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大手製薬会社でMRとして活躍後、2年程前に薬剤師として再スタートを切った岡本翔佑さん。数々の営業実績を残していた岡本さんが、製薬会社を辞めてまで薬剤師にキャリアチェンジしたワケと地方薬局の目指すべき姿とは?
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
この記事の目次
話を伺った人:岡本翔佑(おかもと・しょうすけ)さん
神奈川県三浦市のリブラ薬局管理薬剤師。地元大阪の介護施設で施設長を勤める弟と一緒に働くことも、自身が実現したい目標のひとつ。
順風満帆な毎日の中でふと感じた10年先の自分への不安
――岡本さんは、もともと大手製薬会社にお勤めだったんですよね。
岡本さん:はい。薬学部を卒業後、MRとして6~7年製薬会社に勤めました。辞める直前には、ノルウェー大使館から表彰されるという貴重な経験もさせていただき、自分で言うのもなんですが営業成績はそこそこ良かったんですよ(笑)。
――すごい! でも、どうして製薬会社を辞めてしまったんですか?
岡本さん:燃え尽きてしまったと言いますか、「10年後の自分の姿」に不安を感じてしまったんですよね……。取引先の医師から可愛がってもらったりして、それなりに充実した毎日を過ごしていたつもりでした。でも、ある時ふと思ってしまったんです。「MRとして働き続けたこの先に、『岡本翔佑』としての価値を発揮できるモノが果たしてあるのだろうか」と。
――将来への漠然とした不安を抱いてしまったんですね。
岡本さん:はい。腑に落ちずにいた僕の背中をそっと押してくれたのは、ある男性の言葉でした。飲み屋のカウンターで「自分の輝ける場所がない」と嘆いていた僕に対して彼が、「薬剤師免許を持っているんじゃないのか! それがお前の最大の強みだろ!」と喝を入れてくれたんです。
その言葉で、自分が薬剤師免許を持っていたことに気づきました。それと同時に、薬剤師としての自分の可能性に賭けてみようと思ったんです。男性の激励がなければ、今でも僕は毎日をただ消耗していただろうと思います。
――転職先の薬局はどのように探されたんですか?
岡本さん:これは本当に偶然なのですが、僕が勤めていた製薬会社の元同僚(同薬局の代表)が薬局を経営していたんです。連絡をすると、経験の少ない私を管理薬剤師として快く受け入れてくださいました。そればかりか、『店のことは任せたから』と自由にやらせていただいています。ここまで寛容な会社ってなかなかないですよね。いつも暖かく見守ってくださる代表には心から感謝していますし、いつか絶対に恩返しをしたいと思っています。
「なんだ、岡本さんいないの?」疲れを吹き飛ばす患者さんからの言葉
▲『小網代の森』にある養蜂家が作った蜂蜜を店頭で販売している。取っ手付きのカゴは患者さんの手作りだという
岡本さん:意気揚々と働き始めたものの、地元住民と信頼関係を構築するまでには相当な時間がかかりました。正直、毎日出勤することが苦痛に感じた時期もあったほどです。最初はどうしても、『部外者』『よそ者』扱いされてしまうと言いますか。
――なかなか地域に馴染めず、人間関係を構築するのに苦労する人も多いと聞いたことがあります。地方は都心に比べて地域住民同士の繋がりが密な分、馴染むまでにどうしても時間がかかってしまいますよね。
岡本さん:そうですね。仲間として受け入れてもらうには、地元の方たち以上に僕自身が三浦市への愛情を持って接するべきではないのか、と思いました。それで、地元の人ですら知らない穴場の観光スポットの話をしたり、スタッフと相談して名産品を店頭に並べたり、意図的に会話のとっかかりを作るようにしたんです。
繰り返すうちに、「よかった。岡本さんいないのかと思ったわ」と名前を覚えていただけるようになり、少しずつではありますが距離が縮まっていく実感を得られるようになりました。
――『岡本さん』と名前で呼んでもらえるのって嬉しいですよね。診察してくれたドクターの顔と名前は覚えていても、薬剤師の顔と名前が一致することってあまりない気がするので。
岡本さん:それと、もうひとつ。僕が普段から一番大切にしているのが、相手の目を見て話を聞く姿勢です。患者さんから信頼されるには、「自分の話を真剣に聞いてくれている」という安心感を持ってもらうことが一番大切だと思っています。
――人口減少が進んでいる地域のおじいちゃんおばあちゃんは、きっと人が減って寂しい思いもしているだろうし、岡本さんと話をすることが薬局に通う楽しみにもなりますよね。
岡本さん:正直、自分が薬剤師だとは思っていません(笑)。というより、薬剤師という肩書きにあまり縛られたくないと思っていて。薬剤師である前に、岡本翔佑という1人の人間としてきちんと向き合っていたいんです。
ドクターや薬剤師の敷居を下げて町ぐるみで医療を支える仕組みづくりを
岡本さん:在宅医療も行っているのですが、最近は患者さんだけでなくドクターやホームヘルパー、介護施設スタッフの方々からも相談を受けることがありまして。
――どういった相談が多いんですか?
岡本さん:相談の多くが、「患者さんの配薬も行わなければならない」というものですね。介護施設の入居者の薬を分ける作業を、薬剤知識のない介護スタッフが代わりに行っているケースです。リブラ薬局は、施設在宅のノウハウを数多く持っています。患者さんはもちろん、他の薬局の医師、施設の方々からも信頼があるので、薬局全体でアプローチしていくことが配薬の課題解決になると思うんです。
――介護業界はただでさえ人手が足りなくて大変だというのに、普段の業務にプラスして配薬も行うとなると相当なストレスがかかりますね。
岡本さん:はい。相互のコミュニケーション不足に原因があるんだと思います。といのも、介護職員の方からすると、薬剤師やドクターは敷居が高い印象があり相談しづらいそうなんです。
その逆も然りで、医療従事者の間でミスマッチが起きてしまっているんですね。そこで当薬局が考えているのが、ドクターと施設スタッフの橋渡しをすること。どういうことかと言いますと、薬局単体、病院単体で医療サービスを提供するのではなく、町ぐるみで医療・介護を支える仕組みを目指そうというものです。
――リブラ薬局が主体となり、個ではなく三浦市全体で医療を底上げしていこうと。
岡本さん:はい。地域全体で医療を支えられる仕組みが成り立てば、今よりも質の高い医療サービスを提供できるようになると信じています。2025年には日本は2.5人に1人が65歳以上という超高齢化時代に入りますよね。だからこそ、患者さんから選んでもらうのではなく「頼られる」存在でありたいですね。
まとめ
薬局、病院、介護施設それぞれが『個』として活動するのではなく、全ての医療機関で横の繋がりを持つことによって患者さんへのより高い医療サービスが提供できるようになるのではないでしょうか。それこそが、リブラ薬局が目指す医療の地方創生、医療の新しいカタチなのです。
最後に「岡本翔佑」さんからのメッセージ
管理薬剤師として任せてくれた社長や、様々な地域活動に賛同して支えてくれている店舗スタッフや会社同僚に感謝してます。
公開日:2018年7月30日
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