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夜勤や残業、研修、委員会活動などに疲れ「病院辞めたいな…」と看護師なら一度は思ったことがあるでしょう。「でも、せっかく国家資格を取得したし、看護師の仕事自体は好き」の場合、どういった転職先が想定されるでしょうか?
この記事では、病院以外で看護師資格が活かせるおすすめの職場20選の給与や福利厚生、業務内容、必要な知識・スキルから、人間関係や病院勤務とのギャップにいたるまで、「知りたい!」のすべてを紹介します。
病院以外の職場まとめ
- 人気の職場:一般クリニックなど
- 高収入・高給が得られる職場:美容クリニックなど
- 自宅でできる仕事:医療・看護師ライターなど
- 珍しい仕事:ツアーナースなど
- やりがいを感じられる仕事:CRC(治験コーディネーター)など
おすすめの看護師転職サイト3選 | |||
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順位 | 転職サイト名 | 総合満足度 | |
1 | 看護roo! |
4.66
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2 |
レバウェル看護 (旧 看護のお仕事) |
4.40
|
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3 | ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク) |
4.2
|
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
この記事の内容
- 看護師の資格が活きる病院以外の仕事・求人・職場・転職先は?
- 病院以外に転職したい看護師に人気の仕事・職場7選
- 看護師が病院以外の高収入・高給が得られる求人・転職先4選
- 看護師資格・経験を活かし子育てしながら自宅でできる仕事
- 看護師として働ける病院以外の珍しい職場・仕事・働き方5選
- 病院以外でも看護師がやりがいを感じられる仕事・働き方3選
- 看護師が病院以外の職場・職種へ転職する際の注意点、リスク5つ
- 病院以外の転職には転職エージェントが役立つ2つの理由
- 病院以外の転職に複数登録は常識! おすすめ看護師転職サイト3選
- 経験を活かして看護師以外の他職種へ!おすすめ総合転職サイト3選
- 【新卒の看護師向け】いきなり病院以外への就職はおすすめしない
- もし、病棟看護師に戻りたくなったら…
- 病院以外への転職、口コミでわかる人気の職場と不安
- まとめ
看護師の資格が活きる病院以外の仕事・求人・職場・転職先は?
看護師が病院以外で働くには、主に20の仕事・職場が挙げられます。それぞれの平均給与や求人数の評価は以下の通りです。
職場・仕事 | 平均給与 | 求人数 |
---|---|---|
1.一般クリニック | ||
2.訪問看護ステーション | ||
3.健診・検診センター | ||
4.老人ホーム・介護施設 | ||
5.デイケア・デイサービス | ||
6.保育園・養護学校 | ||
7.保健所・保健センター | ||
8.美容クリニック | ||
9.産業看護師 | ||
10.クリニカルスペシャリスト | ||
11.教官・教員・講師 | ||
12.医療・看護師ライター | ||
13.ツアーナース、イベントナース | ||
14.応援ナース、リゾートナース | ||
15.自衛隊看護師 | ||
16.看護系技官 | ||
17.刑務所看護師 | ||
18.CRC(治験コーディネーター) | ||
19.CRA(臨床開発モニター) | ||
20.企業の衛生管理者 |
(ミライトーチMedia看護師調べ)
ユーザーアンケートによれば、病院以外に転職を考えている看護師さんは、特に「給与」と「人間関係」に不安を感じている結果となりました。
しかし、実際に病院以外の職場へ転職した看護師の約6割が満足していると答えています。
病院以外に転職したい看護師に人気の仕事・職場7選
病院以外に転職したい看護師に人気の仕事・職場は主に以下の通りです。
- 病院以外で1番人気「一般クリニック(診療所・医院)」
- 日勤のみで高給が見込める「訪問看護ステーション」
- 健康な方の検査をサポート「健診・検診センター」
- 利用者の健康管理がメイン「老人ホーム・介護施設」
- 通所型の介護サービス「デイケア・デイサービス」
- 子どもたちの健康を管理「保育園・養護学校」
- 地域の健康を支援「保健所・保健センター」
それぞれの仕事・職場のメリット、デメリット、転職の際に気を付けるべきポイントを詳しくご紹介しましょう。
病院以外で1番人気「一般クリニック(診療所・医院)」
診療所、いわゆるクリニック・医院と呼ばれるのは病床が19床以下の医療機関を指します(病院は病床20床以上)。医師の指示の元、医療行為をするのが主な業務という点では同じであるため、病院看護師にとって一般クリニックはなじみやすい職場といえるでしょう。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
一般クリニックのメリット
訪問看護師と同様に、日勤のみで日曜・祝日が公休となっている場合が多く、病院のように研修や講習、委員会への出席がないため、時間に余裕のある勤務ができます。
病院で経験したことのある診療科の専門クリニックに転職するのがスムーズといえますが病院ほど難しい医療行為を求められることが少ないため、未経験の科でも転職は可能です。
一般クリニックのデメリット
一般的なクリニックは日勤のみで残業も少なく、日曜がお休みという場合が多いため、夜勤や残業を理由に転職を考えている看護師さんの中には「楽そうでいいな」と感じる方も多く人気の職場です。
しかし、クリニックでは次の3つのデメリットを挙げる看護師さんは少なくありません。
- 看護師の人数自体が病院より少なく、病院よりも休みが取りにくく、自身や家族の体調不良で急なお休みをしたくてもできない。狭い人間関係の中での勤務で、一度ひびが入ると修復が難しいことも。
- クリニックによっては独自ルールで診療が行われているケースも多く、病院のように研修や講習などで新しい知識スキルを得る機会も少ない。
- 求人は正職員よりもパートでの募集が多く、常勤で働きたい看護師さんは転職活動が難しい。
一般クリニックへ転職する際に気を付けるべきポイント
一般クリニックに転職する際は、事前に次の点をチェックすると安心です。
- ボーナス、残業などの各種手当、交通費などは支給されるのかどうか(できれば退職金が出るかどうかも確認できるといいでしょう)
- 社会保険に加入できるかどうかなど福利厚生について(パート勤務は加入できないケースもあるため)
- 看護師の配置人数と、急なお休みにも対応してもらえるかどうか
- 看護師の人数と利用者数(看護師1人当たりの担当患者数)
- 医院長の医療に対する考えや、クリニック運営の方針について(特に個人経営の場合)
- 医療や衛生管理がどのようにされているか など
一般クリニックへの転職について、以下の記事で詳しくご紹介しています。
日勤のみで高給が見込める「訪問看護ステーション」
訪問看護師は、病気や障がいを持ち在宅医療を必要とする利用者の住まいを訪問し、健康状態の観察、主治医の指示による点滴・注射などの医療処置、服薬管理、緊急時の対応などを実施します。
多くの場合、訪問看護ステーションから派遣され、担当医やケアマネージャー、介護福祉士らと連携・協力しながら看護をします。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
訪問看護ステーションのメリット
基本的に夜勤はなく、土日祝日はお休みといった場合も多い職場です。また、看護師1人で訪問するケースが多いため、スケジュール管理がしやすく、病院のようにわずらわしい人間関係に悩まされる心配も少なくなります。
訪問看護ステーションのデメリット
訪問看護師のデメリットは、ステーションによって給与や手当、教育体制、勤務ルールにバラつきがあることです。
例えば、オンコール対応の担当日数ひとつをとっても、ステーションの規模によって大きく違いがあります。
オンコールの担当日数(1ヶ月当たり) | |
---|---|
大規模ステーション (看護師10人以上) | 平均6.6日 |
小規模ステーション (看護師3~5人未満) | 平均13.3日 |
小規模ステーションの看護師は、月の約半分、オンコール対応をしなければいけないようです。
また、新人看護師の研修を手厚く実施するところもありますが、日本看護協会発表の資料「訪問看護の伸び悩みに関するデータ」では「1人で訪問を始めるまでは5回未満」が約7割と、病院に比べ教育期間が短いケースが大多数であることがわかります。
特に個人経営の小規模ステーションでは、教育体制や勤務ルールが明確ではなく、残業やオンコール手当がつかない、もしくは低いなどのケースもあるようです。
訪問看護ステーションへ転職する際に気を付けるべきポイント
訪問看護ステーションに転職する場合、事前に次の点をチェックすると安心です。
- 研修の期間、回数、方法(先輩看護師に同行するだけなのか、実際に処置を担当し指導看護師にチェックしてもらうのか)
- 給与は、基本給や手当、ボーナス支給実績、年収に換算した場合の額。
- 看護師の人数と利用者数(看護師1人当たりの担当患者数)。
- 担当制かシフト制か、オンコール対応の頻度など勤務体制。
- 緊急時の対応(どこの医療機関と連携をしているのか)。
健康な方の検査をサポート「健診・検診センター」
一般健診や生活習慣病健診、人間ドック、脳ドック、健康指導、新生児訪問、乳幼児健診、がん検診などを行う健診・検診センター。
病院では患者を看護するのが看護師の仕事ですが、健診・検診センターでは基本、健康な方が安全かつスムーズに検査が受けられるようにサポートする仕事となります。具体的には検査の説明をしたり、採血や血圧測定を行ったりします。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
健診・検診センターのメリット
健診センターには自治体運営の施設、保健組合運営の施設、医療法人や社会福祉法人、一般社団法人運営の施設などがあります。運営がどこかによって健診センターの雰囲気やルール、働いている人の層が違うので、あらかじめ確認しておくといいでしょう。
健診・検診センター勤務で苦手だった採血技術が向上したという看護師さんもいます。
健診・検診センターのデメリット
前述したように、健診・検診センターの場合、どこが運営しているか、また健診・検診対象者によって雰囲気やルール、スタッフの層が異なります。そのため、健診・検診センターでは以下のデメリットが挙げられます。
- 病院付属の健診センター以外では、医療従事者ではない上司の指示で動かなければいけない場合がある。
- 相談業務や記録、報告書の作成などデスクワークが多い。
- 主な業務が健康促進や健康指導のため、やりがいや達成感を感じにくい。
- 看護師の数が少なく、新人教育が十分ではなかったりお休みが取りづらいことも。
健診・検診センターへ転職する際に気を付けるべきポイント
健診・検診センターに転職する際は、次の点を事前にチェックすると安心です。
- 健診・検診センターの運営母体とその風土、そこでの看護師の業務や立ち位置。
- シフトの決め方や有休の取りやすさ、急な休みにも対応してもらえるか。
- 引き継ぎ期間や新人教育体制が十分かどうか。
利用者の健康管理がメイン「老人ホーム・介護施設」
老人ホーム・介護施設には主に以下の種類があります。
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護療養型医療施設
- 介護医療院
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム など
そのうち、看護師が勤務する病院以外の施設は、特養もしくは老健になるでしょう。
老人ホーム・介護施設での看護業務は主に利用者の健康管理です。バイタル測定、軟膏や点眼、処置、服薬管理が主の業務になるため、病院看護師に比べて体力的な負担は軽いです。
医療的な処置を行うことも少なく、点滴や注射などは一時的に主治医から指示があった場合のみで、日々の業務で行うことはほとんどありません。
ただし、施設にはさまざまな疾患の入居者がいるため、診療科を越えた広い知識が求められます。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
老人ホーム・介護施設のメリット
夜勤はなく日勤のみで、早出と遅出を行っているところもありますが、30分から1時間前後の時差出勤をしている場合が多く、比較的残業が少ない職場といえます。
患者と長期にわたって密にかかわれることがメリット。介護士(ヘルパー)など他職種のスタッフがメインとなる職場なので、連携して入居者に合ったケアの提供が求められます。
老人ホーム・介護施設のデメリット
老人ホーム・介護施設の勤務では、以下のデメリットが挙げられます。
- 看護師の仕事以外に介護業務も担当する場合がある。
- 業務の進め方やルールは介護士(ヘルパー)の立場を優先に決められる。そのため思うような看護ができず、介護士とうまく連携がとれないことも。
- 研修や講習といった学びの場が少ない。
- 医師が常勤していないため、病院よりも責任の重さを感じる。
- 夜勤がないため病院勤務より収入が低く、入居者数が減るとボーナスも少なくなることも。
老人ホーム・介護施設へ転職する際に気を付けるべきポイント
老人ホーム・介護施設に転職する際は、次の点を事前にチェックすると安心です。
- 利用者が急変した場合の対応マニュアルや病院との連携はどうなっているか。
- 看護師の人員配置(1人で対応しなければいけないことがあるのかどうか)。
- 看護師の業務内容(そのうち介護業務はどれくらいの割合を占めるのか)。
- 平均残業時間や土日祝日出勤の有無。
- 入居者数に応じて年収が変わるかどうか。
通所型の介護サービス「デイケア・デイサービス」
デイケア・デイサービスは、通所型の介護サービスです。日中の一定時間、施設内でさまざまな介護サービスを提供しますが、デイケアとデイサービスは目的が違います。
デイケア:通所リハビリテーションと呼ばれる介護保険サービスで、機能回復に重きを置いています。そのため、入浴や食事といった生活介護がメインとはなりません。
デイサービス:通所介護と呼ばれるサービスで、食事や入浴、機能訓練といった生活介護がメインとなります。在宅介護をしている家族の負担を軽減するために要介護の方を受け入れています。
デイサービスは1名以上の看護師専従が配置基準となっていますが、病院やクリニック、訪問看護ステーションとの連携でその限りではありません。また、デイケアも看護師の配置が必須ではないため、施設での看護師の数は少ないといえるでしょう。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
デイケア・デイサービスのメリット
デイケア・デイサービスに共通するメリットは、規則正しい生活を送れること。夜勤はなく、土日祝日は基本的にお休みです。かつ、重症患者や緊急性のある患者がいないため、精神的にゆとりを持って働くことができます。
デイケアならではのメリットは、以下の3つです。
- 介護に関する看護スキルが向上する。
- 利用者の回復を見られることが、やりがいにつながる。
- 介護系の中では給与が高い。
生活介護に重きを置くデイサービスならではのメリットは、以下の通りです。
- 高度な看護技術を求められない
どちらが自分に向いているのか考えたうえで、転職先を見極めるようにしましょう。
デイケア・デイサービスのデメリット
デイケア・デイサービスのデメリットは、前述の老人ホーム・介護施設のデメリットに通じる点が多いといえます。
- 介護士(ヘルパー)が多い職場のため、業務の進め方やルールは介護士目線で決められる。
- 上司が医療職ではないケースがほとんど。
- 医師が常勤しておらず、看護師としての知識やスキルを磨く機会が少ない。
- 体調不良や重度の要介護となる利用者がいないため、看護より介護業務の割合が大きい。
デイケア・デイサービスへ転職する際に気を付けるべきポイント
デイケア・デイサービスに転職する際に気を付けるチェックポイントは、前述の老人ホーム・介護施設で紹介したものとほぼ同じとなります。
- 利用者が急変した場合の対応マニュアルや病院との連携はどうなっているか。
- 看護師の人員配置(1人で対応しなければいけないことがあるのかどうか)。
- 看護師の業務内容(そのうち介護業務はどれくらいの割合を占めるのか)。
- 平均残業時間や土日祝日出勤の有無。
- 利用者数に応じて年収が変わるかどうか。
子どもたちの健康を管理「保育園・養護学校」
学校や幼稚園は看護師免許と養護教諭の資格も必要ですが、以下の教育機関・施設は看護師資格のみで勤務が可能です。
- 厚生労働省管轄で保育施設となる保育園
- 医療行為が必要となるケースもある養護学級
- 私立大学や小規模大学の一部
日勤のみで残業も少なく、日曜・祝日がお休みということから人気の職場です。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
保育園・養護学校のメリット
保育園の場合は、小児科を経験している看護師や、子育て中の看護師が採用されやすい傾向にあります。特に子どものいる看護師は保育園や養護学校を身近に感じる機会が多く、保育や教育と生活が結びついているため、ギャップが少なく長く勤められるようです。
保育園・養護学校のデメリット
日勤のみで残業が少なく、日曜祝日がお休みということで保育園や養護学校を転職先に選ぶ看護師さんは多いですが「子ども好き」というだけでは務まらないことも多いようです。保育園、養護学校ではそれぞれ以下のデメリットが挙げられます。
保育園:看護師として入職しても現場では保育士の1人としてカウントされるケースが多く、業務の大半を保育が占めるためにギャップを強く感じる看護師は少なくありません。
養護学校:教育の場であることから、学校や教諭の方針と看護師としての意見がぶつかるケースがある。
いずれも行事が多く土曜、日曜の出勤を求められる機会が多い割に、病院勤務と比べ給与がかなり下がり、休日出勤手当が低いもしくはない点などもデメリットの一つと考えられるでしょう。
保育園・養護学校へ転職する際に気を付けるべきポイント
保育園・学校に転職する際は、次の点を事前にチェックすると安心です。
- 看護師の業務内容(保育業務はどれくらいの割合を占めるのか、担任となる場合もあるのか)。
- 担任を受け持つことになった場合、早出や遅出などシフト勤務になるのかどうか。
- 残業はあるのかどうか(保護者のお迎えまで勤務する必要があるのかどうか)。
- 給与やボーナス、各種手当の額、残業代が支給されるかどうか。
- お休みが取りやすいかどうか、急なお休みにも対応してもらえるかどうか。
地域の健康を支援「保健所・保健センター」
保健所・保健センターは、自治体が設置・運営する公的機関です。共に地域住民の健康と衛生を支えることを目的とした機関で、看護師の身分は国家公務員となります。
保健所:感染症対策、アスベスト対策、放射能対策など、広域的・専門的な業務を担当。疫学調査や感染者の入院調整などを担当することもある。
保健センター:健康相談、保健指導、健康教育、健康診査など、地域住民の健康相談を中心としたサービスを提供。健康に関するアドバイスや教育などが中心で、地域住民の家庭を訪問してそれらの業務を行うこともある。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
保健所・保健センターのメリット
保健所・保健センターで働くメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 規則正しい生活が送れる。
- 福利厚生が充実しており、安定した収入がある。
- 地域住民と関われる。
実際に転職した看護師さんからは「ほぼ残業なしで定時に帰ることができる」「子育てへの理解がある」といった声が多く挙がっています。
地域住民や他の行政職員と関わることで、医療・看護という分野を超えて、視野が広がる点も魅力といえるでしょう。
保健所・保健センターのデメリット
保健所・保健センターで働くデメリットは、以下の4つが挙げられます。
- 夜勤がない分、病院勤務よりも給与が下がる。
- 相談対応が中心になるため、感情的になった地域住民からのクレーム対応を行うことがある。
- 臨床から離れるため、看護技術の向上が期待できない。
- 行政に関することやPC作業など、医療分野以外のことも勉強が必要。
看護業務にこだわりのある方や、地域住民との交流に不安がある方には、適さない職場といえるでしょう。
保健所・保健センターへ転職する際に気を付けるべきポイント
保健所・保健センターへ転職する際は、上記デメリットの他に、以下の点に注意しましょう。
- 保健師資格の保有者が有利。看護師資格のみの場合は条件が付きであることが多い。
(条件の例:訪問看護の経験が1年以上、地域福祉の経験者、在宅看護経験5年以上) - 自治体によって看護師の業務範囲はさまざま。場合によっては夜勤や残業がある場合も。
(24時間対応の救急電話相談など) - そもそも求人数が少ない
(人口10万人あたりの看護師数は全国平均で963.8人。それに対し常勤保健師数は19.8人) - 事務作業が多いため、WordやExcelといったPCの基本操作ができることが必須
参考サイト:厚生労働省「平成 27 年度地域保健・健康増進事業報告の概況」
看護師が病院以外の高収入・高給が得られる求人・転職先4選
看護師が病院以外で高収入・高給が得られる求人・転職先は主に次の4つが挙げられます。
8.高い接遇が求められる「美容クリニック」
9.社員の健康を守る「産業看護師」
10.医療知識を活かして営業サポート「クリニカルスペシャリスト」
11.経験と知識を教える「教官・教員・講師」
それぞれの求人・転職先のメリット、デメリット、転職の際に気を付けるべきポイントを詳しくご紹介しましょう。
8.高い接遇が求められる「美容クリニック」
美容医療を行う美容クリニックは、美容皮膚科と美容外科の2種類に大きく分けられます。
美容皮膚科:レーザー照射による脱毛やシミ取り、ヒアルロン酸などの注入によるしわ・たるみの改善治療。
美容外科:整形や豊胸手術、脂肪吸引などを行うため、看護師は手術時の介助などを担当。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
美容クリニックのメリット
新人看護師の研修制度が整っているクリニックが多く、必ずしも皮膚科、外科の経験者ではなくても転職できるようです。また、完全予約制のクリニックが多いため、残業がほとんどない職場でもあります。
そのため、看護師の求人の中では、美容クリニックの競争率は比較的高いといえるでしょう。
美容クリニックのデメリット
美容クリニックが行うのは、病気やけがを治す医療ではなく利用者のQOLを向上させるための美容医療を行うケースが多く、その場合は健康保険が適用とならない自由診療となります。そのため、以下の点がデメリットに挙げられます。
- 病院や一般クリニックに比べサービス業・接客業の色が濃く、患者というよりお客様として看護師でもていねいで質の高い接遇が求められる。
- クリニックの売り上げがそのまま看護師の収入に反映される給与形態を採用しているところが多い。看護師でありながら売り上げを意識しながら業務を行う姿勢が求められる。
- 集客が見込める土日祝日は営業しているクリニックが多く、シフト制勤務となる。
美容クリニックへ転職する際に気を付けるべきポイント
美容クリニックに転職する際は、先に紹介した「一般クリニックへ転職する際に気を付けるべきポイント」に加え、次の点を事前にチェックすると安心です。
- 新人看護師の教育体制、教育期間、マニュアルの有無。
- 売り上げのノルマの有無。
美容クリニックへの転職について、以下の記事で詳しくご紹介しています。
9.社員の健康を守る「産業看護師」
産業看護師は、従業員の健康を守るため企業の医務室や保健センターで、急な病気やけがを発症した従業員の応急処置はもちろん、健康管理や相談、指導、健診時のサポートなどを行います。従業員数1000人以上規模の比較的大きな企業で採用されることが多いようです。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
産業看護師のメリット
企業勤務のため一般的な会社員と同様に、日勤のみ、土日祝日はお休みという勤務形態、残業はほとんどなく有休も取りやすい、福利厚生が充実しているなどがメリットに挙げられます。企業によっては病院勤務より収入が上がる場合も。
ただし、ある程度のパソコンスキルが求められるため、MOS(マイクロソフトスペシャリスト)などの資格を取得しておくと安心です。
産業看護師のデメリット
産業看護師のデメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 採用は1人だけという場合が多いため、求人自体が少なく、産業看護師として勤務したことがある、もしくは企業の衛生管理者をしたことがあるなど経験者でなければ採用は難しい。
- 業務はデスクワークがメインとなるため、人とコミュニケーションを取りながら仕事をするのが好きな看護師さん、体を動かす業務が好きな看護師さんはストレスがたまる。
- 企業風土や雰囲気、規則、従業員の年齢層は会社ごとにさまざまなため、人によっては合う・合わないがあり、他に看護師がいない職場のため誰にも相談できずに悩む。
産業看護師へ転職する際に気を付けるべきポイント
産業看護師に転職する際は、次の点を事前にチェックすると安心です。
- 引き継ぎ期間、教育体制は十分かどうか(特に、産業看護師経験が浅い場合は重要です)。
- 看護師の業務内容(一般的な看護業務以外に、医薬品・衛生用品など備品の管理、衛生管理なども担当するのかどうかなど)。
- 医務室、健診センターの人員配置(ほかに看護師がいるかどうか、医師や保健師が常勤しているかどうかなど)。
10.医療知識を活かして営業サポート「クリニカルスペシャリスト」
看護師と同じ医療に関わる仕事でありながら、意外にも知られていないのがクリニカルスペシャリスト(クリニカルアドバイザー)という仕事。
医薬品や医療機器メーカーに所属し、自社製品を病院や医師に対して営業する仕事です。高い専門知識が必要とされるので、手術室看護師(オペ看)経験が3年以上ある人におすすめの仕事です。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
クリニカルスペシャリストのメリット
夜勤はなく、一般的な会社員と同じように土日や祝日はお休みに。医師の希望にあわせて動くので時には夜が遅くなることもあるものの、1日のスケジュールは基本的に自分で組めるのでオーバーワークになることもなさそうです。
それでいて、外資系企業などに勤務すると、看護師時代よりも年収アップとなるケースも多いようです。
クリニカルスペシャリストのデメリット
キャリアアドバイザーによると、クリニカルスペシャリストへの転職では一つ、注意したい点があるそうです。それは、医師との関係性。
医師にとって、看護師はパートナーや仲間ですが、クリニカルスペシャリストはあくまで外部の取引先となります。
自分では良かれと思って看護師時代のようにドクターへ意見した場合、その病院へ出入り禁止となったケースもあるそうです。
看護師とは立場が違うこと、医師はお客様であることをふまえ、新しい関係を築く意識が必要です。
クリニカルスペシャリストへ転職する際に気を付けるべきポイント
クリニカルスペシャリストは「医療」と「医療機器」に関する専門知識を活用し、営業職をサポートする専門職です。転職前に、以下の項目をチェックしましょう。
- 研修制度や教育体制が整っているかどうか(医療知識だけではなく医療機器の知識が求められ大勢の前でデモンストレーションを行うこともあるため)。
- 売り上げ目標やノルマの有無とその内容。
- 残業や出張の有無や頻度。
11.経験と知識を教える「教官・教員・講師」
看護学校や大学の看護学科で看護学生を指導したり、看護師向け講習で教鞭をとるなど、教官・教員・講師は看護師の経験を活かせる人気の職種です。
生徒・参加者は看護学生や看護師で、教える内容も看護師経験で培ったスキル・知識ですから、教官・教員・講師は未経験であっても病院で指導的立場であればそれほど抵抗なく勤められるでしょう。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
教官・教員・講師のメリット
看護師資格や経験を活かしながら働けるだけでなく、新しい分野を知り視野も広がります。看護師として働くのとはまた違った立場から看護業界に貢献できる仕事です。
勤務先によって収入は変わり、看護学校の教員なら看護師とほぼ同等の年収、4年制大学の看護学科で教鞭をとる場合は、看護師よりも年収面では上回ります。
教官・教員・講師のデメリット
大学の教員・教官の場合は1年ごとの契約というケースが多く、講習講師は単発の仕事となるため、長期的に安定した勤務を望んでいる場合はデメリットと感じるかもしれません。
恩師や知り合いの紹介で転職する看護師が多く、転職サイトなどに掲載される求人は少ないため競争率も激しくなります。教育分野では、ほかに病院で看護学生の実習をサポートをする仕事もあり、教官よりもハードルが低く転職しやすい職種です。
教官・教員・講師へ転職する際に気を付けるべきポイント
看護師養成学校の教官・教員・講師へ転職するためには、以下の条件を満たす必要があります。自分が当てはまるかチェックしましょう。
- 保健師、助産師または看護師として5年以上の経験があるかどうか。
- 専任教員として必要な研修を修了しているか、もしくはその研修と同等以上の学識経験を持つと認められるかどうか。
※上記に当てはまらない場合でも、保健師、助産師または看護師として専門領域の中の一つの業務に3年以上従事し、大学(もしくは大学院)で教育に関する科目を履修して卒業した場合は専任教員になることが可能。
看護師資格・経験を活かし子育てしながら自宅でできる仕事
看護師の資格や経験を活かして子育てしながら自宅でできる仕事には、どんなものがあるのでしょうか。
12.専門知識を生かした執筆業「医療・看護師ライター」
医療・看護師ライターは、医療系の知識や看護師としての経験を生かして記事を書く仕事です。記事の寄稿先は、医療系・健康系・子育てメディア、転職サイト、医療系書籍・雑誌など多岐にわたります。文章を書くことが好きであることはもちろん、人にわかりやすく伝えるための文章力が必要となります。
ライターの仕事は業務委託契約が多く、記事という成果物に対して報酬が支払われます。そのためライターとして働く人は、個人事業主であることがほとんど。時間や場所に縛られずに自由に働くことができる反面、全ての責任を自分で負う必要があります。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
医療・看護師ライターのメリット
医療・看護師ライターのメリットは、時間や場所に縛られずに自由に働くことができる点です。
自宅やカフェ、コワーキングスペースなど、パソコンとネット環境さえあれば、どこでも働くができます。例えば、子どもの習い事を観覧スペースで見学しながら、公園のベンチで子どもが遊ぶ様子を眺めながら仕事をすることも可能です。子育てと両立しやすい仕事といえるでしょう。
働く時間も自由です。昼間に用事があって仕事ができなかったときは、夜間や早朝に回すことも可能です。仕事量も自分自身で調整でき、複数の仕事をかけもちすることも可能です。
プライベートを重視したい方に適した働き方といえるでしょう。
医療・看護師ライターのデメリット
医療・看護師ライターは企業・団体に所属せず、個人事業主として働く場合が多いため、自分で仕事を獲得する必要があります。仕事のツテがない場合は、クラウドソーシングサービスなどに登録し、人脈を作ることから始める必要があります。
医療・看護師ライターのデメリットは以下の点が挙げられます。
- 医療知識や看護師の経験があっても、ライター経験のない方は初心者と同じ扱い。かけだしのライターの場合、1文字1円単位の仕事から始めることも。
- 経験を積んでも、給料は高いとは言えません。報酬の交渉や請求、確定申告も自分で行う必要がある。
- 業務量を自分で調整できるとはいえ、仕事が獲得できるタイミングや、クライアントからの依頼タイミングは予想しにくく、仕事が重なることも。
- チームで働く看護師と違って基本的には一人で働くため、孤独を感じる。
医療・看護師ライターへ転職する際に気を付けるべきポイント
医療・看護師ライターへキャリアチェンジをする際、まずは以下の手続き・準備をすませましょう。
- 個人事業主として、あらかじめ行政手続きを行う。
- 確定申告にあたって、税金面での知識を学んだり、申告書の作成に便利なツールを選定する。
- 在宅ワークに必要なオンラインサービスを契約・活用する。
- さまざまなPCソフト(Word、Excel、PowerPoint)を使いこなせるようになっておく。
- ネットリテラシーを学ぶ。
上記の手続きを行ったうえでの以下の点を押さえておきましょう。
- 給与がどれくらい下がるか、下がっても大丈夫か(福利厚生や手当などはありません)。
- 土日・休日・長期休みの急な仕事に家族の協力が得られるかどうか(仕事量や〆切期間によっては、土日・休日・長期休み関係なく働くことになります)。
- すべてを自己責任として、主体的に仕事ができるかどうか(上司・同僚はいないので責任はすべて自分ひとりが背負います)。
看護師として働ける病院以外の珍しい職場・仕事・働き方5選
看護師が病院以外で働ける珍しい職場・仕事・働き方には主に次の5つが挙げられます。
13.学校行事やイベントに同行「ツアーナース、イベントナース」
14.短期間で高収入が見込める「応援ナース、リゾートナース」
15.自衛隊病院や基地・駐屯地に勤務「自衛隊看護師」
16.行政官の専門性も必要な「看護系技官」
17.受刑者の看護にあたる「刑務所看護師」
それぞれの求人・転職先のメリット、デメリット、転職の際に気を付けるべきポイントを詳しくご紹介しましょう。
13.学校行事やイベントに同行「ツアーナース、イベントナース」
団体旅行やイベント参加者の健康管理をし、病気やけがをした場合に初期対応を行うのがツアーナース、イベントナースの仕事です。単発の仕事のため、その都度の契約となりますが、ツアーナースは宿泊を伴うケースが多いため、事前打ち合わせなども生じます。
特定の病気・けがの治療に対応する病院看護師とは違い、ツアーナースやイベントナースはどんな持病、既往症を持っている参加者にも対応しなくてはいけないので広い知識とスキルが求められます。そのため、臨床経験〇年以上、小児科経験者優遇など、応募に条件が設けられることがあります。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
ツアーナース、イベントナースのメリット
ツアーナースのメリットは主に3つあります。
- 自分の都合に合わせて仕事ができる。
- 給料をもらいながらイベント参加や旅行ができる。
- 人間関係に悩まされても数日間だけ。
ツアーナースの働き方は、数日間の単発派遣です。他の仕事との両立も可能です。次の職場を探すまでのつなぎとして働くこともできます。
ツアーナース、イベントナースのデメリット
ツアーナース、イベントナースのデメリットといえば、収入面が挙げられるでしょう。
たいてい時給ではなく日給で設定されており、相場は1日1万2000円~1万5000円。終業予定時間を過ぎてもほとんどの場合、残業代は出ません。特に、ツアーナースは早朝集合が多く、宿泊を伴うにもかかわらず給与は日給のみで、宿泊手当などは設けられていません。小学校の修学旅行などに同伴する場合などは夜の見回りや、寝られない子どものケアといった対応などもあり、時給換算するとかなり低くなる場合も。
また、ツアーやイベントは季節や天気、社会情勢に左右される場合が多く、春や秋など繁忙期は忙しくなる一方で、天気や社会情勢によって中止や延期はつきものです。そのため、収入が不安定になりやすいといえるでしょう。
ツアーナース、イベントナースへ転職する際に気を付けるべきポイント
ツアーナース、イベントナースに応募する際は、次の点を事前にチェックすると安心です。
- 事前打ち合わせが必要かどうか、その場合の交通費や時給は出るのかどうか。
- ツアーの参加者に持病がある人はいるかどうか、そのための準備が必要かどうか。
- イベントの場合、看護師の人員配置や医師待機の有無。
- 事前に救護バッグの中身が確認できるかどうか、不足品の手配はどうするのか。
- 拘束時間は最大どれくらいになるのか。
14.短期間で高収入が見込める「応援ナース、リゾートナース」
応援ナースもリゾートナースも、看護師不足の地域や医療施設に即戦力としてヘルプにいく看護師のことです。雇用形態は、数ヶ月~6ヶ月程度の有期雇用契約となります。
働く地域としては、地方の県境や離島などのへき地、北海道や沖縄といったリゾート地だけでなく、都市部の募集もあります。
人員不足になりがちな医療機関や職種にヘルプに行くため、ICUや急性期病院、夜勤専属など、業務は激務の傾向です。病院の募集が中心ではありますが、老人ホームなどの募集も見られます。
さまざまな地域や診療科で働くことができるため刺激的ではありますが、新しい環境に柔軟に対応する必要があります。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
応援ナース、リゾートナースのメリット
応援ナースとリゾートナースのメリットは、以下の通りです。
- 月給は総支給額で30万円~40万円程度が相場。都市部になれば40万円~50万円と、より高い給与が期待できる。
- 病院の直接雇用の場合は、短期とはいえ社会保険の加入も可能。
- 引っ越し代や赴任費用、宿泊先も病院側から提供。
- 残業はないケースが多く、勉強会や委員会などへの参加も不要。
- 働きながら全国さまざまな地域に住み、同じ立場で働く看護師との出会いや、旅気分が味わえる。
- 有期雇用契約のため、人間関係に長期的に悩まされない。
応援ナース、リゾートナースのデメリット
デメリットは、高給とはいえボーナスや退職金が出ないことです。6ヶ月以内の有期雇用の場合は有休も付与されず、昇給もありません。また、入職時の引っ越し代や交通費は支給されますが、退職時の引っ越し代や交通費は支給されないことが多いため注意が必要です。
もともと人が集まりにくい地域や医療施設にヘルプにいく仕事のため、勤務先がへき地であったり、人間関係が劣悪だったり、業務が忙しく大変な場合もあります。即戦力として期待されているため、指導やオリエンテーションは必要最低限しか行われません。
応援ナース、リゾートナースへ転職する際に気を付けるべきポイント
応援ナース、リゾートナースへ転職する際は、以下の点を事前に確認しておきましょう。
- 赴任先への支度金はどこまで出るのか(入職の際、交通費・引っ越し代以外に支給はあるのか、領収書の提出が必要かどうか、退職後の交通費・引っ越し代は出るのかなど)。
- 残業の有無(残業がある場合、どれくらいの時間なのか、残業代は出るのかなど)。
- 研修・教育体制の有無と内容。
上記を踏まえたうえで、以下の点に気をつけて勤務しましょう。
- 以前勤務していた病院のやり方に固執せず、入職先のやり方に柔軟に合わせる。
- 既存の看護師には、給料を明かさない。
- 応援ナース、リゾートナースを良く思わない既存の看護師もいることを覚悟する。
15.自衛隊病院や基地・駐屯地に勤務「自衛隊看護師」
自衛隊看護師は、自衛隊病院や基地・駐屯地に勤務し、自衛隊員や被災者、一般患者に対して看護業務を行う看護師です。身分は特別職国家公務員となります。
自衛隊看護師のキャリアは「自衛官」と「技官」の2通りがあります。
自衛官:自衛隊員かつ幹部候補生として育成。そのため看護業務以外にも自衛隊員として野外訓練を行う。有事には国内外の最前線に派遣され、救命活動をサポート。
技官:看護業務のみを行います。そのため訓練への参加や最前線に派遣はなく、基本的には自衛隊病院や基地・駐屯地に勤務。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
自衛隊看護師のメリット
自衛隊看護師のメリットは、以下の通りです。
自衛官、技官両方のメリット:福利厚生が充実しており、特別職国家公務員の身分になるため、公務員ならではの各種手当が支給。社会保険や退職金制度も一般的な看護師より手厚く、産休・育休の取得率も高いことが特徴。
自衛官のみのメリット:営舎内で暮らす場合は、宿舎を無料で借りられることに加え、光熱費や食事代なども支給。宿舎に入らない場合は、営外居住手当が給与に加算。
技官のみのメリット:住居手当を支給。
初任給は一般的な看護師とあまり変わりませんが、勤続年数や階級(自衛官のみ)によって昇給し、安定しています。自衛官の場合は年収が500万円を超えることもあります。
自衛隊看護師のデメリット
自衛隊看護師のデメリットは、転勤が多い点です。自衛隊病院や基地・駐屯地は全国各地にあり、どこにでも異動になる可能性があります。
基地や駐屯地に勤務する場合は日勤のみで、土日祝日休みとなりますが、病棟に配属された場合は夜勤が発生します。
さらに自衛官の場合は、他の自衛隊員と同様に厳しい訓練を行う必要があります。災害時を想定して、重い荷物を背負って長い距離を歩く歩行訓練や、ほふく前進、射撃訓練などが行われます。体力に自信がなければ務まらない仕事でしょう。
自衛隊看護師へ転職する際に気を付けるべきポイント
自衛隊看護師に転職する場合は、独特の採用基準があります。上記デメリットに加え、以下の点をチェックしておきましょう。
- 選考は、翌年4月1日入職に向けて、9~11月に募集、12月に採用試験、1月に合否発表という日程で行われる場合が多い。
- 採用試験は、口述試験と身体検査(「事務官等の採用時身体検査の基準等について(通達)」)。
- 身体検査で、不合格となる場合もある。
- 年齢制限がある(自衛隊入隊後、看護師資格を取得する場合は、採用予定月の1日現在、18歳以上33歳未満。中途採用ですでに看護師資格を取得している場合は、23歳以上36歳未満)。
16.行政官の専門性も必要な「看護系技官」
看護系技官は、国家公務員として厚生労働省に勤務し、国民全体の医療の質を向上させる仕事です。
携わる分野と職務は多岐にわたります。例えば以下のような業務があります。
- 看護師の職場環境の整備
- 看護サービスの向上に関する施策推進
- 虐待による子どもの死亡事例等を検証、施策の企画立案
- 公衆衛生上に関わる研究
- 予防接種に関する施策推進
- 労働者の安全と健康を確保するための施策推進
- 障害者医療・福祉の推進
- 高齢者医療・福祉の推進
看護の現場からは離れますが、医療・看護・福祉に関する根本的な課題解決に携わることができる仕事です。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
参考サイト:厚生労働省 「看護系技官 採用情報」
看護系技官のメリット
看護系技官のメリットは、国家公務員であるため、福利厚生が充実していることです。給料も安定しています。基本的には、日勤のみで土日祝日休みです。そのためプライベートが充実しやすい点も魅力です。
職場は厚生労働省などの公的機関であるため、医療系の職種だけではなく、さまざまな職種の人々と関わることができます。体力的な仕事よりも、頭を使う仕事が多いため、身体的な負担も軽減します。
何より現場だけでは解決の難しい問題を俯瞰し、国全体で解決を図る仕事です。そこが一番のやりがいといえるでしょう。
看護系技官のデメリット
看護系技官は、行政や政策に携わる仕事です。そのため行政に関するさまざまな知識を覚える必要があります。さらに公務員は2~3年で異動することが多いため、その度に新しい業務を覚えなければなりません。特定の分野を追求したい人にとっては、デメリットといえるでしょう。
配属先は厚生労働省内だけではなく、地方厚生局になることもあります。地方厚生局は北海道から九州まで全国にあるため、地方へ転勤する覚悟が必要です。
また、看護の現場からは離れることになります。看護技術の向上は期待できず、患者さんと向き合うこともできません。看護業務が好きな方には適さない職場といえるでしょう。
看護系技官へ転職する際に気を付けるべきポイント
看護系技官に転職する際は、医療や看護に関する問題意識とそれを解決するための意欲が必要です。かつ、ある一定の条件を満たしている必要があります。
- 一次審査は小論文。「業務経験を踏まえ厚生労働省で取り組みたいこと」を800字程度で執筆。
- 現在所属している職場の長と直属の上司から、1通ずつ推薦状を書いてもらう必要あり。
- 看護系大学を卒業、もしくは看護系大学院を修了していることが必須。
- 採用時点で、看護に関する業務経験(修士課程期間を含む)が7年以上必要。
17.受刑者の看護にあたる「刑務所看護師」
刑務所看護師は、刑務所内で受刑者に対して看護業務を行う看護師です。刑務所には「一般刑務所」と「医療刑務所」があります。
一般刑務所:身体・精神上に疾患のない受刑者が入所しており、全国各地に存在。看護内容は、体調不良やケガなどの処置、健康チェック、健康診断など、一般的なクリニックと変わりません。
医療刑務所:身体・精神上に疾患のある受刑者が入所しており、全国に4ヶ所(東京都八王子市、愛知県岡崎市、大阪府堺市、福岡県北九州市)のみ。看護内容は、注射、採血、点滴、人工透析など、病院勤務と同じような業務となり、異常行動が見られる精神的な疾患にも対応。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
刑務所看護師のメリット
刑務所看護師のメリットは、国家公務員であることです。各種手当や社会保険などが充実しています。かつ、一般刑務所に勤務する場合は、日勤のみで土日祝日休みとなるため、規則正しい生活を送ることも可能です。給料は一般的な看護師の平均より少なめではありますが、安定しています。
意外にも、患者さんとコミュニケーションを取るのが苦手な方に向いている職場です。なぜなら、刑務所看護師は、患者である受刑者と直接コミュニケーションを取ることが禁止されているからです。刑務官を介してのやり取りとなるため、淡々と看護業務に集中できます。
刑務所看護師のデメリット
刑務所看護師のデメリットは、通勤がしにくい点です。なぜなら、刑務所は比較的へき地にあることが多いからです。交通の便が悪いため、基本的にはマイカー通勤が可能で、駐車場も完備されています。ただし、雪が多い地域の場合、冬場は車通勤さえ難しくなるため注意が必要です。
医療刑務所の場合は夜勤が発生しますが、看護技術は磨かれます。一方、一般刑務所の場合は軽症患者が多いため、看護技術の向上は期待できません。
看護観やキャリア観によっては、メリットがデメリットにもなり、その逆もまたいえるでしょう。
刑務所看護師へ転職する際に気を付けるべきポイント
刑務所看護師になるために、特別な条件はありません。以下の点をあらかじめ判断し、ご自身の看護観やキャリア観と照らし合わせて選択しましょう。
- 患者さんとのコミュニケーションを重視するかどうか(淡々と看護業務をこなせる人に向いています)。
- プライベートを重視するか、看護技術の向上を目指すのか(プライベートを重視する場合は一般刑務所、看護技術の向上を目指すなら医療刑務所が適しています)。
- 国家公務員としての福利厚生を重視するか(パート職の採用もあり、その場合は国家公務員にはなりません)。
- 交通手段を確保できるかどうか(マイカー通勤が基本)。
病院以外でも看護師がやりがいを感じられる仕事・働き方3選
病院以外でも看護師がやりがいを感じられる仕事・働き方には主に次の3つがあります。
18.病院で治験者を支える「CRC(治験コーディネーター)」
19.新薬開発のデータ収集・進行管理「CRA(臨床開発モニター)」
20.産業看護師への第一歩「企業の衛生管理者」
それぞれの求人・転職先のメリット、デメリット、転職の際に気を付けるべきポイントを詳しくご紹介しましょう。
18.病院で治験者を支える「CRC(治験コーディネーター)」
新薬開発のための治験を行う医療機関で、医師や看護師、被験者となる患者さんとの間で調整役を務め、スムーズに治験が行われるようにサポートするのがCRC、治験コーディネーターの仕事です。
具体的には、治験のスケジュール管理や製薬会社やCRO(開発業務受託機関)に提出する資料の作成、被験者の方への治験内容の説明や心身両面からのケアなどが主な業務となります。特に必要な資格はありませんが、看護師や薬剤師、臨床検査技師など薬剤や医療の知識がある方が採用されやすいといえます。
中でも、医師や看護師、患者とのコミュニケーションが大切な仕事のため、慣れている元看護師さんが活躍できる職種でしょう。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
CRC(治験コーディネーター)のメリット
土日祝日のほか、ゴールデンウィーク、夏季休暇、年末年始休暇が比較的取れる職種であるためプライベートを充実させることができます。
また、治験コーディネーターは看護師よりも昇給率が高いのが特徴なので、経験を積んで看護師時代より年収アップも見込めます。
また新薬開発に携わることで、やりがいも感じられる仕事です。
CRC(治験コーディネーター)のデメリット
CRC1年目は新人扱いとなり低い給与からスタートする場合があります。また、CRCが所属するのは、治験を行う医療機関、製薬会社、SMO(治験施設支援機関)とさまざまで、外資系企業か国内企業か、また病院や企業規模によっても給与や昇給率が違うため、あらかじめ確認が必要でしょう。
CRC(治験コーディネーター)へ転職する際に気を付けるべきポイント
CRC(治験コーディネーター)へ転職する際は、以下のポイントを事前に押さえておきましょう。
- 医療機関と民間企業の違いを把握(医療機関に勤務する場合と、医療機関から治験業務を委託される民間企業SMOに勤めるパターンがあり、条件や待遇が異なる)。
- 無理のない通勤ができるかどうか(民間企業SMOに勤める場合、CRCとしてさまざまな医療機関に派遣されるため)。
- 必要なPCスキルや事務処理能力(事務作業が多いため)。
- 業務内容の把握(プロジェクトの進行管理や、さまざまな立場の人々との折衝が苦ではない人に適している)。
薬剤に関する知識は身につきますが、看護技術の向上は期待できないので、それを許容できるかも重要です。
19.新薬開発のデータ収集・進行管理「CRA(臨床開発モニター)」
医療機関の立場から治験業務にあたる治験コーディネーターに対しCRA、臨床開発モニターは製薬会社の立場から治験の進行を調査したり、適正に治験が行われているかを確認します。臨床開発モニターは治験コーディネーターと同様、看護師の転職先として人気の職種です。
CRAは、医療スタッフに治験の内容を説明したり、治験に違反がないか確認したうえで報告書を作成するのが仕事。患者さんとの関わりはありませんが、医学や薬学の知識はもちろん、英語力やプレゼンテーション能力、折衝能力といったビジネススキルを身に着ける必要があります。
社会人として成長したい人にとって、多くの経験ができる職場だといえるでしょう。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
CRA(臨床開発モニター)のメリット
CRCと同様に、基本は土日祝日のほか、ゴールデンウィーク、夏季休暇、年末年始休暇が比較的取れる職種であるため看護師に人気の職種の一つです。
転職直後は新人扱いとなるため、看護師時代より低い給与でスタートしますが、昇給率は高いので短期間の年収アップが期待できます。
患者さんと直接接する機会はありませんが、看護師の知識を活かして新薬開発に携わることができ達成感が感じられる仕事です。
CRA(臨床開発モニター)のデメリット
報告書をはじめとする書類作成が多いので、看護師としての勤務経験しかない人にとっては手こずることもあるかもしれません。 また、プロジェクトの開始と終了時には残業が多く、出張や病院間の移動もしばしば。看護師とはまた違った種類の忙しさがありそうです。被験者である患者さんとは接することはないので、患者さんとの関わりを求める人には物足りなさを感じることもありそうです。
CRA(臨床開発モニター)へ転職する際に気を付けるべきポイント
CRA(臨床開発モニター)に転職する際に気を付けるべきポイントは、CRC(治験コーディネーター)と共通する点が多く、以下が挙げられます。
- 遠方への通勤や出張の頻度(全国各地のさまざまな医療機関で治験を行っているため)。
- プロジェクト開始時や終了時の残業時間
- 必要なPCスキルや事務処理能力、英語力(事務作業が多く、英語の書類を扱うことも多いため)。
- 業務内容の把握(適切に治験が行われているか治験を担当する医師を中立的に監視、さまざまな立場のスタッフとの折衝など)。
薬剤に関する知識は身につきますが、看護技術の向上は期待できない点もCRCと共通しています。
20.産業看護師への第一歩「企業の衛生管理者」
産業医と連携し、事業場の保健活動にあたり衛生全般を管理するのが衛生管理者です。
労働条件や環境の衛生的な改善をはかり、疾病を予防するため、50人以上の労働者がいる事業場に1人以上の衛生管理者を配置する必要があります。また、他の事業所と兼任はできないことから需要の高い職種です。
大卒または高等専門学校卒の看護師・准看護師なら1年以上、高卒の看護師・准看護師なら3年以上の実務経験があれば、労働衛生の実務に従事したとみなされ、衛生管理者免許の受験資格を得ることが可能。
企業に属する産業看護師として働く場合、衛生管理者の資格を持っていれば採用に有利に働くことも。病気になるのを未然に防ぐこともできる、やりがいのある仕事だといえるでしょう。
平均給与 | 求人数 |
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(ミライトーチMedia看護師調べ)
企業の衛生管理者のメリット
衛生管理者は、看護師ならではの資格ではありません。ある一定の条件を満たした人であれば、看護師の資格を持っていなくても衛生管理者の試験を受けることができます。一般的には、企業の営業所の所長や総務部で労働衛生業務に携わっている社員が資格の取得を目指す場合が多いようです。
そんな中で、看護師が衛生管理者の資格を取得し就業するメリットは、産業看護師として転職する場合に有利に働く点が挙げられるでしょう。産業看護師は経験者が優遇されますが、衛生管理者の経験は高く評価されるからです。労働者のメンタルヘルスや健康管理、予防医療に興味のある方にも適しています。
また、一定の規模を有する企業の場合、衛生管理者を置く義務があるため、転職する際に資格が有利に働きます。定年後の再雇用も多いため、長期的に働くことができる仕事といえるでしょう。
企業の衛生管理者のデメリット
衛生管理者としての業務だけではなく、他の業務も兼任する場合が多いと言われています。その業務だけに集中したいという方には、デメリットといえるでしょう。もちろん医療現場からは離れるため、看護技術の向上は期待できません。
企業によっては、日勤だけでなく、シフト制で夜勤が発生する場合もあります。福利厚生や給料も、各企業によってさまざまです。残業が常態化していないかなど、社風や職場環境が自分の希望にマッチしているのかを見極める必要があるでしょう。
企業の衛生管理者へ転職する際に気を付けるべきポイント
- 衛生管理者の仕事と他の業務の割合(他の業務と兼任する場合が多いため)。
- 夜勤の有無(シフト制の場合、夜勤が発生する企業もあるため)。
- 残業の有無や給料、福利厚生(勤務先によって条件・社風はさまざまなため)
- 必要なPCスキルや事務処理能力(事務作業が多いため)。
- 取得資格と業種が合致しているかどうか(第一種衛生管理者と第二種衛生管理者では、就くことができる業種の範囲が異なる)。
他職種への転職について、以下の記事で詳しくご紹介しています。
看護師が病院以外の職場・職種へ転職する際の注意点、リスク5つ
看護師が病院以外の職場・職種へ転職する際、注意する点やリスクはどんなものがあるのでしょうか。主に次の5つが挙げられます。
注意点1. 求人数の少なさと転職の難しさ(履歴書、職務経歴書、面接)
注意点2.給料・年収は下がるケースが多数
注意点3.医療・看護以外の仕事が増える
注意点4.病院ほど消耗品・医療器具が使えない
注意点5.上司・同僚が医療従事者ではないことも
注意点1. 求人数の少なさと転職の難しさ(履歴書、職務経歴書、面接)
病院以外で看護師として働く場合、求人が多い職場・職種と少ない職場・職種で二極化します。
老人ホーム・介護施設や、訪問看護師、一般クリニックの求人は多く、ミライトーチMedia看護師で行った病院以外へ転職した看護師さんのアンケート結果でも転職先の1位~3位を独占しています。
一方、病院以外へ転職したい看護師さんに人気の美容クリニックや保育園、産業看護師に実際転職した看護師さんは少ない結果となりました。
これは、求人の少なさと正比例しており、看護師専門転職サイトが公開している求人数を比較したところ以下の結果となりました。
【主な看護師転職サイトの職場別求人割合】
美容クリニック | 全体の1%前後 |
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産業看護師 | 全体の1~2% |
保育園・学校 | 全体の3~5% |
訪問看護ステーション | 全体の10%前後 |
一般クリニック | 全体の10~20% |
老人ホーム・介護施設 | 全体の30~40% |
(ミライトーチMedia看護師調べ)
特に人気かつ求人の少ない産業看護師や保育園・学校の場合は、企業や教育現場となるため、履歴書や職務経歴書、面接で採用側に注目されるポイントが異なり、社会人として保育・教育者としての知識や資質も求められます。
特に産業看護師の転職活動は一般的な病院への転職とは違い、内定までに面接が複数回あったり筆記試験が課されるなど期間も長くなることが予想されます。同じく企業勤務となるクリニカルスペシャリストや治験コーディネーター、臨床開発モニター、衛生管理者も同様です。
そのため、なかなか決まらないことで転職活動を続ける自信がなくなり、あきらめてしまう看護師さんも少なくありません。
注意点2.給料・年収は下がるケースが多数
看護師の平均年収は、正看護師や約480万円、准看護師は約400万円となっています (参考サイト:厚生労働省「賃金後続基本統計調査 2019」)。
それと比較して、主な病院以外の看護師の年収相場は次の通りです。
【主な病院以外の施設に勤務する看護師の年収相場】
老人ホーム・介護施設 | 300万円台前半~400万円台前半 |
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訪問看護ステーション | 300万円台後半~400万円台半ば |
一般クリニック | 300万円台後半~400万円台半ば |
美容クリニック | 400万円台前半~400万円台後半 |
健診・検診センター | 300万円台前半~400万円台半ば |
保育園・学校 | 200万円台半ば~300万円台半ば |
産業看護師 | 300万円台前半~500万円台後半 |
(参考サイト:厚生労働省「賃金後続基本統計調査 2019」)
病院の正看護師の平均年収と比較した場合、美容クリニック・産業看護師の高い年収の場合のみ同じくらいの収入となり、それ以外の職種ではほとんどのケースで年収が下がることがわかります。
特に保育園の場合は、保育士の年収自体が低く設定されているため看護師採用でも年収はほぼ同じとなるため、場合によっては収入が半減してしまうことも。
病院以外へ転職する場合、減収はどれくらいまで許容できるかあらかじめ範囲を決めておくことで、転職後に「やっぱり生活できなかった」という後悔とはならないでしょう。
注意点3.医療・看護以外の仕事が増える
日勤のみで土日祝日もお休みという勤務形態なら、病院勤務より楽になるだろう…そう思って病院以外の施設へ転職する看護師は少なくありません。しかし、病院以外の職場では、看護師の人数が少ない場合が多く、実は負担や責任が大きくなるケースがほとんどです。
例えば、代わりの看護師がいないためお休みが取りにくい(クリニック、健診・検診センターなど)、患者や利用者が多く身体的負担の大きい介護業務が増える(老人ホーム・介護施設、デイケア・デイサービスなど)、保育者・教育者のひとりとして保護者との関わりが多い(保育園・養護学校など)、患者からのクレーム対応が多い(美容クリニック、保健所・保健センターなど)があります。
転職先の仕事内容や看護以外の業務、利用者・患者の数に対する人員配置なども理解したうえで転職活動を進めましょう。
注意点4.病院ほど消耗品・医療器具が使えない
キャリアアドバイザーによると、病院以外へ転職した看護師さんが再び病院看護師に戻るケースは、多くの場合、そのギャップに対応できないからだそうです。
例えば、以下の場合に看護師は強くギャップを感じるようです。
- 処置の仕方が違う。
- 必要な医療器具や消耗品がない、もしくは不足している。
- 清潔不潔のガイドラインが曖昧。
- 医療資格のない上司が間違った指示をする。
- 古いローカルルールで業務が回っている。
- 新しい看護知識や技術を学ぶ場がない。 など
それらを「許容できない」と拒絶したり、「仕方がない」とあきらめてしまうのか、それとも改善のために受け入れてもらえる提案を考えるのかによって、病院以外へ転職する意味や満足度は大きく変わってくるでしょう。
注意点5.上司・同僚が医療従事者ではないことも
病院での同僚といえば看護師となりますが、病院以外の施設では介護士やケアマネジャー、保育士、教師、自治体や企業の健診担当者など、看護師以外のスタッフと連携して業務を進めることが多くなります。
病院以外へ転職する場合、そういったスタッフとの人間関係を心配する看護師さんが多く、実際、うまくコミュニケーションがとれずに悩む方も少なくありません。キャリアアドバイザーによると、そうなってしまう原因の一つに、看護師さんが悪気なく口にしてしまうNGワードがあるそうです。
それは、「病院では〇〇だった」の一言。
病院以外の場所で病院のルールを振りかざしても意味はなく、言われた側は必ずしも好意的には受け取らないからです。
相手の立場や業務内容を理解し、それぞれの専門を学び合いながら協力する姿勢がうまく付き合うコツといえるでしょう。
病院以外の転職には転職エージェントが役立つ2つの理由
看護師が病院以外へ転職する場合、転職エージェントを利用することで転職活動がとてもスムーズに運びます。その理由は主に次の2つとなります。
理由1.転職先の採用傾向が事前にわかる
転職エージェントは、転職先の内部情報に精通しているため、転職先の採用傾向が事前にわかります。採用ホームページ上だけではわからない人間関係や、採用担当者に気に入られる人物像なども把握しています。
不明点がある場合、間に入って転職先に確認をしてもらうこともできます。残業の有無や有休のとりやすさ、同僚の年齢層、教育・研修の充実度、昇給の有無、担当する患者数の目安など、細かすぎるかなというくらい質問をして構いません。
受動的に情報を受け取るだけではなく、キャリアアドバイザーを通して積極的に情報収集を行い、転職後のミスマッチを防ぎましょう。
理由2.履歴書添削や面接対策で自己PRの仕方を教えてもらえる
転職エージェントは、転職先の求める人物像に合わせて履歴書添削や面接対策を行ってくれます。
例えば、主体的に動く看護師が好まれる職場と、逆に疎まれる職場があり、それは転職先の採用担当者に本音を聞かなければわからないことです。転職エージェントは実際に採用担当者と会ってコミュニケーションを取っているため、採用担当者に気に入られるための対策が可能となるのです。過去に面接を受けた看護師から、どのような質問を聞かれたのか確認もしています。
直接応募では得られないメリットといえるでしょう。
病院以外の転職に複数登録は常識! おすすめ看護師転職サイト3選
看護師として病院以外の職場で働くなら、まずは看護師転職サイトに複数登録し情報収集や求人紹介を受けましょう。ここでは、複数登録におすすめの転職サイト3つをご紹介します。
看護roo!:都市部に強く求人全体の4割が介護施設
- 初めて転職する人でも徹底的にサポート
- 高給与・好条件求人が多い
- 1人のキャリアアドバイザーが看護師と転職先の双方を担当する一気通貫制
- 事業所は大都市の3拠点
レバウェル看護(旧 看護のお仕事):全国対応で保育園・学校の求人に強い
- 仕事と家庭を両立したい人
- ブランクがある・臨床経験が少ないなどでスキルに不安がある人
- 入職から1年未満の早期離職をする新人看護師
マイナビ看護師:一般も美容もクリニックの求人が充実
- 対面での面談でじっくり相談ができる環境が整っている
- 病院などの職場の内部事情に詳しく、転職後のミスマッチを防げる
- マイナビブランドを活かし、企業や美容クリニックなどの人気求人も保有
経験を活かして看護師以外の他職種へ!おすすめ総合転職サイト3選
看護師の経験を活かして他職種で働くなら、総合転職サイトの転職サポートサービスを利用しましょう。保有求人が多く、看護師のキャリアを活かした求人を豊富にそろえるおすすめの総合転職エージェントを3つご紹介します。
リクルートエージェント:9割の求人が正社員採用
安定した正社員として働きたい場合、約9割の求人が正社員採用であるリクルートエージェントがおすすめです。使いやすさやサポートの質など、ユーザー満足度の高いサイトです。
求人数も公開求人数だけで9万件と非常に多く、幅広い選択肢から転職先を選ぶことができます。
doda:非公開含め求人数は10万件
doda(デューダ)が他の総合転職サイトと違う点は、以下の2通りの利用方法から選べる点です。
- 公開求人の中から自分で探して応募する求人サイトとしての利用
- 専属の担当者に求人を紹介してもらうエージェントサービスとしての利用
自分に合った方法で活用しましょう。
掲載されている求人案件は約100,000件(2021年10月4日現在)と十分豊富なものの、無料のエージェントサービスに登録すると、紹介可能求人数はぐんとアップ! 非公開求人を含めて約13万6000件の求人から自分に合った仕事が紹介してもらえます。
マイナビ:100種類以上の求人職種
医療業界にこだわらずに転職先を探すなら、総合転職サイトがおすすめ。日本最大級の転職サイトであるマイナビ転職に掲載されている求人職種はなんと100種類以上と幅広いうえ、職種未経験や業種未経験OKの求人も多数。
大手や優良企業の求人情報が多いのも特長です。マイナビ転職だけに掲載されている求人も多いので、たくさんの情報が欲しいなら押さえておきたいところ。
また、全国各地で「マイナビ転職フェア」という合同企業説明会を開催。採用担当者と会って話せるほか、セミナーや相談コーナーも。転職活動のノウハウを得ることができますよ。
海外の求人情報も多いので、グローバル転職を目指す人も注目です。
【新卒の看護師向け】いきなり病院以外への就職はおすすめしない
看護師の新卒・新人は、病院以外の就職はおすすめしません。
大規模な病院の多くは、看護師一人につき先輩の看護師がつく「プリセプター制度」を採用しており、教育制度が整っています。
一方、病院以外の小さなクリニックなどは、看護師の人数が限られています。このため、教育制度が十分に整っていなかったり、即戦力となる人材を求めているところが多く、「看護師経験3年以上」などの条件をつけている求人が多いためです。
就職したい理由や事情にもよりますが、特段事情がなければ、まずは総合病院などへ就職し、「看護師のいろは」を学んでから転職することをおすすめします。
もし、病棟看護師に戻りたくなったら…
病院以外へ転職後、病院へ再転職する看護師は少なくありません。その理由としては主に次の5つが挙げられるでしょう。
- 予想以上に収入が下がり生活できなくなったため。
- 仕事にやりがいや達成感が感じられなかったため。
- 看護師としてのスキルダウンを不安に感じたため。
- 看護業務以外の仕事を負担に感じたため。
- ほかのスタッフとうまくコミュニケーションが取れなかったため。
では、いったん病院以外に転職した後、病院へ復帰することは可能なのでしょうか?
病院の採用担当者の中には「クリニックや介護施設など病院以外へ勤務した経歴は、看護師のキャリアには含みません」と断言する方もいます。つまり、病院以外への勤務歴はスキルアップにはつながりにくいため、以前勤務していた病院と同等、もしくはそれ以上のところへの転職は難しいといえるでしょう。
ただし、看護師として働き続けていた点は評価されるので、病院への転職自体には問題ありません。裏を返せば、いつか病院へ再転職する可能性があるのであれば、クリニカルスペシャリストやCRC、CRAなどの他職種への転職を安易に選ばないほうがいいといえます。
病院以外への転職、口コミでわかる人気の職場と不安
病院以外へ転職したい看護師は、どんな職場を希望し、どんな不安を抱えているのでしょうか。実際に病院以外へ転職した看護師さんの口コミをご紹介しましょう。
まとめ
結婚や出産、育児などライフステージの変化によって夜勤や残業、シフト勤務が厳しくなった場合、看護師さんには2つの選択肢があります。病院以外の職場で看護師を続けるか、他職種へ転職するかです。前者を選んだ看護師さんに共通するのが、「看護師という仕事が好き」という気持ちです。それは、病院以外へ転職した看護師さんの6割以上が「満足している」と答えたアンケート結果にも表れているでしょう。
病院以外で看護師を続けたり他職種への転職は、病院勤務を続けるより難しく大変な場合もあります。転職を後悔しないためにも、転職サイトのキャリアアドバイザーさんの力などを借りつつ、病院以外の職場や業務内容、人員配置、給与などの情報収集を十分行いましょう。
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確かに病棟ほどの負担はないですが、拘束時間は意外に長いです。午前・午後に診療が分かれ、休憩を2、3時間くらい設けている病院が多く、結局帰宅できるのが夜の8時、9時になったりします。土曜日に診察をやってるクリニックの場合、実質の休みは日曜、祝日のみなので、休みが少ないと感じる看護師さんは多いです。
そもそもクリニックの求人自体が少ないので、病院以外の職場のデメリットなどしっかり伝え、そのうえで転職先に合わせて対策やサポートをしています。