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「今のままでは自分のキャリア形成に不安」
「現在の職場で同じ仕事を、続けていくメリットはあるのか、ないのか」
30代を目前にひかえた薬剤師。ぼんやりとした、そんな不安を感じたことはないでしょうか?
薬科系大学の増設により新卒薬剤師が増える、調剤オートメーション化の時代が到来するといった理由によって、近い将来に薬剤師人口は過剰となり不採用やリストラ、収入低下などの憂き目にあう冬の時代を迎える。そんな情報を、耳にしたことがある読者もいるはずです。自分が今いる職場や、やっている仕事内容に将来性があるのか不安との悩みを抱えている方が、少なくないと思われます。
今回のテーマは、どんな時代になっても薬剤師が生き残る方法について。必要とされる薬剤師のスキルや職種に、スポットを当てます。
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
1,薬剤師の現状~仕事内容と年収を比べてみよう!
最初に、今現在の年収や仕事内容など、あらためて各職種のプロフィールを確認してみてみましょう。
調剤薬局
- 調剤業務
- 服薬指導
- 薬歴管理
病院やクリニックなどの門前薬局に勤務するケースでは、これらが主たる業務となっています。上の業務3種類については、現役の薬剤師さんにとっては説明不用ですね。
業務の対象は、医師の処方箋を持参して訪れる患者さん。それぞれの患者に対する調剤や、正しい服用の方法、投与量や回数スケジュールのチェックなどが主な仕事の内容です。
そのほか、処方箋チェックにおいて疑問が生じれば医師に対して問い合わせる疑義照会も重要な仕事ですが、この職種においてさらに大切なのが患者とのコミュニケーション。
患者は性別も年齢も、性格もバラバラです。聴力にハンデがあったり、理解力の点でも個人差があります。
そういった様々な個性の患者に、各々に合わせた適切で理解しやすい医薬品の説明ができるかどうか。これが調剤薬局勤務におけるひとつのポイントになるのです。
つまり、マニュアルがあるようでいて、存在しません。接客や説明といったコミュニケーションにおいての臨機応変な適応能力が意外に重要で、欠かせない適性といえます。
年収モデルは400~650万円。
調剤併設ドラッグストア
- 調剤業務
- 服薬指導
- 薬歴管理
- OTC販売
基本的には、調剤薬局で行われるのと同じです。これをベースとして、処方薬でないOTC(一般用医薬品)の販売業務が加わります。
また、化粧品や、いわゆる健康食品(サプリメント)などに関する説明を求められるケースがあり、専門的に学んだ医療薬学と毛色のやや異なる知識の幅が必要になります。
ドラッグストアとは、言い換えるなら薬の販売もするスーパーマーケット。ひと頃より分業が進みつつあるとはいえ、レジ対応や接客、商品補充、商品レイアウトや店舗清掃といった雑務に従事するケースがいまだ少なくないのが実情です。
コミュニケーションや説明の能力はもちろん、幅広い知識と話しやすい気さくな人柄。そうした人間性も円滑業務のための適性といえます。
年収モデルは400~700万円。都市圏では店長やエリアマネージャーへの昇進により600~700万円の高収入となるのが普通ですが、薬剤師人口の少ない地方での勤務なら初任給で同レベルの金額が期待できます。
病院
- 調剤業務
- 服薬指導
- 薬剤師外来
- 薬歴管理
- 医薬品管理
- 病棟業務
- 注射薬調剤
- DI(ドラッグインフォメーション)業務
- TDM(薬物治験モニタリング)業務
調剤薬局やドラッグストアに比べて、業務内容は多種多様です。薬学に関する知識、知見の豊富さが問われます。
昨今は病院でも、ただ調剤室に閉じこもって薬剤とのみ向き合う研究職のような勤務は珍しくなっています。DI業務と呼ばれる医療スタッフへの医薬品情報提供や共有、医師との協議によって治療方針へ積極介入するTDMなど、業務の幅が非常に拡大されている傾向にあります。そのほか、医療チームの一員として医師や看護師らとともに、在宅医療に従事するケースも少なくありません。
専門性や知識の厚みが、より以上に求められるのが病院勤務。多忙ですが、それだけにスキルアップのスピードが速いのは当然ですね。
モデル年収は400~650万円程度と、仕事の忙しさや多様性からすれば決して高額ではありません。薬局長レベルで、ようやく650万円ほどに達するのが普通です。生涯年収の点でも、あまり恵まれているとは言えません。
ただし国公立や大学病院、総合病院といった勤務先なら、職場の安定性に関しては随一です。定年まで長期間勤続したい、あるいはプロフェッショナルとして研鑽を積みたい。そういった志向性で選ばれる職場といえます。
製薬会社
- MR(営業職)
- 創薬(研究開発職)
- CRC(治験コーディネーター)
- CRA(臨床開発モニター)
- QC、QA、DM(臨床開発)
製薬会社をはじめ、製薬会社から治験の受託を受けるCRO、治験実施を支援するSMOにおける主な業務です。創薬に関しては説明不用でしょう。
CRCは医療機関あるいはSMOに所属し、医師のサポートを行います。スムーズな治験を実施するために企業、病院、被験者のあいだに入りスケジュールなどの調整を行うコーディネイト役です。被験者への服薬指導や相談対応、検査値データ管理も主要業務です。
CRAはCROもしくは製薬会社に所属。病院における治験の検証や、適切なモニタリングが実施されているかチェックして報告書を作成するのが主要な業務です。全国の担当病院を巡回する仕事で、スーパーバイザー、チェックマンと言い換えることもできます。
MRは営業的な職種ですが、本来は情報担当者としての役割を持っています。自社開発新薬の普及を目指し、病院など医療機関を訪問し製品説明。医療現場の声を自社研究開発セクターへ持ち帰るのも職務です。
QC、QA、DMは、前者から順に品質管理、品質保証、データマネジメントの略称です。大まかな説明ですが、QCはCRAが作成したモニタリング報告書などの書類チェックとフィードバック。QAは治験の品質保証のために、治験実施計画書(プロトコル)や標準業務手順書(SOP)に沿った治験が行われているかチェックします。DMは統計解析とも呼ばれ、報告される臨床試験データを紙ベースから電子データへ移行させ内容確認や修正、管理などを行います。
雇用側は国内製薬企業のケースも、外資系のケースもあります。
企業勤務薬剤師の場合、年収モデルは400~800万円です。しかしながら、1000万円以上の年収を得る社員がいる企業も多数あります。とくに実力主義の外資系では営業、研究の分野にかかわらず高給取りが多いのが特徴です。
適性としてはMRとCRC、CRAならコミュニケーションおよび折衝能力が必須です。QC、QA、DMの場合は問題処理能力や、デスクワーカーの適性に似た地道さが共通しています。
また、英語力が求められるケースの多い職種でもあります。
2,生き残る種類の仕事は?~薬剤師の未来へワンポイントアドバイス
そのほか、大学教員として勤めるケースや行政機関で薬事にかかわるなど、薬剤師資格が活用できる職種は色々あります。もっとも、これらは当初から狭き門。大半の人にとって、勤め先の選択肢に入ってこないことでしょう。
サプリメントや化粧品開発メーカーに勤務するのも、やや毛色は異なりますが専門知識をいかすフィールドになります。
近い将来の薬剤師人口過剰が叫ばれている以上、いかに自己防衛するかを考えるのは当然です。最も現実的な方法は転職ですが、しかしどの職場のどういった職種が将来も安全で、どんなスキルが有効なのか、その点を明確にする必要があります。
上に紹介した勤務先と職種それぞれの違いをみた結果から、未来の薬剤師に必須となる重要スキルが浮き彫りになってきます。
“コミュニケーション”
どの職場を選択しようとも、資格はもちろんですが以上の能力およびスキルを持っていることが有利。
厚生労働省の発表によると、2025年の65歳以上人口は30.3%の3657万人、2055年には40%に迫る割合で高齢者が占める予測となっています。
こうした状況から、地域における「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」に対する需要がますます増加するのは確実です。加えて在宅におけるチーム医療や、高齢者へのセルフメディケーション指導を行えることも、必然的に重要な役割となってきます。患者といかにコミュニケーションを取り、いかにスムーズに医療スタッフとの連携を行えるか。人と人のかかわり合いに、より軸足がシフトするのは疑いようのないことです。
大勢の新卒薬剤師が社会に巣立ち、調剤のオートメーション化が拡大しつつある現状、すでに次の時代への入口に立っています。調剤は得意でもコミュニケーションは苦手という薬剤師が不必要の烙印を押される日は、そう遠くないのです。
つまり、生き残る職種にしても、コミュニケーションや折衝の能力を用いる頻度が高いものと想定できます。
現状、すでにコミュニケーションや折衝の点で、フルに力を発揮している人なら一安心です。MRやCRC、CRAが、真っ先に該当します。
本来であれば、病院、調剤薬局、ドラッグストアでもコミュニケーション能力が求められますが、自分の職場では従来さほど必要とせず重視してもいなかったという方には、一抹の不安があるのでは?
もちろん、人対人の仕事が苦手だから、この職業を選んだ人もいるでしょう。そういった人に向いており、かつまた将来性においても有望といえるのはQC、QA、DMなどのデスクワーカー的職種。化粧品、サプリメント開発メーカーの研究開発職も、大手なら安定性においてマルですね。
いずれにせよ、将来の安心を獲得する手段として、転職が有効なのは疑いないことです。
薬剤師専門の転職エージェントにたずねると、すでに将来の展望を見越してアドバイスやマッチングを受けている人が多数いるそうです。生き残りを模索して、必死で次の職場を探す薬剤師が増加しています。
専門のエージェントなら、転職先の現状や将来性を把握しています。求職者の適性を見極めるスキルにも、当然ながら長けています。
「自分に向いて、しかも薬剤師過剰時代にも必要とされる職種」
こうした問題意識をかかげ、エージェントにマッチング依頼するのは賢明な策です。安定への早道で確実性が高い方法ですから、利用しない手はないはずです。
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