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こんにちは、けちゃおです。
緊急事態宣言を解除してから新型コロナの感染も徐々に広がり、第二波が懸念されています。
重要なものから信ぴょう性に乏しいものまで新型コロナに関する情報があふれている状況ですが、今回はその中でも最低限押さえておきたいニュースを3点ピックアップして解説しています。
それでは、さっそく見ていきましょう!
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
処方された薬のドローン配送が開始
ニュース概要
ANAホールディングスとアインホールディングスは、オンライン診療で処方された医薬品をドローン配送する取り組みを国内で初めて開始しました。大学病院の周辺にあるアイン薬局と老人ホームをつなぎ、ドローンで薬を届けます。操縦はANAホールディングスとの操縦員が担当し、届けられた医薬品は老人ホームの従業員が受け取り、患者に届けるとのことです。
日経 2020/7/10
意見
コロナの影響でオンライン診療や医療ロボットの活用等が進んでいることについては、これまでもこのコーナーで何度か触れてきましたが、今回紹介されているのはそれにドローンを組み合わせて完全に非接触で医療を完結させるというものです。このご時世ですので、このシステムを構築できれば医療者、患者双方にとって大きなメリットとなるのではないでしょうか。
少し前まではまるで現実味のなかったサービスですが、まだまだコロナの感染が続いていることを考えると、いつ身の回りで始まっても不思議ではありません。実際に始まった場合の問題点など、ある程度把握しておいたほうが良さそうです。
このニュースを読んだ時に、まず気になったのはコスト面です。病院でオンライン診療をして、薬局でオンライン服薬指導を行った場合は郵便にて処方薬を郵送していますが、その費用は患者負担となることが多くなります。同様に、ドローンを用いた場合でもその郵送に掛かった費用は患者負担となる可能性が高いと思います。そのため、ドローン配送を広めるためには、どれだけ送料をおさえられるかが大事になってきます。
ドローンでの費用がどれだけかかるのかはわかりませんが、人件費が抑えられる分、郵便で送るより安くなる可能性もあります。そうなると、ドローン配送を選ぶ人も増えていく可能性は高いと思います。
また、今回のコロナに関しては、薬剤交付支援事業という名目で、郵送に掛かった費用に関しては国からの支援が受けられます。もしドローンにもこれが適用されるとしたら、今はドローン配送を広める絶好の機会ともいえます。
一方で、問題点として考えられるのは、ドローン配送体制を準備するために薬局側に負担がかかるということです。大手チェーンのように十分な設備投資費がある企業でなければ始めるのは難しいのでは、と思います。
また、今回は北海道で実証実験が行われるということです。北海道のように広大な土地があれば問題はないですが、首都圏の住宅が密集している地域やマンションに対してドローン配送するのは現実的ではない気がします。やはり人による配送が困難な地方の過疎地や、複数人分まとめて配送できる老人ホームなどの施設に対して利用するのが効果的であり、まずそこを対象に始まっていくのではないかと思います。
スパコン「富岳」 新型コロナウイルス対応候補の薬を抽出
ニュース概要
理化学研究所は、スーパーコンピューター「富岳」を用いた分子シュミレーションで、2128種の既存医薬品の中から新型コロナウイルスの候補となりうる薬を抽出しました。
新型コロナの治療薬が急がれる中で、臨床研究や治験の実施に向けてコンピュータの計算で治療薬候補の当たりをつけられた意義は大きいとしています。
薬読 2020/7/8
意見
国産のスパコンが久しぶりに注目されています。今回開発された「富岳」は、2011年に前機種の「京」が獲得して以来の計算速度世界一を獲得しています。私もスパコンには詳しくないので、富岳がこれまでのスパコンと比べてどのような違いをもたらすのかについて調べ、考えてみました。
一般的には創薬には10年以上の歳月がかかると言われています。創薬のプロセスでよく知られているのは人や動物を対象とした臨床試験で、当然これにも時間がかかるのですが、実はその前段階であるスクリーニングなどにも多くの時間がかかっています。何万という化合物を何ヶ月もかけて実験して、薬の候補となるものを調べていくのです。今までもデータ解析にコンピュータは使われてきましたが、富岳の登場によって、より高度な分子シュミレーションができるようになったとのことです。
「富岳」の計算能力は前機種「京」の50~100倍と言われています。この能力を最大限に発揮すれば、薬の開発は飛躍的に早まると考えられています。
今回の新型コロナの治療薬候補選別に関しては、2128種の既存医薬品の中から候補を選んだとのこと。人力で候補役を見つけ出そうとすると、どうしても類似した医薬品を優先的に調べてしまうものですよね。例えば抗ウイルス薬などは富岳の候補薬にも挙げられていましたが、こういった薬は既に海外での研究も進んでいます。
一方、幅広い医薬品すべてをシュミレートすることで、これまで考えられていなかった新たな治療薬が見つかる可能性が高まります。実際に、富岳が挙げた候補薬の1位はこれまで全く注目されてこなかった医薬品とのことです。
近年、「AI創薬」という言葉がよく聞かれるようになりましたが、今後その先頭を行くのは富岳であると思います。今回はコロナの治療薬に対して用いられましたが、今後は様々な治療薬の開発に用いられていくことでしょう。
企業としても、どれだけAIを活用できるかで今後の勢力図は大きく変わっていくと思います。日本の研究開発が影響力をなくしている昨今の医薬品業界ですが、富岳をうまく活用して影響力を高めていってほしいなと思います。
また、開発期間が短縮されるということは、製造コストの削減にもつながると思います。薬の価格に反映されるかはわかりませんが、今よりも安価で、画期的な薬が次々と生み出される時代になっていくのかもしれませんね。
新型コロナウイルス治療薬「レムデシビル」の価格が決定
ニュース概要
米医薬品企業ギリアド・サイエンシズは、新型コロナウイルス治療薬「レムデシビル」の価格を決定しました。先進国向けで1回390ドル、6回の投与で2340ドル(約25万円)となっています。
レムデシビルは新型コロナの患者の入院日数を4日縮める効果は確認されていますが、死亡率には影響ないとされています。
東京新聞 2020/6/30
意見
新型コロナの治療薬として期待されているレムデシビルの価格が25万円となったそうです。世界中で流行している感染症に対して唯一効果の認められている治療薬ということで、ある程度高額になることは予想されていましたが、実際の金額を耳にすると「高いな」という印象を持ってしまいますね。日本では新型コロナは指定感染症になっていますので、患者の自己負担はありませんが、公的医療保険のないアメリカなどではかなりの負担になりそうです。
本来、新しく開発された医薬品の価格は、すでに発売されている類似した薬の価格をもとに決まることが大半です。「類似薬効比較方式」と呼ばれる決め方で、もちろん、既存の薬を上回る効果が認められている場合などは、その分価格が上乗せされることもあります。
では、全く新しい効果の薬で、比較ができない場合はどのように決まるのでしょうか。このときは、例外的に医薬品の原材料費や製造費などをもとにした「原価計算方式」が取られています。新型コロナに対するレムデシビルは、この原価計算方式が取られたのではないかと思います。
レムデシビルの価格を決めるにあたり、製薬会社はかなり苦労したのではないかと思います。というのも、価格が安すぎては利益が取れないですが、かといってあまりに高すぎると「儲けすぎだ」と批判を受けるからです。これまでと効果の異なる新薬が高い価格となって批判を受けるというケースは幾度もありましたが、レムデシビルを製造するギリアド社も、過去にC型慢性肝炎治療薬の発売に際して「不当に高い」と批判を受けたことがあります。批判を避けるため、ギリアド社も「実際の価値よりもかなり安い価格設定だ」とコメントを出していますが、今後各国からどのような反応を受けるのか、また他の治療薬が出た際にどのような価格になるのかも注目したいところです。
まとめ
いかがでしたか。今回は
- 処方された薬のドローン配送が開始
- スパコン「富岳」 新型コロナウイルス対応候補の薬を抽出
- 新型コロナウイルス治療薬「レムデシビル」の価格が決定
という3つの記事からそれぞれの今後について考えてみました。
今回も新型コロナ関連の記事を取り上げましたが、今までと違い「治療薬」や「医療提供」といった分野で前向きなニュースが聞かれるようになってきました。
新しい医療の在り方について、考えていただくきっかけになれば幸いです。
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