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一般的に転職回数が多ければ多いほど、転職には不利になるといわれています。それは看護師も同じ。売り手市場の看護師は一般より転職回数がマイナスに働かないといわれていますが、それでも「多い」といわれる回数はあります。
看護師の転職回数は何回からが多いのでしょうか? すでに転職回数が多い看護師は、どういった対策ができるのでしょうか?
人事採用担当者やキャリアアドバイザーなど看護師転職のプロに、転職回数が多い場合はどこをチェックしているか、どういった人なら採用となるのかなど、看護師の年代別にうかがいました。
おすすめの看護師転職サイト3選 | |||
---|---|---|---|
順位 | 転職サイト名 | 総合満足度 | |
1 | 看護roo! |
4.66
|
|
2 |
レバウェル看護 (旧 看護のお仕事) |
4.40
|
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3 | ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク) |
4.2
|
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
この記事の内容
転職回数が多いと転職活動が不利になる理由は?
より条件の良いところ、ステップアップを目指して多くの看護師が転職しますが、それを繰り返しすぎると採用担当者に敬遠されるようになります。
【採用担当者の4つの不安】
- 入職してもすぐ辞めてしまい、再度求人をしなければいけなくなるのではないか。
- 在勤期間が短いことで、知識・スキルが不足しているのではないか。
- ほかの看護師や医師とコミュニケーションが取れないのではないか。
- 転職を繰り返す原因として求職者自身に何らかのトラブルがあるのではないか。
どの施設でも一番不安に感じるのは「入職してもすぐ辞めてしまうのではないか」ですが、それ以下の不安に関しては、病院、クリニック、介護施設、訪問看護ステーションなど採用施設によって微妙に違いがあるようです。
短期間で転職を繰り返した方はやはり短期間で辞めてしまう傾向が強いため、その点が一番不安です。一番多い退職理由が「想像していたものと現場にギャップがあった」など、事前に伝えるのが難しい人間関係や環境とのギャップなので、採用側から対策が立てられません。また、短期間で転職を繰り返すことで研修や指導を十分に受けていない可能性があるため、スキル面の不安も感じます。ただ、病院は常に看護師の募集をしているところがほとんどなので、再度求人をしなければいけない不安はあまりありません。(病院の採用担当者・男性)
すぐ辞めてしまうのではないかという不安が一番で、次に再度求人をしなければいけないという不安があります。短時間の面接や履歴書、職務経歴書ではわからないことから、求職者自身に何か問題があるのではないかという点も不安に感じます。ただし、訪問看護師は介護スキルが求められることが多く、基本1人で動くことが多いため、看護スキルや同僚とのコミュニケーションに関してはあまり不安に感じません。(訪問看護ステーションなど医療介護福祉施設の採用担当者・男性)
転職回数が多くてもすぐ転職できるのはどんな人?
転職回数が多い看護師でも、すぐに次の入職先が決まる人と、転職回数の多さがハードルとなってなかなか内定がもらえない人がいます。すぐに転職できるのはどんな看護師でしょうか?
採用担当者とキャリアアドバイザーの意見を総合すると、次の項目に当てはまるタイプが転職回数の多さがマイナスにならない看護師のようです。
- 1ヶ所でも3~5年の長期勤務をしている。
- 丁寧な接遇で受け答えに気遣いが感じられる。
- 転職先に一貫性があり、専門分野を持っている。
- 転職理由を他責にせずきちんと説明できる。
- 職場や患者の希望に合わせて柔軟に対応できる。
上記のような看護師の場合、転職回数が多くても採用となる場合が多いようです。では、年代別ではいかがでしょうか?
次の章では、20代、30代、40代以上と3つの年代に分けて、転職回数は何回から多いと判断されるのか、その場合の転職のコツ、年代別に求められる看護師像など、よりくわしくご紹介しましょう。
20代看護師の転職回数、多いのは何回から? 対策は?
転職回数が多い看護師さんは「すぐ辞めるのではないか」と採用担当者が不安に感じるなどから採用されにくいことがわかりました。
とはいえ、看護師歴の長さによって転職回数も変わってくることから、20代前半の看護師と40代、50代の看護師の転職回数を単純に比較することはできません。
ミライトーチMedia看護師のユーザーアンケートによると、20代看護師の転職回数は次の結果となりました。
【20代看護師の転職回数】
0回 | 30.0% |
---|---|
1回 | 46.7% |
2回 | 16.7% |
3回 | 6.6% |
4回以上 | 0.0% |
※ミライトーチMedia看護師のユーザーアンケートより
20代の看護師は転職回数1回が一番多く、半数近くを占めます。次いで、0回、2回、3回と続き、4回以上転職をしているという看護師さんはいませんでした。
20代看護師の場合、転職回数は何回からが多いと判断されるのでしょうか? 採用担当者やキャリアアドバイザーの本音を聞きました。
20代看護師の転職回数、3回が分かれ道
20代看護師の転職回数について、採用担当者、キャリアアドバイザー両者の口から決まって出るのが「3回」という数字です。
採用基準を設けている病院の多くが20代看護師の採用条件として転職3回までを挙げており、ほとんどの施設が3回までを許容範囲と考えています。
その理由としては、看護学校・看護大学を卒業後、勤務先1ヶ所に3年、少なくとも2年以上勤務している実績が欲しいということで3回としているわけです。
もし、20代ですでに2回転職をしている看護師は、3回目の転職にはより慎重になる必要があるでしょう。
ただし、4回以上だからといって転職できないわけではありません。希望する病院への転職が難しくなる、条件を妥協しなければいけなくなるなどはありますが、クリニックや介護施設など20代看護師を積極的に採用している医療機関・施設もあります。
医療機関ごとに看護師の採用基準があり、20代では3回までOK、4回以上は多いととらえ、面接までいかないケースもあります。その回数の元となっているのは、看護大学を卒業して22歳位から働き始めたとして、各施設で2年以上の勤務経験が欲しいと採用側は考えるからです。(病院の採用担当者・男性)
20代の看護師さんなら、転職3回までは許容、4回以上は多い印象を受けます。新卒で入った大規模病院で、新人看護師教育の3年カリキュラムを経ているというのを採用側は前提としているからです。ただし、転職回数が多くてもうちでは必ず見学に来てもらうようにしています。短期で辞めてしまう人の「こんなはずではなかった」というのを解消するためです。(訪問看護ステーションなど医療介護福祉施設の採用担当者・男性)
採用側としては、一つの職場で3年以上働いていてほしいというのがあって、転職3回以上は厳しいという印象です。特に急性期は忍耐力がないと勤務できない職場なので、転職回数が多い看護師さんは敬遠されがちです。ただし、すぐにでも看護師を採用したい病院の情報を持っているキャリアアドバイザーがすすめる応募先なら、転職回数が多くても8割は書類選考に通過します。しかし、自分の条件ばかりを優先して応募先を選んだ場合は、書類選考の通過率が2割程度まで下がります。(看護師転職サイトの元キャリアアドバイザー・男性)
20代の場合、転職2回までがセーフ、3回がギリギリ、4回以上はアウトではないかと思います。新卒の看護師さんは最初の病院でだいたい3年位勤務して転職する人が多いのですが、2番目の職場で前職とのギャップに悩み、2回目の転職をしてしまうという人が多いようです。ですのでそこまで、つまり転職2回までは仕方がないととらえてもらえます。ただし、3回以上となると、前職場、前々職場での失敗を学んでいないと思われるので病院への転職には不利に働くでしょう。一方、介護施設や訪問看護などは人が欲しいので、病院ほど転職回数を重要視していないようです。(看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー・女性)
転職回数が多い20代看護師が今からできる転職対策
転職回数が4回以上の20代看護師の場合、採用担当者は次の点をチェックします。
採用担当者のチェック項目
- これまでの転職理由。
- 将来、どういった看護師になりたいかのキャリアビジョン。
- 応募先のホームページなどを確認し、事前に情報収集を行っているかどうか。
いずれも、すぐ転職してしまうのではないかとの不安があるからこその質問です。
そういった採用側の不安を払拭するために、これまでの転職理由を自責として説明できること、転職回数が多いことを自覚し反省していること、そのために改善していきたいという姿勢を見せることが重要です。
20代看護師の採用では、転職回数が多い場合は、勤務先の統一性を見ます。履歴書に書かれている医療機関が、診療科もバラバラで勤務先も病院があったりクリニックがあったりと統一性がない場合、その点は必ず面接では聞くようにしています。(総合病院の採用担当者・男性)
1年未満の短期間で転職を繰り返している20代の看護師さんは、情報収集をあまりしてこなかったのが原因ではないかと思います。そのため、面接では必ず「うちのホームページ、見ました?」と聞くようにしています。例えば、24時間看護ではないのに「夜はどうするんですか?」、土日祝日も出勤ありと明記しているのに「土日は休みですか?」と質問する方はホームページなどで情報収集をして面接に臨んでいないので、入職しても「こんなはずではなかった、聞いていない」などと辞めてしまうのではないかと不安になります。(訪問看護ステーションなど医療介護福祉施設の採用担当者・男性)
まずは、自分の転職回数が多いことを認識していると意思表示することが大切です。看護師が勤務する職場は女性が多い環境なので、人間関係でズレが生じたり、転職しても仕方がない部分もあります。ただ、短い面接時間でそうした背景をすべて伝えることは難しいので、転職して当然といった態度ではなく、転職回数が多いことを自覚していて改善したいと思っている姿勢を見せることが重要です。転職理由を聞かれたときに、「長く勤務したかったのですが…」と前置きしたり、「自分なりにこういった対策を取ったものの…」など、改善のためにアクションしたことをアピールしたりするといいでしょう。ただし、他責といった表現はNGです。転職経験のある看護師が面接官の場合は理解されやすいので、キャリアアドバイザーに確認するといいでしょう。(看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー・女性)
転職回数が多くても採用される20代看護師の特徴は?
次の項目に当てはまる20代看護師は、転職回数が多くても採用される確率が高いようです。
【知識・スキル面】
- 1ヶ所で3~5年、特に新卒で入職した病院で長期勤務できている看護師。
- 丁寧な接遇ができる看護師。
- 専門分野を持つ看護師。
【性格面】
- 将来の展望を明確に持っているうえで応募先施設への転職に意欲的な看護師。
- 転職理由について、採用担当者が納得や共感ができるような説明ができる看護師。
- 転職回数が多い自覚がある看護師。
最初に新卒で入職した病院で3~5年は勤務した人は採用したいですね。新人看護師研修のカリキュラムを十分に受けているということは「看護師とは?」という根幹部分をしっかり学んでいるからです。転職理由について、20代なら正直に答えてもらったほうが好感が持てますし、ネガティブな表現でなければマイナスにはならないでしょう。(総合病院の採用担当者・男性)
20代なら病院でバリバリ働く方が多いと思いますが、あえて訪問看護に興味があると目的をはっきり言う方は採用したいと思います。かつて、看護学校を卒業して養護教員を5年した方が、看護師をきわめたいからと応募されたことがありました。看護師経験もスキルも全くない方でしたが、コミュニケーション能力が高く熱意があったので採用し、半年間、他の看護師について学んでもらい独り立ちしました。スキルより人柄や熱意で採用となる場合が多いです。(訪問看護ステーションなど複数の医療介護福祉施設の採用担当者・男性)
20代の看護師さんなら、特に接遇が丁寧な方は好印象を与えます。また、退職理由を冷静にきちんと伝えられる人は採用されます。例えば、いじめにあって転職した場合、「病院の方針と自分の看護観にズレがあり、それを発言したのをきっかけに他の看護師からつらく当たられるようになった」などは採用側からも共感が得られるでしょう。
(大手看護師転職サイトの元キャリアアドバイザー・男性)
結婚に伴う転居や妊娠、出産、育児といったライフイベントによる転職は問題ありません。また、手術室、透析室、助産師として働いた経験があるなど専門分野を持つ看護師は採用されやすく、転職回数はあまり重要視されません。ただし、転職回数が多いことは不本意で、マイナスであることを自覚しているということが肝心です。(大手看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー・男性)
30代看護師の転職回数、多いのは何回から? 対策は?
ミライトーチMedia看護師のユーザーアンケートによると、30代看護師の転職回数は次の結果となりました。
【30代看護師の転職回数】
0回 | 7.8% |
---|---|
1回 | 33.0% |
2回 | 25.2% |
3回 | 20.4% |
4回 | 9.7% |
5回 | 2.9% |
6回以上 | 1.0% |
※ミライトーチMedia看護師のユーザーアンケートより
30代の看護師は20代と比べて転職回数のバラつきが広くなります。1回(33.0%)が一番多いのは20代と変わりませんが、2回が25.2%、3回が20.4%とそれぞれ大きい割合を占めています。
また、転職が4回以上という看護師は全体の13%強で、約7人に1人となります。その中で、一番多い転職回数は8回でした。
30代看護師の場合、転職回数は何回からが多いと判断されるのでしょうか? 人事採用担当者やキャリアアドバイザーの本音を聞きました。
30代看護師の転職回数、6回以上は赤信号
採用基準に転職回数を設けている病院では、30代看護師の場合は「6回以上」の転職は多いととらえ、書類審査の通過自体が難しいケースがあるようです。
採用担当者やキャリアアドバイザーも共通して、30代看護師で6回以上転職をしている看護師は採用されにくいという意見です。
ただし、結婚、妊娠、出産、育児といったライフステージの変化が大きい年代でもあるため、そういった不可抗力による転職の場合はマイナスとはなりません。
例えば、2年おきに夫の転勤がある、育児のために病院からクリニックへ転職などは職務経歴書に明記し、面接で再度説明することで採用担当者の不安を払拭できるでしょう。
3年に1回は転職していると計算して、30代看護師なら6回以上は多いと感じます。ただし、これは20歳前後で国家資格を取得したという前提で、社会人になってから看護学校に通い、30代で看護師になったという人はこのくくりには入りません。(総合病院の採用担当者・男性)
30代看護師は結婚、子育て等で仕事を切り替えざるを得ない方が多い年代ですが、5回以上は多い印象です。ただし、1ヶ所につき平均3年勤務を軸に考えているので、それぞれの職場で3年以上務めて5回以上となる30代後半なら、そんなに悪い印象にはなりません。(看護師専門のベテランキャリアアドバイザー・男性)
6回以上の転職は多い印象です。ただし、30代はライフステージの変化で働き方を考える年代だと思うので、回数というより勤務期間を重要視します。転職回数が少なくても、途中で看護師以外の他職種で仕事をしている場合は気になりますので面接で必ず質問します。(訪問看護ステーションなど複数の医療介護福祉施設の採用担当者・男性)
30代看護師で転職5、6回以上は回数が多いと判断され、キャリアアドバイザーがすすめた応募先でも書類審査が通るのは五分五分くらいに下がります。(看護師転職サイトの元キャリアアドバイザー・男性)
転職回数が多い30代看護師が今からできる転職対策
20代と30代とでは、病院や施設が求める役割が大きく異なります。30代はリーダーや主任、プリセプターとして教育的・指導的役割が期待されるため、そういった経験があるのかどうか、教育係をすすんで務めてくれるかどうかを採用側はチェックします。
そのため、転職回数が多くても、リーダー経験がある、主任やプリセプターに意欲的に取り組む姿勢を見せるなどで採用確率は高まります。
また、子育てしながら働く30代看護師は多いですが、病院・施設側が採用に二の足を踏むのは、子どもの病気やケガで頻繁に休むのではないかという不安があるからです。
そういった不安に対しては先回りして、夫の協力が得られる、実家が近く助けてもらえる、保育園の入所が決まっているなどプラス面をアピールするといいでしょう。
訪問看護への目的意識と意欲を持っている方は採用したいと思います。例えば、事前にどういったことを勉強しておいたほうがいいですか?など、業務内容に直結する専門職としての質問をするような方からは仕事への意欲を感じます。逆に、待遇面や勤務形態など条件面の質問ばかりだと働く意思が弱いと感じます。(訪問看護ステーションなど複数の医療介護福祉施設の採用担当者・男性)
病院として30代看護師に求めるものは、リーダーとして教える立場も担って勤務してもらうことです。リーダー経験があったり、主任やプリセプターなど役職経験があれば、転職回数が多くても経験を買ってもらえる場合があります。リーダーや役職を好んでしたいという人が少ないという前提で、「ご縁があれば役職、ポジションがもらえるように頑張りたい」と教育的、指導的立場も引き受ける意欲をアピールするといいでしょう。(看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー・女性)
転職回数が多くても採用される30代看護師の特徴は?
転職回数が多い30代看護師でも、前述した転職対策に加え、以下の条件に当てはまる人が採用されやすいといえるでしょう。
【条件面】
- 今後、結婚や出産などライフイベントの予定がない看護師。
- シフトに制限がない看護師。
- 育児中の場合、周囲の子育てサポートが充実している看護師。
【性格面】
- 新人や後輩指導に積極的な看護師。
- 服装や髪型、化粧などに清潔感があり、受け答えに気づかいが感じられる看護師。
看護師は、一生現場でやっていきたいという方と役職につきたい方の二極に分かれる傾向にあります。30代なのに、患者のケアはするけれど新人看護師の教育はしたくない人は採用しにくいですね。指導経験がない人とある人、どちらを採用するかと聞かれれば、後者を採用します。(総合病院の採用担当者・男性)
面接では清潔感が大事です。30代、それも後半なら、面接は必ずしもスーツでなくてはならないというのはありません。ただし、清潔感は大切で、髪の毛が長すぎる、髪色が明るすぎる、髪の毛を結ばないというのは、良い印象を持たれにくいです。清潔感ときれいにすることをはき違えている看護師さんもいて、化粧が濃い人も怖い印象を与えてしまうので敬遠されます。(看護師転職サイトの元キャリアアドバイザー・女性)
転職回数が多くても採用されやすい30代看護師は、シフトに制限がない、今後、結婚や出産などライフイベントの予定がない、入職後に早期退職につながるリスクがないという人でしょう。履歴書や職務経歴書では、結婚しているかどうか、子どもがいるかどうか、子どもは何歳かといった具体的な家族構成や環境は採用担当者にはわからないので、面接で独身か既婚か、子どもは何歳で保育はどうしているかなど働ける環境であることを具体的に伝えることが大事です。(大手看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー・男性)
40代以上の看護師の転職、多いのは何回から? 対策は?
ミライトーチMedia看護師のユーザーアンケートによると、40代以上看護師の転職回数は次の結果となりました。
【40代以上看護師の転職回数】
0回 | 16.7% |
---|---|
1回 | 8.3% |
2回 | 30.6% |
3~4回 | 22.2% |
5~6回 | 5.6% |
7~9回 | 11.1% |
10回以上 | 5.5% |
※ミライトーチMedia看護師のユーザーアンケートより
40代以上の看護師は30代と比べてさらに転職回数のバラつきが広くなります。2回(30.6%)が一番多く、次いで3~4回の22.2%となっていますが、特筆すべきは3位が転職回数0回(16.7%)というところです。
40代以上看護師のうち、約6人に1人が転職をせず最初に入職した病院で看護師を続けており、30代看護師の約2倍となります。これは、転職が今ほど一般的ではなかった結果かもしれません。
一方で、転職が7~9回が11.1%、10回以上が5.5%を占めており、40代以上の看護師の転職回数は両極に分かれていることがわかります。
40代以上の看護師の場合、転職回数は何回からが多いと判断されるのでしょうか? 人事採用担当者やキャリアアドバイザーの本音を聞きました。
40代以上看護師の転職回数、8、9回以上は赤信号
40代以上の看護師を採用する場合、転職回数を採用基準に設けている病院では、8回以上を多いと設定しているケースが多いようです。
病院よりも転職回数にこだわらない訪問看護、介護施設、クリニックでも、9、10回以上を多いと考えています。
一方で、40代、50代となると、転職回数で採用・不採用は判断できないととらえられる場合もあります。20代、30代看護師に比べ、目的意識のはっきりした転職が多く、これまでの役職や経験、人柄などが重要視されるため、採用側は転職回数にあまりこだわらないケースもあるようです。
9回以上は多い印象です。40代以上の看護師さんは、「なんとなく…」で転職される方は少なく、目的意識がはっきりしている方が多い傾向にあります。40代、50代ならそのまま病院で働いていたほうが安泰なのに、なぜ今、訪問看護なのか?といった目的意識を面接では聞くようにしています。(訪問看護ステーションなど複数の医療介護福祉施設の採用担当者・男性)
7、8回以上は多いと受け取られるでしょう。転職回数にかかわる病院の採用基準を担当のキャリアアドバイザーはたいてい把握しているので、回数の多さに厳しい病院は紹介すること自体難しいですね。(看護師転職サイトの元キャリアアドバイザー・女性)
10回以上が多いとみなされるようです。1枚の履歴書に10回以上の転職は入りきらないため、2枚に渡ってしまうと採用側に多いという印象を与えてしまうからです。(看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー・男性)
40代、50代となってくると、一概に転職回数の多い少ないでは捉えられなくなります。40代は、役職につく年代+経験も豊富になるのため、転職回数よりも何を経験してきたかのほうが重視されます。また、50代はこれまでの役職や経験に加え、人柄も重視されるようになります。(看護師専門のベテランキャリアアドバイザー・男性)
転職回数が多い40代以上看護師が今からできる転職対策
看護師の転職は売り手市場と言われていますが、40代以上となるとその立場は変わってきます。
30代で内定が取れていたところでも40代以上となると、応募先によっては書類通過が難しくなるケースも。転職回数が多い場合、さらに顕著な傾向として表れるようです。
そのため、40代以上看護師は次の点に気を付けて転職活動をしてほしいと採用担当者やキャリアアドバイザーはアドバイスします。
- 自身の転職回数、経験、スキルをふまえて、応募先や条件を柔軟に変更する。
- これまでの看護師経験にこだわらず、業務に対して臨機応変に対応できることをアピールする。
- 「前の職場では…」は口にしない。
- 転職理由が健康上の場合も正直に伝える。
40代以上で転職する看護師は、目標や目的がはっきりしている代わりに、看護師としてのこだわりが強く、入職後に他のスタッフとトラブルを起こすケースが少なくありません。そういった点に気を付けて転職活動をするといいでしょう。
大きな病院ほど年齢が高い看護師の採用には厳しいので、以前の勤務先や転職回数によって書類通過すらできないことは多くなると思います。
また、病院の採用担当は病院以外の勤務、例えばクリニックや介護施設、訪問看護ステーションの勤務は看護師経験として換算しません。
いろいろな施設で看護師をしている場合は、その点を踏まえて応募先を選ぶといいでしょう。(総合病院の採用担当者)
40代以上となると健康上の理由で転職を繰り返す方も多いと思います。その場合は、正直に伝えることが大切です。例えば、腰が悪い・膝が悪い場合は、介助が多い慢性期や訪問看護より急性期の方が向いているケースもあります。(看護師転職サイトの元キャリアアドバイザー・女性)
40代以上くらいの年代から「選ぶ」側から「選ばれる」側になります。そのため、応募先選びや条件にこだわりすぎるといつまでも転職先が決まらないということにもなります。例えば、病院への転職を考えているなら看護師の年齢層が高めの療養型病院を選ぶ、介護施設への転職も視野に入れるなど柔軟な対応が必要でしょう。また、面接や入職後は「自分の経験が正しい」という認識で話さないことが肝心です。看護師の経験年数が長ければ長いほど、その人の看護観で語ってしまう方が多い傾向にありますが、それを押し付けてしまうと「頑固」という印象を与えてしまうからです。「前職ではこうでした」をアピールしてしまうと危険視され、採用されない、入職してもうまくいかない可能性も。(看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー・男性)
転職回数が多くても採用される40代看護師の特徴は?
40代以上の看護師となると、経験やスキルは習得しており、リーダーやプリセプターなど教育・指導的立場も任せられることが大前提となります。
そのため、実務的な部分より、性格的な長所を重要視する傾向にあり、次のような看護師が求められます。
【性格面】
- 患者や利用者の希望に寄り添って柔軟に対応できる看護師。
- 自身の看護観や看護師経験を押し付けない看護師。
- 年齢を感じさせない若々しさを持ち仕事に意欲的な看護師。
【経歴面】
- 転職先に一貫性がある看護師。
40代以上の看護師さんは若い方より適応力が低い傾向にあります。「前の職場ではこうだった」と言ってトラブルになるケースが多いと感じます。例えば、弊社は訪問看護といっても患者さんが比較的元気な方が多く自立されています。そのため、看護よりリハビリをしてほしいと要望する方もいて、会社としては利用者が望むなら提供すべきという考え方ですが「それは看護師の仕事ではないのでできません」という方は難しいと思います。逆に、臨機応変に対応してくれる人なら、すでに看護師経験は十分すぎるほどあるので、転職回数や年齢関係なく採用したいです。訪問看護では正直、実年齢は関係ないので、気持ちの若さをアピールしてくれる方を採用します。(訪問看護ステーションなど複数の医療介護福祉施設の採用担当者・男性)
10回以上転職している70歳以上の看護師さんを採用したことがあります。ずっと介護施設で勤務してきた経歴があり、実年齢よりずっと若々しい方だったので、転職回数や年齢関係なく採用されました。例えば、年齢が高くてもハキハキ受け答えできる方は若々しく見えるし好印象を与えます。(看護師転職サイトの元キャリアアドバイザー・女性)
転職回数が多い40代以上の看護師でも、転職した職場に一貫性がある方なら採用側の理解が得られるので採用されやすいといえるでしょう。例えば、急性期の病院から慢性期、再び急性期、クリニック、介護施設は正直チグハグな転職というイメージですが、急性期、急性期、療養型、療養型、介護施設という転職なら一本筋が通っています。転職理由のイメージを採用側で持てるため転職回数の多さはそれほどデメリットにはなりません。(看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー・女性)
転職の有利・不利は回数ではなく在勤期間
これまでの転職回数が今後の転職の有利・不利に影響することは前述した通りですが、実は採用担当者がそれよりも重要視しているのが「在勤期間」です。
20代看護師で転職回数が同じ3回でも、それぞれの医療機関に3年前後務めての3回と、1年未満での転職を繰り返しての3回では、大きく意味が違うといいます。
採用側はなるべく長く勤務してほしいと思っているため、看護師を採用する際は各転職先でどれだけ長く勤務しているかの在勤期間に注目します。
在勤期間が長ければ「うちでも長く勤めてくれるだろう」と採用にプラスに働きますし、1年未満の転職が多ければ「すぐ辞めてしまうのではないか」と不安になり、積極的に内定は出しにくくなります。
在勤期間を算出する目安の一つとして転職回数を挙げているだけであって、単に転職回数が多いだけで不採用となることはありません。
また、在勤期間の長短も、いくつかある転職先の中で1ヶ所だけ短期間で辞めているというケースも、基本は長期勤務が可能であるとみなし、採用・不採用に大きく影響はないようです。採用側は「短期間での転職が連続している」場合を一番警戒します。
転職回数ではなく勤務期間が重要で、特に最初の医療機関での年数が重要と考えていて、看護部長なども同意見です。ただし、転職回数が多いことが、面接の中でうまく説明できているなら問題ないと考えます。職務経歴書や履歴書を見るのは面接当日で、求職者が結婚しているかどうか、子どもがいるのかどうかこちらはわからないので、家庭の事情が転職回数に影響しているのなら正直に話してほしいです。 (総合病院の採用担当者・男性)
転職回数よりも在勤期間が重要で、年齢も目安であってそれほど重きは置いていません。(訪問看護ステーションなど複数の医療介護福祉施設の採用担当者・男性)
看護師の経歴で一番見るのは在勤期間で、採用する側も同じでしょう。その次に転職回数。転職回数が多い人でも、納得できる転職理由を説明できる方は不利とはなりません。このご時世、転職先を選ばなければ転職できないことはないですが、妥協して入職するとまた転職回数を増やす結果にもなるので要注意です。(看護師転職サイトの元キャリアアドバイザー・女性)
転職回数より在勤期間が重要視され、1ヶ所で4~5年続いている人のほうが採用されやすいです。応募前や入職前に性格な情報を得にくい業界なので、1~2回の短期退職は仕方がないととらえられます。ただし、転職経験がある採用担当者には納得してもらえますが、転職をしたことがない・勤務年数が長い看護師が採用担当者だと理解されにくい面もあります。(看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー・男性)
看護師が転職を繰り返してしまう5つの理由と解決策
最初に入職した病院にずっと勤める看護師もいれば、キャリアアップやライフステージの変化で数年ごとに転職する看護師、なかなか自分に合う職場にめぐりあえず短期間で転職を繰り返してしまう看護師などいろいろです。
では、転職を繰り返してしまう看護師は、どうして自分に合った職場、満足のいく職場に出会えないのでしょうか?
転職を繰り返す看護師かどうかがわかる5つのチェックポイント
多くの看護師さんを面接してきた採用担当者、転職をサポートしてきたキャリアアドバイザーによると、転職を繰り返してしまう看護師さんの特徴として、次の5つが挙げられるそうです。
転職を繰り返す看護師の特徴
- 過去に勤務していた職場の条件が良すぎて転職を後悔している看護師。
- 自己評価が高く、職場に対する理想も高すぎる看護師。
- 柔軟な思考や臨機応変な対応が苦手な看護師。
- 転職理由を他責にする看護師。
- コミュニケーション能力が低い看護師。
上記に一つでも当てはまる場合、転職を繰り返してしまう傾向が強いそうです。
では、これ以上、転職回数を増やさないためにはどうすればいいのでしょうか? 転職の原因とその解決策についてご紹介しましょう。
情報収集方法、情報の読み間違い
看護師さんの5割程度はハローワークで情報収集して転職をしていますが、ハローワークは公的な職業紹介事業であって、看護師専門の転職支援ではありません。
そのため、応募先の詳しい情報が得られず情報収集が不十分なまま転職活動をすることになり、入職してから「こんな業務があるとは聞いていなかった」「予想していた給料より低かった」といったことが起こります。
情報収集については看護師専門の転職サイトやキャリアアドバイザーに聞くのが一番確実といえます。
また、自分自身でも応募先の情報収集に務めることが肝心です。面接では採用担当者から志望理由について質問されます。その際、「キャリアアドバイザーさんに紹介されたから」と言ってしまう看護師は少なくありませんが、その一言で不採用になるケースも。応募先のホームページなどであらかじめ情報収集しておくことで、キャリアアドバイザーからの受け売りではない自分の言葉で志望理由が伝えられるでしょう。
看護師専門の転職サイトやキャリアアドバイザーから情報収集する場合は、最低でも2ヶ所以上から同じ病院の情報を提供してもらいましょう。そうすることで、十分な情報を得られるうえ、正しい情報の取捨選択も行えるからです。(看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー・男性)
業務内容・対象患者の理解不足
短期で転職を繰り返す看護師の多くは、入職してからのギャップが埋められなかったというのを理由に挙げますが、その原因の大半は「業務内容・対象患者の理解不足」です。
給与や手当、福利厚生、休日、勤務形態といった求人票に明記される「目に見える」条件のみで転職を決めたものの、入職してみたら「目に見えない」ギャップが存在していたことに気づき後悔するわけです。例えば、介護施設では看護業務より介護業務の方が多かった、クリニックは日勤のみで楽そうだと思ったのに看護師の人数が少なくて休みが取りづらいなどが、それに当てはまるでしょう。いずれも、業務内容や対象患者への理解不足が原因です。
上記のギャップは入職後に気づくケースが多いのですが、あらかじめ「病院や施設はそれぞれに特徴があり、入職前とのギャップはあって当たり前」という柔軟な心構えが求められます。少しでも疑問に思うことがあれば自分でも調べ、キャリアアドバイザーに都度確認することで、ギャップを埋めることができるでしょう。
転職を繰り返す人は、以前のトラウマで徹底的に情報収集してから転職活動をする人と、何も反省しない人の2つに分けられます。後者は同じことを繰り返すから転職回数が増え、前者は徹底的に調べ「こんな職場」と頭の中で作り上げてしまっているため、その予想とちょっとでも違うと許せなくなって転職してしまいます。調べることも大事ですが、まずは職場ごとの違いを許容し柔軟になじむことが大切です。(看護師転職サイトの元キャリアアドバイザー)
入職後のギャップを埋めるために、求職者さんには実際よりも大げさに伝えておくようにしています。例えば、残業が月5時間というところは月10時間と伝えておきます。そうやって、悪い方へギャップを感じないように期待値を調整しています。(大手看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー・男性)
リーダーといった立場で仕事をするのを避けたい方は、そうならないような職場選びをするといいでしょう。例えば、30代看護師さんなら療養型慢性期の病院を紹介します。一般的に40代後半の看護師が多い職場なので、30代は役職につかなくて済むメリットがあるからです。(看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー・女性)
自己分析不足や希望条件の優先順位の付け間違い
転職を繰り返してしまう理由として、自己分析を十分に行わなかったことによる、希望条件の優先順位を間違えてしまうケースがあります。
夜勤や研修がつらいからと日勤のみの介護施設に転職したけれど、またすぐに病院へ復帰したという看護師は少なくありません。その理由は、看護業務より介護業務が多い、やりがいが感じられない、スキルダウンが不安、給料が思ったより安かったといろいろですが、自己分析を十分に行っていれば、この2回の転職はあらかじめ予防できたといえるでしょう。
自己分析を行うために、次の項目を書き出してみましょう。
- 自分はどんな看護師になりたいのか?
- そのために今、何をすればいいのか?
- 自分にはどういった働き方が合っているのか?
- 働く中で一番重要と考えているのは何なのか?
スキルアップをして役職に付きたいのか、それとも一看護師として現場で看護にあたりたいのか。そのために今の職場でどう頑張っていくのか、それとも転職して目標を目指すのか。同じ日勤のみの土日祝日休みでも、訪問看護で在宅医療を支えるのか、産業看護師などで予防医療を極めるのか。一番重要なのは、給料なのか、ワークライフバランスなのか、やりがいなのか、スキルアップなのか、患者さんとのコミュニケーションなのか。
書き出していくことで、自分自身はどう働きたいのか、そのために転職は必要か、転職先はどこがいいのかが整理され明確になっていきます。目的がはっきりしていれば、ムダに転職を繰り返すことがなくなっていくでしょう。
病院は難しいですが、訪問看護ステーションや個人経営のクリニックであれば比較的、面接まで進められる確率は高いでしょう。訪問看護ステーションは慢性的な人手不足ですし、個人クリニックは採用自体が常勤ではなくパートのケースが多いので、あまり条件が厳しく設定されていないためです。(看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー・女性)
転職回数が多い方でも、勤続年数が少しでも長い職場はあります。少しでも長く勤務できていた職場の話を聞き、その理由を掘り下げていきます。どうして他の職場は短期間で退職してしまったのに、そこの職場は長く務めることができたのか?職場の良かったところ、辞める理由になった点を掘り下げることで、看護師さんが大切にする価値観が見えてきます。(看護師専門のベテランキャリアアドバイザー・男性)
コミュニケーション力不足
人間関係を理由に転職を繰り返してしまう看護師さんは少なくありません。新人看護師の場合は教育・指導のために先輩看護師からつらく当たられることも多いですが、その後も人間関係でうまくいかずに転職回数が多くなってしまうのは、コミュニケーション力の不足が考えられます。
患者さんと1対1のやり取りなら問題ないけれど、同僚看護師の中では孤立しがちという人は、病院以外の職場を選ぶと長く勤務できることも。例えば、訪問看護や健診・健診センター、産業看護師などは、他の看護師やスタッフと接する機会がミーティングや申し送りのみなので、煩わしい人間関係に悩まされる心配が少なくなります。
人手がどうしても足りなくて、6回以上転職をした30代の看護師さんを採用したことがありましたが、訪問看護では意外に長く勤務してもらえました。それまでは人間関係のトラブルで転職を繰り返していたようですが、他の看護師との接触が少ない訪問看護は性に合っていたようです。(訪問看護ステーションなど複数の医療介護福祉施設の採用担当者・男性)
転職回数が多い看護師さんは、お会いしてもなかなか目が合わない印象です。緊張されているのかもしれませんが、人付き合いが苦手で転職理由も人間関係という方が多いようです。面接のときに好印象を持ってもらうために、目を合わせることをアドバイスすることもあります。(看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー・女性)
知識・スキル不足
看護師の知識・スキルと、入職先が求める知識・スキルに大きな差がある場合、業務内容が高度でついていけない、業務に時間がかかり残業が多くなってしまう、同僚看護師からの信頼も得られないなどで、仕方なく転職をしてしまうケースがあります。
たいていの場合、先で紹介した「自己評価が高く、職場に対する理想も高すぎる看護師」が陥りやすい失敗で、自分自身の知識やスキルを過信して、背伸びをした医療機関へ入職してしまった場合に起こります。
急な欠員で急ぎ採用しなければいけないとき、病院は力不足かもしれないとわかっている看護師でも内定を出す場合があります。しかし、入職できるからといって、看護師のスキルが急に上がるわけではありません。そういった求人側と求職側のギャップが生じないために、キャリアアドバイザーなど第三者にアドバイスを仰ぐ、自身のスキルが応募先で活かせるかどうか冷静に判断する、面接では経歴やスキルについて正直に伝え、できないこと・苦手なことなどを伝えることが必要でしょう。
経歴やスキル的に身の丈以上のところに入職したいという方は入ってから大変なのでキャリアアドバイザーとしては説得します。それでも希望される場合は「じゃあ一緒に頑張りましょう」と転職をサポートして、入職後はこまめにアフターフォローをします。入職当日、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、半年後と区切り区切りで連絡を入れ、1年以上フォローした人もいました。(大手看護師転職サイトの元キャリアアドバイザー・男性)
転職回数が多い看護師さんにおすすめの転職サイト
転職回数が多い看護師さんほど、第三者のサポートが重要となってきます。その際に頼りになるのが、転職サイトのキャリアアドバイザー。キャリアアドバイザーによる転職サポートに定評がある看護師転職サイトをご紹介します。
看護roo!:求職者と求人施設を1人のキャリアアドバイザーが担当
- 初めて転職する人でも徹底的にサポート
- 高給与・好条件求人が多い
- 1人のキャリアアドバイザーが看護師と転職先の双方を担当する一気通貫制
- 事業所は大都市の3拠点
レバウェル看護(旧 看護のお仕事):経歴やスキルに不安がある看護師を親身にサポート
- 仕事と家庭を両立したい人
- ブランクがある・臨床経験が少ないなどでスキルに不安がある人
- 入職から1年未満の早期離職をする新人看護師
マイナビ看護師:看護師の定着率が高い職場への転職を協力サポート
- 対面での面談でじっくり相談ができる環境が整っている
- 病院などの職場の内部事情に詳しく、転職後のミスマッチを防げる
- マイナビブランドを活かし、企業や美容クリニックなどの人気求人も保有
転職回数が多い看護師が聞きたいQ&A
転職回数が多い看護師さんが聞きたくても聞けない疑問を、採用担当者、キャリアアドバイザーに質問しました。
- 転職理由は正直に言うべきでしょうか?
- 転職回数が多い場合、採用担当者はどの転職について重点的に聞くのでしょうか?
- 履歴書や職務経歴書には前職についてすべて書かなければいけないのでしょうか?
- 短期間の転職とはどれくらいの在勤期間をさすのでしょうか?
- 採用担当者は面接でどんなことを質問するのでしょうか?
Q.転職理由は正直に言うべきでしょうか?
正直に伝えたほうがいいですが、表現はポジティブに、未来を見据えて改善策なども盛り込んで説明できるといいでしょう。もし、前職でトラブルを起こして退職をした場合は言いにくいでしょうが、前職場が近くの病院だと人事担当者が知り合いということが多いので、嘘をついてもいずれ伝わってしまいます。(総合病院の採用担当者・男性)
話せる内容なら話していただきたいたいです。それを理由に落とされることもあるかもしれませんが、嘘をついて入職しても勤務を続けるには自分自身がつらくなっていくと思います。例えば持病があるなどはあらかじめ言ってほしいですね。人間関係でのトラブルはそれほど当落に影響ありません。(訪問看護ステーションなど複数の医療介護福祉施設の採用担当者・男性)
「忙しすぎてついていけませんでした」「残業が多かった」「患者さんとじっくり向き合えなかった」という転職理由は、ほとんどの病院に当てはまることなので、採用側は「うちもすぐ辞めるのではないか」と思います。それを、例えば「急性期はマルチタスクが多く自分は苦手でついていけませんでしたが、慢性期は担当患者数は増えて忙しさは変わらないと思いますがシングルタスクが多いので頑張っていきたいと思います」といった具体的かつ前向きな表現に変えれば受け入れられやすいでしょう。(看護師転職サイトの元キャリアアドバイザー・男性)
40代以上となると健康上の理由で転職を繰り返す方も多いと思います。その場合は、正直に伝えることが大切です。例えば、腰が悪い・膝が悪い場合は、介助が多い慢性期や訪問看護より急性期の方が向いているケースもあります。もし精神的なトラブルなら、症状と通院状況を聞きます。採用担当者が同じような経験をしていたり、以前採用して成功した事例があるなどで、実は介護施設より病院の方が受け入れてくれるケースが多いです。また、病院のほうが看護師の人数が多く急な体調不良やお休みにも対応しやすいからというのもあります。(看護師転職サイトの元キャリアアドバイザー・女性)
Q.転職回数が多い場合、採用担当者はどの転職について重点的に聞くのでしょうか?
看護師資格をとってからの経歴についてはすべて聞きます。中でも、短期間で辞めたり転職を繰り返したりしたところについて、重点的に聞きます。(総合病院の採用担当者・男性)
直近の転職を一番重要視します。理由は、そこを辞めてどうして弊社に入職したいのか、転職理由・志望理由を知りたいから。そのほか、在勤期間が短いところや、他業界への転職などについても聞きます。(訪問看護ステーションなど複数の医療介護福祉施設の採用担当者・男性)
Q.履歴書や職務経歴書には前職についてすべて書かなければいけないのでしょうか?
看護師として働いた経歴だけでなく、他職種や自営業、知り合いの仕事をお手伝いしたなどもべて書いていただきます。どういった形でも働いた経験は全部明記が必要です。履歴書や職務経歴書に不自然な空白期間がある場合は添削で必ず指摘します。(看護師転職サイトの元キャリアアドバイザー・男性)
Q.短期間の転職とはどれくらいの在勤期間をさすのでしょうか?
総務の立場から言えば、経験給は1年からの支給となるので、1年未満は短いととらえます。その中でも2~3ヶ月の短期には目がいきます。同じ1年未満でも、8~9ヶ月と2~3ヶ月では採用側の受け止め方は全然違います。(総合病院の採用担当者・男性)
1年以下。教育や研修は病院や施設によってそれぞれですが、求人は1年スパンで考えるからです。それに、最低でも1年勤めなければ、その職場や業務について理解できないと思うからです。(訪問看護ステーションなど複数の医療介護福祉施設の採用担当者・男性)
Q.採用担当者は面接でどんなことを質問するのでしょうか?
入職後のギャップで辞める人が多いので、給与、福利厚生、休日、勤務形態など可能なかぎりの情報を事前に伝えて、ギャップがないかどうか質問します。例えば大学病院で働いていて、ゆっくりしたいからと規模の小さい病院に転職される方がいますが、急性期病院なのに1割か2割しか人数の余剰がないから実は忙しい場合が多いです。大学病院は毎年、大学から大量に新人看護師が入職するので実は人が多く思ったほど大変ではないのですが、それを認識していない看護師さんがギャップで辞められることがあります。そういったギャップがないか質問するし、こちらも情報をできる限り提供しています。(総合病院の採用担当者・男性)
看護師以外で仕事をしたことがありますか?と聞きます。飲食店や居酒屋さんとかのアルバイト経験がある人は採用したいからです。理不尽に感じることもある接客業務をやったことがある人は、サービス業でもある訪問看護には向いているからです。(訪問看護ステーションなど複数の医療介護福祉施設の採用担当者・男性)
まとめ
転職回数が多い看護師を採用担当者はどう見ているのか。また、転職サイトのキャリアアドバイザーはどのようにサポートをしてくれるのか。実際に病院や医療介護福祉施設で多くの看護師を面接している採用担当者や、看護師を専門に転職サポートをしているキャリアアドバイザーにホンネをうかがいました。
自分は転職回数が多い方なのか少ない方なのか、自分の転職回数や在勤期間は不利なのか有利なのか、転職回数が多いマイナスポイントをどう挽回すればいいのかなど、年代別・転職理由・看護師の特徴別にご紹介しましたが、参考になる情報や解決策は見つかりましたか?
これらをふまえたうえで、転職サイトを上手に利用しながら、満足のいく転職をかなえてください。
ミライトーチMediaとは
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