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本日お邪魔している「竹の葉薬局」は、2017年10月に東京都三鷹市にオープンしたばかりの在宅医療に特化した薬局です。医療連携を通じて、地域に根ざした信頼のおける薬局づくりを目指しています。
薬局への想いやこれからの展望などについて、代表の竹中孝行(たけなか・たかゆき)さんにじっくりとお話を伺っていきます。
竹の葉薬局とは
東京都三鷹市を拠点に武蔵野市、調布市、杉並区などの近隣地域を訪問エリアとする薬局。クリーンベンチを完備しており、ご自宅にお薬をお届けする在宅医療(居宅指導)に特化した対応をおこなう。そのほか、処方せんのネット予約も可能な外来対応もしている。夜間、土日、祝日も必要に応じて緊急対応もおこなっている。
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
この記事の目次
▲竹中孝行(たけなか・たかゆき)さん
「竹の葉薬局」を運営する「株式会社バンブー」の代表を務める竹中孝行(たけなか・たかゆき)さんは、薬剤師の傍らイベント企画運営やデザイン・WEB制作などクリエイターとしてもマルチに活躍しています。
少子高齢化に伴い高まる医療へのニーズ
渡辺:「竹の葉薬局」さんは10月にオープンされたばかりなんですね。私がいうのもなんですが、在宅医療に特化した薬局って珍しいですね。それに病院が近くにないですよね……。
竹中さん:そうですね(笑)。渡辺さんのおっしゃる通り薬局って普通は、病院の近くにあることが多いんですよ。竹の葉薬局は郵便局の隣に立地しています(笑) うちは在宅医療に特化した薬局ですが、外来も受付しています。良い意味で混雑しないので、相談に来てくれた患者さんひとりひとりとじっくりお話をすることができるんです。それもうちの強みかなって思います。
渡辺:そうなんですね。これから日本は少子高齢化が加速すると言われているし、在宅医療を専門におこなう薬局の需要が増えそうですね。
竹中さん:増えるでしょうね。日本人の健康寿命は年々伸びていて、少子高齢化はどんどん進むと言われていますから。それに伴って介護を必要とする人や在宅医療へのニーズもさらに高まるのではないかな、と思います。
渡辺:時代の流れとともに医療へのニーズも変わってくるとなると、今後薬剤師に求められる質も高くなりそう。
竹中さん:色んな考え方があるとは思いますが、僕が思うのは患者さんに信頼してもらえるかどうか。これからの薬剤師にとって、これが一番必要なことだと思います。
渡辺:知識やスキルはあって当然だけど、信頼関係を築くのは一朝一夕でできることではないですもんね。
竹中さん:少し大げさな言い方かもしれませんけど、「この人にだったら命を預けてもいい」。患者さんにそう思ってもらう薬剤師になるにはまず、相手に寄り添いながら密なコミュニケーションをとることが一番大切なのではないでしょうか。
さまざまなサービスに力を入れた取り組み
渡辺:機械を使って薬を調合する薬局も増えていますが、やっぱり人と人の繋がりが一番大切ですね。信頼関係を築くためには今後、薬局自体の強みも必要になるんですか?
竹中さん:そうですね。簡易的な血液検査ができる、体の不調を気軽に相談できるとか、介護についての悩みを打ち明けられるとか。地域住民に密着した、さまざまなサービスを提供するのもひとつのブランディングだとは思います。
でも、そこには患者さんに対して、ちゃんと薬のチェック、指導ができるというのが大前提にあります。処方せんを確認し、お薬を正しく服用してもらい患者さんに害がないようにすることやその方に寄り添った服薬指導をすることが、薬剤師としての責任であり本来の業務です。どんなサービスをはじめるにしてもこれだけは、薬剤師として決して忘れてはいけないことだと僕は思います。
渡辺:薬剤師さんに介護の相談もできるんですか。薬剤師というよりもカウンセラーですね。
竹中さん:薬剤師に求められるひとつの知識かな、と。じっくりとお話を聞いたうえで、介護を必要とする方がよりお薬を正しく飲めるような方法を提案します。
渡辺:あらゆる悩みを気軽に相談できる薬剤師さんがそばにいてくれると思うと、それだけで心強いですね。
竹中さん:そうですね。一般の方に知られていない薬局や薬剤師の役割は多くあるかと思います。
渡辺:一般に知られていないのどうしてですか?
竹中さん:それは多分、時代の流れと共に薬局の在り方が変わってきたからだと思います。ほんの少し前までは、商店街の一角に立地し、地域住民との関わりを大切にする地域密着型の薬局が多かった。それが医薬分業が進んだことにより、病院前など立地ありきの『商売』を主とする形態が増えてしまったのではないかな、と。
渡辺:薬局側がもっと、自分たちの取り組みについてを患者さんにアピールできる方法ってないんでしょうか?
竹中さん:それでいうと去年から、『薬局アワード』という活動をはじめました。前に相談に来てくれた患者さんから「薬局って、結局はどこも同じよね」って言われたことがきっかけで。
渡辺:『薬局アワード』?
一般投票で最優秀の薬局を決める『みんなで選ぶ薬局アワード』
>竹中さんは、『みんなで選ぶ薬局アワード』を主催する「一般社団法人薬局支援協会」の代表理事を務めている。
竹中さん:『みんなで選ぶ薬局アワード』というのは、「一般社団法人薬局支援協会」が主催でおこなっているイベントです。 全国からそれぞれの薬局が工夫している取り組みやそこに込められた思いをWEB上で募集、エントリーしてもらい、厳正な審査をおこない、当日に発表していただく薬局を選出します。
渡辺:……でもそれだと、せっかくの取り組みが一般の人には分からないのでは?
竹中さん:いえ。決勝大会では、会場にお越しの一般の方に投票していただきます。『みんなで選ぶ薬局アワード』は、薬局の取り組みを1人でも多くの一般の方に知ってもらおう、というのが一番の目的なので。
渡辺:患者さんは自分に合った薬局を選べて、薬局のブランディングをアピールするいい機会にもなると。素敵な取り組みだ。
「なぜ薬学部に入ったんだろうか」と迷走していた薬学部時代
渡辺:ところでそもそもの話になるのですが、竹中さんはどうして薬剤師になろうと思ったんですか?
竹中さん:実をいうと、薬剤師になりたいという熱い思いがあったわけではないんですよね……。なので、大学時代はかなり悩みました。「自分は本当に薬剤師になりたいのか」とか「そもそもなぜ自分は薬学部に入ったんだろうか」とか。
そんな感じで大学時代はかなり迷走していたので、就活中も薬局とはまったく関係のない業界にエントリーしてました。僕にはどうしても、薬剤師という職業がしっくりとこなかったんです。 渡辺:卒業後はどこに就職したんですか? 竹中さん:製薬会社です。製薬会社を辞めて、大学時代の実習でお世話になった薬局に転職しました。そこで薬剤師として働きながら、自身でイベント事業などをおこなう会社を立ち上げたんです。製薬会社に入社する前から、3年経ったら独立すると決めていたので。
渡辺:薬剤師とはだいぶかけ離れている気が……。 竹中さん:そうですね(笑)。100〜200名の男女を集めた大運動会とか宝探し、リアル脱出ゲームの企画、講演会とか、人生誌の作成、パンフレットなどのデザイン、高齢者を対象にしたお茶会やパソコン教室を開いたりとか。薬剤師とは別の業界で生きていこうと思っていたので、当時は。 渡辺:そうしたイベント運営の経験が、『薬局アワード』など一般の方も巻き込んだ取り組みにつながっているのですね!経験は宝だと感じました。 竹中さん:そうですね。当時はかなり迷走していましたけど、決して無駄ではなかったんだなって思えます。それに何より薬局に勤めてみて思ったのが、薬剤師というのは患者さんの生活に自然に入り込めていける深い職種なんだということ。 渡辺:生活に入り込む、ですか。 竹中さん:はい。患者さんって話好きな方が多くて、「うちの孫が今度遊びに来てくれるの」とか「今度どこどこに遊びに行くの」とか、楽しそうに話すんです。そういう何気ないやり取りからサービスを考えるヒントを得ることができます。
薬剤師でもなく、薬局でもなく、中心にいるのは患者さんです。大切な患者さんと一緒に、地域に根ざした薬局を作っていきたいと思います。 本日は、「竹の葉薬局」を運営する「株式会社バンブー」の代表、竹中孝行(たけなか・たかゆき)さんにお話を伺いました。介護や生活面での心配事も気軽に相談できるなど、私たちが知らないだけで実はさまざまな取り組みをおこなっている薬局はたくさんあります。業界の当たり前を変えようと、さまざまなことに挑戦し続ける竹中さんの目はキラキラと輝いていました。 <みんなで選ぶ薬局アワード>
全国から創意工夫している薬局の取り組みを募集し、独自の審査基準に基づき、代表薬局を選出させていただきます。審査員、また、会場にお越しの皆様の投票によって最優秀賞の薬局を決定するイベントです。あなたが「行きたい!」「感動した!」と思った薬局にぜひとも、ご投票下さい。薬局のエントリー受付中。 開催予定日:2018年5月(詳細は未定) ミライトーチMediaとは 転職やキャリアに関わるコンテンツを通じ、「今の仕事に悩む人」がより自分らしく働けるようにサポートしているメディアです。 不安のない転職活動や理想の転職先探しに役立ててもらうため、転職者や人材業界関係者へのインタビュー調査はもちろん、厚生労働省などの公的データに基づいたリアルで正しい情報を発信し続けています。まとめ