになったり、月1回受診していた人が3ヶ月分処方されたり、といった具合です。
もちろん患者目線では来る回数が減るので感染リスクも軽減されますし、負担が減って楽という見方があります。
しかし、薬局など医療期間側から見ると、その分患者数は減ることになりますので、収入減につながります。
今後、コロナが収束した後に、現在長期で処方しているものをまた元の日数に戻すのか、それとも長期化された今の状態がスタンダードになるのかは非常に注目されるところです。
もちろん、各医療機関の裁量に委ねられるものですし、医師としては利益面だけではなく患者の健康面からもこまめに診察したいという思いはありますので、徐々に元通りにしていくところが多いのではと思います。
しかし、中には患者さんから「これからも長期で出してほしい」と希望されるケースも出てくるでしょう。
コロナが収束して自粛の必要性がなくなっても、処方日数だけは長期化したまま、ということもあるかもしれません。
仮に処方の長期化が続くと、これまでになかった様々な問題が起こる可能性があります。一番大きな問題だと思うのは、飲み忘れや受診忘れの増加です。
これはあくまで私個人の実感ですが、こまめに来局される人よりも長期で処方されている人の方が飲み忘れや来局間隔が空いてしまうことが多いと感じます。
こまめに受診して、例えば高血圧であれば受診のたびに血圧を測って、医師や薬剤師から治療継続の必要性について説明を受ける。
そうすることで「しっかり続けよう」という意識が強くなるのだと思います。適切な医療の提供という意味で言うと、長期処方が続くことはあまり好ましい事ではないですね。
また、今回の要望の中には薬局の経営についても触れられています。
ただ、他の業種を見てみると、営業自粛を求められている遊興施設や開店休業状態の飲食業と比べて、一定数の患者数が確保できている薬局は比較的「被害の少ない業種」と言えると思います。
薬剤師会は財政支援を求めていますが、優先度から見ると今すぐに支援を受けられる可能性は低く、支援すらされない可能性もあると思っています。
いずれにせよ、自粛解除に向け「新たな生活様式」が求められている中で、薬局としても新たな経営スタイルを作っていく必要がありそうですね。
コニカミノルタの「医療通訳」 高まるニーズ
ニュース概要
コニカミノルタが開発したタブレットを介した通訳サービス「MELON」が注目されています。
2016年11月から始まったこのサービスは、現在大学病院など100を超える医療機関や保健所に導入されています。
通訳の方法は受付などの日常的なコミュニケーションに使われる「機械通訳」と、診察など専門的な場に使われる「ビデオ通訳」とがあります。
後々のトラブルに対応するため、音声録音もされています。コニカミノルタは中核のオフィス事業が縮小傾向にあるため、新規事業に力を入れています。
通訳サービスを含めたヘルスケア事業はまだ収益化できていませんが、今後の成長の柱となるのか注目されています。
東洋経済オンライン 2020/5/26
コメント
医療通訳に関する記事です。通訳は、どの時代でも、外国人と接する全ての業種に必要不可欠なものです。
国際化が進み、特に最近では東京オリンピックに向けた動きもあって、通訳に関しては医療に限らず質の向上が図られているところです。
しかし、他の業界と比べて、医療業界はその専門性の高さから、通訳が難しいという認識がありました。
実際、日常会話レベルの英語が話せる人でも、薬の効果や副作用等について説明するとなると難易度が高くなるのではないでしょうか。
薬局の場では、患者が外国人であっても、本来は日本人と同じレベルの服薬指導が求められます。正しく服用しなければ健康被害が起こる可能性があるからです。
しかし、これは私も日ごろから感じていることですが、「自分の指導がどれほど伝わっているのか」ということは、非常に判断がしづらいと思います。
こちらが英語を話す際は自分の拙い表現で伝わっているのか不安になりますし、相手がカタコトの日本語を話す場合は、薬の説明に対して「はい」と言われても本当に理解しているのか、これも不安になります。
私の職場は訪日外国人の多いところではありませんので、日本語が全く話せない患者さんを相手にしたことはありませんが、訪日外国人の多いエリアでは、何かしら通訳の手助けをするツールが必要になります。
さて、今回のコニカミノルタの「MELON」という通訳サービスですが、19言語に対応した機械通訳だけでなく、専門の医療通訳者を介して映像による通訳も可能とのことです。
また、後々のトラブルを避けるため通話内容の録音も行っているとのことで、まさに医療機関にとっては使い勝手の良いものとなっています。
気になったのは、費用対効果がどの程度あるのか、ということと他社との比較はどうなのかということです。
MRLONには機械通訳メインのシンプルプランと24時間利用可能なスタンダードプランがあり、年間100~300万円の支払いとなるケースが多いようです。
それなりに費用がかかるサービスですので、調剤薬局がたまに来る外国の患者さんのために契約する、というものではなく、利用頻度の高い医療機関でなければ費用に見合った効果というものは期待できないでしょう。
また、救急を受け付けている病院などでない限り、24時間対応である必要もないので、仮に調剤薬局として利用するのなら機械通訳だけで十分だろうと思います。
次に他社との比較についてですが、記事でも医療通訳に関してはメディフォンや日本医療通訳サービスといった専業大手が強い、とあります。
実際にその2つのサービスを見てみると、映像による遠隔医療通訳などのサービスはコニカミノルタと同様に行っているようですし、少し調べただけではどのサービスが特に優れている、という判断は出来ませんでした。
今後シェアを拡大していくためには、他社を上回る真新しいサービスの展開が必要になってくるのではと思います。
近年、薬局業界でも電子薬歴の機能充実や、オンライン服薬指導が進んでいるといった話を聞くたびに機械化が急速に進んでいると実感します。
医療通訳に関しても、今のままでも十分便利なツールですが、今後様々な企業が参入して競争することで、より良いサービスが出来ていくことを期待しています。
まとめ
いかがでしたか。今回は、
- 新型コロナに関連した違法広告問題
- 薬局経営の今後
- 医療通訳の必要性と今後のあり方
について解説をしてきました。
日々のニュースも新型コロナに関するものばかりで、私が毎月取り上げているニュースも新型コロナに関連したものが続いてしまっています。
緊急事態宣言が一部解除され、経済活動も再開の動きが出てきています。来月からは新型コロナ以外の前向きになれるようなニュースも取り上げていけたらと思います。
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