※当サイトはマイナビ・リクルート等各社サービスのプロモーションを含み、アフィリエイトプログラムにより売上の一部が運営者に還元されることがあります。 なお、得た収益が記事中での製品・サービスの評価に影響を与えることはありません。
コロナ禍により薬局業界が大きな転換期をむかえています。
クオールでは、多様化する患者さまのニーズに応えるためデジタル化の取り組みを開始しました。
今回は新たな取り組みの「デジタルAI戦略」についてクオール取締役の梶尾さんに直接お聞きしました。
就活生の皆さんへのメッセージもいただいたので、「クオールに興味があるけど、どんなことをやっているのかよく分からない…」という薬学生の方もぜひ読んでみてください。
樫尾 浩幸(かしお・ひろゆき)さん
▼経歴
1987年 (株)富士通ビジネスシステム入社
2000年 東京都ケアマネージメントシステム導入プロジェクト 中核メンバー
2003年 電子カルテ普及プロジェクト 推進責任者
2015年 ヘルスケア事業本部 本部長代理。地域包括プロジェクト シニアディレクター
2019年 クオールHD入社。経営管理部AI推進室長
2020年 クオール(株)取締役。入社以来、医療ビジネスの拡大に注力
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
この記事の目次
1.デジタル化で変革するクオールの取り組みとは
ーまず、デジタルAI推進室の取り組みを教えてください
▲PCによるオンライン服薬指導の様子
デジタルAI推進室では次の2つに取り組んでいます。
- オンライン服薬指導の推進
- 紙媒体からデジタルへの移行
まず1つ目が患者さまへのオンライン服薬指導の推進です。
推進する背景として、新型コロナウイルスの影響による関連する法律の改正が、診察・薬の受け取りともにオンラインの利用が選択できるようになりました。
はじめはオンライン服薬指導をためらった患者さまでも、一度体験すると「違和感がない」「リラックスした環境で本音を話せよかった」と前向きになってくださり、次回以降もオンラインを選択される方が多いですね。
またテレワークが進むなかで、自宅にいながらにして勤務先近くにあるかかりつけのクリニックでオンライン診療を受け、自宅近くで薬を受け取る方も増えつつあります。
このようにオンラインが普及することよって受診や薬を受け取るための時間や場所の制約がなくなりつつあるので、それぞれの生活スタイルに合わせたサポートが可能になっています。今までの患者さまを「待つ」だけの姿勢から患者さまに寄り添う姿勢への変革ですね。
2つ目は、社内ではまだまだ紙でのやり取りが多いため、会社全体で紙からデジタルへの移行を推進しています。
今まで紙だったものをデータとして蓄積し、「何が会社で起きているのか」を簡単に把握できるようにしています。
ーアフターコロナの時代に向けてデジタル・AIを活用した取り組みがあれば教えてください
▲『newme(アバターロボット)』で患者様と会話している様子
AI活用の第一歩として、東京の恵比寿に”次世代の薬局”を開設しました。特徴は3つあります。
- 自動薬剤ピッキング装置の導入
- 『newme(アバターロボット)』の導入
- お薬専用受け渡しロッカーの設置
まず1つ目ですが、処方する薬を人の手を介せず行う自動薬剤ピッキング装置を導入することで、薬剤師がピッキングする時間が大幅に短縮されます。
2つ目は、アバターロボット『newme』の導入です。このアバターロボットは人の顔を映してコミュニケーションすることができます。患者さまご家族の「同伴したいけど、遠くにいるので隣で病状の話を聞けない」という不安を解消するために導入しました。
また、現在は就活生向けにも活用しており、直接店舗に足を運ばなくてもアバターロボットを通じて薬局長の説明を受けつつ薬局内を自由に見学することができ、現場を体感していただくことができます。
3つ目は、お薬専用受け渡しロッカーの導入です。忙しい患者さま向けに薬局に設置されたこのロッカーでいつでもお薬の受け取りができるというサービスを行っています。
2. 患者さまの「クオリティ オブ ライフ」を向上させたい。デジタルAI推進室設置の背景
ーデジタルAI推進室はどういった背景・狙いで設置されたのでしょうか
新型コロナウイルスの感染拡大により、ビジネス環境は大きく変化しました。それを受け、データやデジタル技術を活用して企業風土と文化を変革するために、デジタルAI推進室を設置しました。
デジタル化を進めることで、組織のあり方や社会のニーズを的確にとらえ、調剤薬局と小売の両面から、色々なサービスや商品を提供していきたいと考えています。
「今まで当たり前だったものを改める姿勢」が柔軟に受け入れられる今、デジタルトランスフォーメーション(※)により、業界でいち早くデジタルを取り入れ、競合他社よりも優位に立つことを目指しています。
この結果、自社の利益だけではなく、患者さまの利便性の向上や地域医療への貢献、組織改善による企業価値の向上など、今までにない社会に新たな貢献ができるものと考えています。
今までクオールはさまざまな挑戦しつづけていますが、デジタル化・AI活用への挑戦は、患者さまの生活の質向上や利便性につながり、クオールの語源である患者さまの「クオリティ オブ ライフ」の向上を実現できると考えています。
※デジタルトランスフォーメーション…2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストル・ターマンが提唱した「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念(FUJITSU JOURNAL、「【DX入門編①】今更聞けないデジタルトランスフォーメーションの定義とは?」)
ー新型コロナウイルス感染拡大の影響はやはり大きいですね。そんな中で、デジタル化を通じて“クオールが目指す薬局のあり方”を教えてください
薬局は患者さまに処方せんをお持ちいただくことで成り立つサービスです。しかし新型コロナウイルスの影響により患者さまの来局数が減少しています。
外出自粛の流れを受け、受診を控える動きに並行して薬が長期間分処方されるようになっています。このように、これまでの「患者さまを待つ」姿勢では通用しなくなった今だからこそ、薬局のあり方を変えるべきだと感じています。
デジタルを介して患者さまに直接アプローチし、患者さまにとって身近な存在になりたいですね。
ーデジタル化やAI活用を進めるにあたり何が課題だと思われますか
社内の意識変革が課題だと思っています。
元々デジタル化を進める必要性は感じていたものの、紙の文化が長年続いていたためになかなか進んでいませんでした。
新型コロナウイルスの影響で変わらざるをえない現状をプラスにとらえ、組織を変えていきたいと思っています。
3. 創立30周年に向けてクオールがデジタル化で目指す姿
ー当面の活動計画について教えてください
計画全体を3つに分けて推進します。
- 紙媒体からの脱却・ハンコの廃止
- データ化による社内改革
- デジタルトランスフォーメーション
紙媒体からの脱却について、当社ではまだ紙を使用する文化が残っていることから、データベース上にデータがなく、事務処理に時間がかかることがあります。
紙文化をなくすと同時にハンコ文化もなくし、業務を単純に進められて作業工数を減らせる環境を作っていきたいですね。
データ化による社内改革については、情報を可視化することで経営層や社員に今までにない気づきが得られ、行動の変革につながるものと期待しています。
デジタルトランスフォーメーションについては、蓄積した顧客データから経営層が的確な経営の方向性の決定ができる体制を構築していきます。
ー当面の目標は何でしょうか
「経営視点でのデジタル活用がどれくらい進んでいるか?」を評価するデジタルガバナンスコードが経済産業省より提唱されています。
創立30周年までに、最高評価であるエクセレントを取得したいですね。
4.薬局として社会に貢献していくために。クオールが考える薬局のあり方
ー薬局が社会にさらなる貢献をするために、今後何を進めるべきでしょうか
スムーズに患者さまの情報開示が可能になる流れをつくっていくべきだと考えています。もちろん患者さまが望む場合に限ります。
現状、患者さまの医療機関間のデジタル利用の診療情報の交換は、診療報酬上の評価の対象となっている一方、医療機関と薬局とのデジタル利用の情報交換はその術もありません。
さらに医薬分業の流れから、医療機関と薬局で患者さまに関する情報の量に大きな差があるのを痛感しています。情報を閲覧するにも膨大な時間がかかっています。
診療に必要な情報の開示を進め、医療機関と薬局の情報格差を解消することにより、“患者さまにより質高く貢献できる”ことにつながると考えています。
患者さまにも短い時間でお薬が受け取ることができるというメリットを享受いただけます。
5.デジタル化が進む今、クオールが薬学生に求める姿
ー最後に、就活中の薬学生に向けて伝えたい想いを教えてください
今後デジタル技術が進む中で「人間力」が一層求められると考えています。
AIやロボットはとても頼もしい存在ですが、あくまで膨大な情報処理のサポートをしてくれる存在です。
だからこそ、まずは自分が持つパーソナリティをしっかり活かしてほしいと思います。
知識とパーソナリティの2つをしっかりと身につけることが、患者さまに「生活や人生を預けたい」と思われる薬剤師になる一歩なのではないでしょうか。
学生のうちに知識やパーソナリティを活かす思考を忘れず、社会人への準備を進めてもらいたいですね。クオールでもしっかりサポートをさせていただきます。
またデジタル化を進めているからこそ、これからワールドワイドで活躍の場が増えていくでしょう。
クオールは薬局がメインですが、薬局に限らずさまざまな活躍の場があることもぜひ知っていただきたいですね。
ミライトーチMediaとは
転職やキャリアに関わるコンテンツを通じ、「今の仕事に悩む人」がより自分らしく働けるようにサポートしているメディアです。
不安のない転職活動や理想の転職先探しに役立ててもらうため、転職者や人材業界関係者へのインタビュー調査はもちろん、厚生労働省などの公的データに基づいたリアルで正しい情報を発信し続けています。