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医師が処方した薬剤が適切であるのかをチェックし、医師や歯科医師に処方せんの正否を確認することを『処方監査』と言います。
具体的にはどのようにチェックするのか、そして監査業務を遂行することでどのような結果が期待できるのかについて説明してまいります。また、監査業務の将来性についても考察していきます。
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1.処方監査とは
薬は患者の健康や治療に多大な影響を及ぼしますので、調剤する前に幾重にもわたる確認を行うことが求められています。処方箋に記載されている氏名や年齢・性別などの患者情報は正確か、薬品名や剤形・投与量・用法・投与日数は適切か、患者の薬歴に基づいた処方内容になっているかを、薬剤師は確認しなくてはなりません。
特に処方内容を見るときは、重複投与になっていないか、投与禁忌を犯していないか、投与される薬剤同士が相互作用を示さないか、注射剤は混合しても配合変化が起こらない組み合わせになっているか、患者のアレルギーを考慮しているか、副作用についても考慮されているかもチェックする必要があります。
2.どのように処方監査の業務内容を行うのか?
処方監査の業務内容について「調剤前の監査」と「調剤後の監査」の二つに分けて紹介していきます。
調剤前の監査:処方監査
処方箋を受け取ったら、まず処方内容の確認をし、具備事項に記載されている情報をチェックします。薬局や薬剤部によっては、データを入力するだけで重複投薬や薬歴のチェックを自動で行える監査システムを導入していることもありますが、システムがない場合は薬歴を目でしっかりと確認して処方監査を行いましょう。
また、患者の個人情報が正確かを確認するだけでなく、処方箋の有効期限内(処方した日を含めて4日以内)に提出されているかも確認します。
処方監査は、患者の処方された内容のチェックや薬歴管理だけではありません。併用薬との相互作用や薬剤に関するアレルギー、妊娠中かどうかなどの属性についても確認します。処方された医薬品の種類や量が間違っていると判断した場合や不明瞭な場合、曖昧な記載がある場合は、処方医師に疑義確認を行います。
処方箋のデータ入力の行為は薬局事務員が行うことも可能ですが、疑義照会は薬剤師が責任を持って行います。処方監査をしっかりと行い、疑問点を抽出しましょう。また疑義照会を行う前に適切と思われる調剤薬や用量、剤形などを調べ、問い合わせと同時に医師に提案するならば、時間と手間の短縮につながるでしょう。
調剤後の監査:正確性と妥当性
薬の調製が終わったら、再度、薬剤師の資格者が、処方箋通りの商品と数が調剤されているかの正確性をチェックします。そして、医薬品情報や患者の個人情報・薬歴情報に見合った薬剤が処方されているのかの妥当性も確認します。
3.処方監査と処方鑑査の違い
薬学系雑誌や製薬会社の広報資料には『処方監査』と『処方鑑査』のどちらの言葉も使用されており、特に明確には使用方法が区分けされていないようです。
国語辞典では『監査』という言葉は業務の執行を監督して検査することと定義されており、『鑑査』という言葉は優劣や適否・審議を審査することと定義されていますので、『処方監査』というと処方行為が正しいものか監督することを意味し、『処方鑑査』は患者にとって最適の処方になっているかを確認するということを意味しているということができます。
ですから、明確に言葉を区分けして使用するならば、処方せんに書かれてある情報が正確なのかを確認するときには『処方監査』という言葉を使用し、患者の薬歴やアレルギーに配慮した処方なのかを確認するときには『処方鑑査』という言葉を使用することができるでしょう。
なお、国や薬剤師協会などの公的機関では、『処方鑑査』の言葉が採択されています。
4.これからどうなる? 処方監査の将来性
処方や与薬・製剤・管理など薬剤関連の医療事故が多発しています。処方監査をしっかりと行うことで、薬剤関連の医療事故の大多数は防ぐことができると予測されます。医療事故に対する社会的関心が高い現代において、処方鑑査に求められる基準は非常に高いと言うことができるのです。
実際に投与する薬剤の濃度が間違っていたり(ボスミン注1mgと生理的食塩水を合わせて500mgが正しい投与量であるにもかかわらず、0.05%ボスミン液と処方されていた)、患者の体重が大幅に間違って計算されていたり(間違って記載された体重に基づいて抗がん剤の投与量が計算されていた)、薬剤の投与経路が間違っていたり(カリウム製剤の投与方法や投与経路が正確に記載されていなかった)等の重大な医療過誤につながる過失が、薬剤師の的確な処方鑑査によって見つかっています。
今後ますます必要とされる分野ですので、薬剤師はただ処方箋をうのみにするのではなく、積極的に監査していく姿勢を身につける必要があると言えるでしょう。
5.処方監査の課題
処方鑑査が、患者の治療と健康に多大な影響を及ぼすのは当然のことです。医療事故にならないとしても、的確な治療を行うことが患者の利益になりますので、医師と薬剤師の双方が処方をチェックする監査業務は重要性の高い仕事だと言うことができます。
ですが、大病院に隣接する薬局や、待ち時間が多いことで知られる院内薬局の場合、一つ一つの処方せんをしっかりと確認したくても、患者から「時間がかかりすぎる」「遅いから違う薬局を利用したい」などのクレームがつくことも少なくありません。
処理を素早くすることも重要ですが、患者に最適な薬剤を渡すことがさらに重要なのは言うまでもありません。時間短縮を至上命題としている薬局では、薬剤による医療事故が起こる危険性が高いと予測されるでしょう。
処方監査の質を高めるには、薬剤師自身が医薬品に関する知識を増やし、相互作用や配合変化、投与禁忌などに関する広く深い情報を入手することが重要です。そして、服薬指導や患者の個人情報から、どのような処方が適切と考えられるのか、あらゆる可能性を模索していくことも大切でしょう。
6.まとめ
患者の健康や病状管理において、適切な薬剤を投与することは非常に重要なことです。その根幹ともなる処方監査は、薬剤師に任された責任ある業務ですので、積極的に行ってまいりましょう。
早く監査を終えることよりも正確に監査を行う姿勢と医師と協働して処方監査を行う姿勢が、処方監査の質を高めるだけでなく患者の利益になるのです。監査のスキルアップを目指していきましょう。
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