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看護師がクリニックに転職するには?お金、仕事内容、福利厚生と転職対策

看護師転職クリニック

「クリニックの仕事は病院より楽そう…」
「夜勤のないクリニックへ転職したい…」

そう思う看護師さんが多いようですが、メリットがある一方でデメリットも存在します。

クリニックで看護師が働くメリット

  • 夜勤がない
  • 休みが固定できる
  • 患者さんに寄り添った看護ができる

クリニックで看護師が働くデメリット

  • 給料が低く福利厚生が十分ではない
  • 出勤日数が多い・拘束時間が長い
  • 消耗品が足りない・医療機器が少ない

クリニックは、求人数が少ないにもかかわらず、志望する看護師が多い人気求人であり、特有の転職事情を押さえて転職活動をする必要があります。しかし、転職には一定の経験が重視されたり、病院とは異なる仕事内容にギャップを感じたり、必ずしもメリットばかりではありません。

この記事では、クリニックで働く看護師の仕事、給料、福利厚生を詳しく紹介。クリニックへ転職する際の注意点も、転職のプロ・キャリアアドバイザーのアドバイスを交えお伝えします

クリニック転職におすすめの転職サイト3選

 
おすすめの看護師転職サイト3選
順位 転職サイト名 総合満足度
1 看護roo!ロゴ 看護roo!
4.66
2 レバウェル看護のロゴ レバウェル看護
(旧 看護のお仕事)
4.40
3 ナース専科 転職ロゴ ナース専科 転職(※旧ナース人材バンク)
4.2

※当サイトは口コミの一部を掲載しています。

クリニックで働く看護師の仕事や働き方

クリニックで働く看護師さんはどんな仕事や働き方をしているのでしょうか?仕事内容や1日のタイムスケジュール、病院との違いをご紹介します。

一般的なクリニックの仕事内容

一般的なクリニックの仕事内容は主に以下の通りです。

  • 診療の介助・補助
  • 院内清掃
  • 医療器具類の滅菌作業
  • 綿球作り
  • 物品・薬品の補充・在庫管理・発注
  • レセプトの作成・管理
  • カルテの整理

クリニックで勤務する看護師の主な業務は、医師の補助作業です。看護師が問診やバイタルチェックを行った後、医師の指示に基づいて検査や点滴、採血を行い、カルテに記入します。病棟勤務を経験した看護師にとっては、クリニックでの看護業務は難しいものではないようです。

しかし、クリニックで看護師が担当する業務は多岐に渡ります。病院では研修医をはじめとする他職種のスタッフがやっていた仕事を、クリニックでは看護師が担当することも。使用物品の洗濯や消毒、在庫管理、掃除に限らず、受付業務や電話応対の補助を行うこともあるようです。

看護師の口コミ
病院では他のスタッフがしていた雑用も看護師が担当
(42歳・女性看護師 500床以上の市立病院外科病棟から、循環器内科クリニックに転職)
病院と比べると、確かに雑用はとても多いと思います。誰かがやってくれていたことが、クリニックではすべて自分の責任になりますから、責任も重大です。しかし、細かい看護記録など書く必要もありませんし、患者さんへのケアも外来時のみなのでとてもあっさりしています。基本的に元気な方が多いので、気分的に明るく仕事ができます。
清掃や物品管理、書類作成など雑務が増加
(29歳・女性看護師 中規模の大学病院のICU・放射線科から、内科クリニックに転職)
クリニックは看護業務以外にも、院内の清掃や物品・薬品管理、書類の作成・管理など、病院では他職種がしていたことも行います

クリニックの1日のタイムスケジュール

一般的なクリニックの1日のスケジュールは以下の通りです。

8:30頃 出勤
8:30~9:00 ミーティング、予約確認、清掃、物品の補充、器具の消毒
9:00~12:00 午前診療(問診、診療の介助・補助)
12:00~15:00 午前診療のカルテ整理、清掃、物品の補充・発注、器具の消毒などを終え、昼休憩
15:00~18:00 午後診療(午前診療と同じ)
18:00~18:30 午後診療のカルテ整理、清掃、物品の補充・発注、器具の消毒
18:30頃 退勤

クリニックには、午前診療が終わってから午後診療が始まるまでに「中抜け」と呼ばれる休憩時間があるのが特徴。クリニックによって異なりますが、2~4時間ほどの空き時間があるようです。

診察がずれ込んだり、清掃や物品の補充といった業務もあるため、診療の合間がすべて休憩時間になるわけではありませんが、病院と比較すると休憩時間に余裕があります。昼食をとるだけではなく、勉強時間にあてたり、いったん帰宅して家事をすませるママ看護師もいるようです。

朝が早い透析クリニックと健診クリニック

一般的なクリニックと比較すると、透析クリニックや健診クリニックには以下の3つの特徴があります。

  • 診療開始の時間が早い。クリニックによって違いはあるものの平均して1時間ほど早く、その分看護師の出勤も早く、7時半~8時には職場に到着して業務の準備にあたっている。
  • 午前と午後を通しで診療しているクリニックが多い。そのため、看護師は交代で休憩を取る。
  • 診療開始時間が早いぶん業務が終了するのも早く、夕方には退勤できることが多い。

クリニックでも専門によっては勤務時間帯や休憩の取り方が大きく違うようです。

美容クリニックはショップ店員のような勤務形態

美容クリニックの場合、他の一般的なクリニックと勤務形態が大きく異なります。主な違いは次の3つがあります。

  • 土日祝日も診療を行っている美容クリニックが多く、一般的なクリニックのように勤務日やお休みが固定ではなくシフト制
  • 診療開始の時間が遅く、診療終了時間も遅いのが特徴。午前10~11時に診療を開始し、退勤は20時を過ぎるころ。
  • 午前と午後を通して診療するため、一般的なクリニックのように中抜けの時間はなく、担当患者の予約が入っていない時間に交代で休憩を取る。

保険適用外の診療が多く医療よりサービス業という側面が強い美容クリニックでは、看護師の勤務形態もショップ店員に近いところがあります。

美容クリニックに関しては、以下の記事で詳しく紹介しています。

病院、特に病棟とクリニックの看護師の仕事内容を比較すると、クリニックのほうが肉体的にも精神的にも負担が少ないのが特徴です。病院とは違って比較的病状が軽い患者さんが多く、人の生死にかかわる機会もほとんどないため、看護師の心の負担も軽くなります。診療時間が決まっているため、残業が少ないのも特徴です。

病院勤務と比べるとプレッシャーは減るものの、業務の幅は広がって看護業務以外のサポート業務が増加します。また、クリニックではスタッフの数が少ないため、急に休みを取った看護師がいると業務量が増えることも。

午前の診療が終わると長い昼休みに入るため、残業は少ないものの拘束時間は長いのも特徴です。研修制度や委員会、勉強会がないクリニックも多く、スキルアップのためには自ら学ぶ機会を作ることが必要です。

看護師の口コミ
お休みした看護師の分を残業でカバー
(29歳・女性看護師 大学病院の小児集中治療室から、小児科クリニックに転職)
一緒に働いている看護師が急に休みになった時にその分の仕事内容が増えることがありました。その時は残業もあったりと体力的には大変です。また、固定のお休みがあるため、有休休暇の希望は出しにくく、希望が通らないことも多々ありました。
研究や新人指導などなく負担が軽減
(36歳・女性看護師 病院の循環器内科から、小児科クリニックに転職)
病院では、看護研究に新人への指導、学生指導や会議にとさまざまな役割を仕事以外にも担わなければならずとても負担でした。クリニックではそのような負担がなく、仕事が終われば終わりですし、やり忘れる仕事も少なくてすみ、私には合っていました。
不十分な教育体制で転職失敗と思うことも
(36歳・女性看護師 300床程度の大学病院の外科病棟から、訪問看護クリニックに転職)
仕事内容は気に入っていますが、規模が小さいので教育体制が整っていないことが残念でした。常にアンテナをはって、自分の看護観や技術レベルを保つのが大変です。時々この転職は失敗だったのかと思う時もあります。大学病院は教育がとてもしっかりしていたので、余計感じるのかもしれません。

開業したてのクリニックや立ち上げ(オープニングスタッフ)での看護師の仕事は?

オープニングスタッフのメリットはやりがいや入職しやすさ

欠員補充の求人とは違い、クリニック立ち上げのオープニングスタッフは一度に複数名を採用するため入職しやすいのが魅力的。入職のタイミングが全員同時になるのも、人間関係を構築していくうえでのメリットになりそうです。

オープニングスタッフとして勤務する場合、開業前にマニュアルの作成やクリニックの内装にかかわることも。クリニック立ち上げに関する業務はやりがいが感じられそうです。

オープニングスタッフのデメリットはマニュアルや制度が不十分なこと

その一方、ルールやマニュアルが整備されていないことをデメリットとして感じる人も。運営や経営が軌道に乗るまでは苦労したという経験談も寄せられました。研修や教育制度が整っていないことも多いため、スキルに不安のある看護師には不向きかもしれません。

看護師の口コミ
研修体制が確立しておらず不安
(25歳・男性看護師 老人ホームやデイサービスから皮膚科クリニックに転職)
クリニックでの勤務が始まる前の研修では多少効率の悪さなどを感じましたが、前にあったクリニックから引き継ぎで入ってきたスタッフもいたため、いろいろと教えてもらい助かりました。しかし、しっかりとした研修体制などが確立しておらず不安だったので、そこはもう少し整えてほしかったです。
設備の説明を技術者から直接受けられる
(33歳・女性看護師 総合病院血液腫瘍内科から、内科・小児科クリニックに転職)
設備面では技術者から機材の使用方法などを詳しく丁寧に教えてもらえるため、クリニックの立ち上げにかかわるスタッフは得だと思います。
開業当初はトラブルが続きスタッフを配置替え
(37歳・女性看護師 総合病院の消化器外科から、内科・小児科クリニックに転職)
開業前にシュミレーションを何度も行いましたが、実際にオープンしてからマイナートラブルがあり、役職のついた職員を多くそのフロアに常駐することにしていました。流れが落ち着いてきてから、全体的に交代で業務をするようになりました。
運営方針が定まらず専門以外の検査や処置が増加
(40歳・女性看護師 総合病院の内科から、36歳、内科・皮膚科クリニックに転職)
院長のクリニック運営の方向性が定まっておらず、手当たり次第に患者様を受け入れてしまったため、当初掲げていた診療科以外の患者様が増加。予定していた仕事内容以上に検査や処置などの業務が増えました。また、看護業務以外の書類整理やその他雑務が多く当初の話と大分違うなとしこりが残りました

クリニックで働く看護師の給料・年収事情

クリニックで働く看護師さんの給料や年収はいくらくらいなのでしょうか。一般的に、病院勤務の看護師より収入は下がると言われていますが、どれくらい下がるのか、収入減で不便はないのかなどご紹介します。

クリニックの手取り給料と平均年収

看護師の年収

病院とクリニックの看護師の平均月給と平均年収は次の通りです。

平均月給 平均年収
病院勤務 約33万円 約483万円
クリニック(小規模診療所)勤務 約25万円 約300万~400万円

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より

上記の通り、クリニック勤務の看護師は病院勤務の看護師よりも収入がダウンします。その理由は、クリニック勤務は外来対応が中心のため夜勤がなく、残業が少ないから。夜勤手当や残業代がなくなる分、収入が減るというわけです。夜勤をこなしてきた看護師の場合、クリニックに転職すると年収が100万円ほど下がることも

しかし、保険診療外の美容クリニックなら病院勤務時よりも基本給がアップするケースもあります。さらに、売り上げによってはインセンティブがもらえることもあるので、なくなった夜勤手当分がまかなえるかもしれませんね。

キャリアアドバイザーのコメント
(20代・女性 看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー)
クリニックへ転職で年収100万円もダウン
看護師歴3年未満は、病院とクリニックでもそれほど給料が変わりません。新人は夜勤にまだ入られないことが多いためで、その期間に病院からクリニックへ転職した看護師は給料が下がったとは感じないでしょう。
ただし、3年目以降で夜勤をバリバリやっていた看護師さんだと年収が100万円は下がります。病院に居続ける限り順当に給料は上がり続けますが、クリニックの場合は昇給率が低く、平均年収は首都圏でも370万円から380万円程度です。
看護師の口コミ
月収10万円下がり今まで通りの生活ができない
(30歳・女性看護師 大学病院の内分泌内科から、糖尿病専門クリニックに転職)
病棟から転職した場合、お給料は月収で10万円以上は下がることが多いようです。私も月10万円の収入減となり、最初はかなり戸惑いました。給料が大幅に減収しますので、今まで通りの生活はできないと思ってください。
美容クリニックは月給高めだがボーナスなしのところも
(29歳・女性看護師 小規模病院の内科病棟から、美容外科クリニックに転職)
美容外科や皮膚科クリニックは月給が病棟よりも良いですが、ボーナスを支給されるところはあまりないようです。万が一あったとしてもその分もちろん忙しいです。クリニックによってはインセンティブ(報奨金)があるので、年収は同じくらいか少し病棟より低いくらいだと思います。なのでボーナスが欲しいという方にとってはデメリットに感じるかもしれません。
減収を補うために複数の職場をかけもち
(42歳・女性看護師 500床以上の市立病院外科病棟から、整形外科クリニックに転職)
収入面でもかなり減額されるため、複数の職場を掛け持ちしている看護師もいるようです。

病院より低い? クリニックのボーナスの相場

求人情報を確認したところ、クリニックのボーナス額はさまざま。基本給の数ヶ月分を賞与とする規定を設けているところもあれば、賞与額は別途としていたり、なかにはボーナス自体がないクリニックも。求人情報を確認したところ、ボーナスがあるクリニックの相場は、基本給の1~3ヶ月分を賞与として支給することが多いようです。

一方、国公立病院機構や大学病院などでは、あらかじめ年〇回、〇ヶ月といったボーナス支給の規定が設けられている場合がほとんどで、求人票にも明記されています。

クリニックと病院を比較すると、ボーナスの額で言えば病院に軍配が上がります。そのため、基本給が病院より高いからと転職しても、年収では下がるケースが多いのです。

キャリアアドバイザーのコメント
(20代・女性 看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー)
ボーナスがないクリニックもあるので事前確認を
クリニックでも、ボーナスを出すところは案外多く、たいてい基本給の2ヶ月とかで年に1~3回です。ただし、ボーナスがないところもあるので事前に確認が必要です。

クリニックを辞めたら退職金はもらえる?

クリニックでは退職金の支給があるのでしょうか?

大学病院をはじめとする総合病院では退職金制度を設けているところがほとんど。求人票には退職金の額までは記載されていませんが、退職金支給の規定が定められており、〇ヶ月以上勤務などの条件に応じて支給されます。

一方クリニックでは、ボーナス同様に退職金の有無もさまざま。退職金があるクリニックもあれば、支給されないところもあるようです。キャリアアドバイザーによると退職金が支給されるクリニックは、3、4割と少数派。退職金制度があっても、求人票に明記しているクリニックは少ないようです。

キャリアアドバイザーのコメント
(20代・女性 看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー)
退職金の支給は院長の気分や経営の情勢次第
クリニックの6割~7割は退職金がないと思います。一昔前だと、退職金がないことに驚く看護師さんもいらっしゃいましたが、最近の利用者はあらかじめ情報を収集しているので、退職金なしを知ったうえで希望している印象です。
総合病院は9割以上が退職金制度を備えており、まったく支給がないところはないのではないかと思います。でも、クリニックでは中小企業退職金共済制度の利用で退職金を捻出するところもありますが、院長の気分やその時の情勢などで変わってしまうケースがほとんどです。

クリニックで働く看護師のお休みと福利厚生

クリニックで働く看護師は休みが取りやすいのか、年間どれくらい休みが取れるのか、健康保険や年金などの福利厚生はどうなっているのかなどご紹介しましょう。

クリニック勤務の休暇日数や休みの取りやすさ

クリニックに勤務する看護師の年間休日は110~130日。日曜や祝日は休診、土曜日は午後休診と、多くのクリニックの休診日は固定されています。なかには、平日にも休診日を設けるクリニックもあるので、平日に4日、土曜日に半日だけ勤務というパターンもあります。

病院勤務と比べると休日が多いように感じますが、休診日以外の休みは取りづらい面が。クリニックでは看護師の数も絞られており、診療日に休みを取るとほかの看護師にしわ寄せがいくことから、有給休暇や長期休暇がなかなか取得できないようです。

キャリアアドバイザーのコメント
(20代・女性 看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー)
お休みが固定されているため有休がとりづらい
一般的なクリニックのお休みは、水曜午後や土曜午後、日祝など固定されています。平日に丸1日お休みとなっているところや、土曜午後休診のクリニックが看護師さんには人気です。ただし、休日が固定されている分、それ以外のお休みの希望を言いづらく、有給休暇は制度上あってもなかなか取るのが難しいようです。

病院とクリニックで福利厚生を比較

クリニックへ転職するなら、お給料だけではなく福利厚生にも注目したいところ。しかし、病院と違って、クリニックには社会保険以外の福利厚生がほとんどないのが特徴です。

一般的なクリニックの求人情報を確認したところ、交通費はほとんどの場合支給されますが、福利厚生の欄には、雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険の4つだけというケースがほとんどです。制服貸与すら記載されていないクリニックも多く、看護師が自分で制服を用意しなければならないことも。

国公立病院や大学病院では、産前産後休暇や育児休暇、短時間勤務制度といったママ看護師にやさしい子育て支援制度がありますが、これらの制度を取り入れているクリニックはほとんど見当たりません。

キャリアアドバイザーのコメント
(30代前半・男性 看護師転職サイトのキャリアアドバイザー)
業務に必要な衛生用品すら支給しないクリニックも
産休・育休制度が整っていないクリニックは多く、結婚や妊娠、出産といったライフイベントを控えた看護師は採用されにくい印象があります。交通費や残業代の支給もクリニックによってさまざま。中にはマスクや手袋などの衛生用品を、看護師自身が用意しなければならないケースもあるようです。
看護師の口コミ
クリニックと総合病院で福利厚生は大きな差が
(42歳・女性看護師 市立病院の外科病棟から、個人経営の循環器内科クリニックに転職)
総合病院とクリニックでは、福利厚生や給与形態など大きな差があります。自分が何を求めているのかよく考えて、自分自身に合った職場が探せると良いのではないかと思います。

パートや非常勤、派遣でも福利厚生は受けられる?

勤務時間が短いパートや非常勤の場合、社会保険の加入要件を満たさない場合もあります(厚生労働省「社会保険適用拡大サイト」)。そのため、非常勤看護師が加入できるのは労災保険のみだったり、一律対象外とするクリニックも存在します。入職前にしっかり確認しておきましょう。

社会保険以外の福利厚生についても、非常勤看護師は受けられないケースもあります。ただし、そもそも福利厚生は社会保険のみとするクリニックが多いため、常勤でも非常勤でも待遇に差を感じることは少ないでしょう。

クリニックで看護師が働くメリット

看護師がクリニックで働く場合、主に次の3つのメリットがあります。

  1. 夜勤がない
  2. 休みが固定できる
  3. 患者さんに寄り添った看護ができる

メリット1.夜勤がない

病棟からクリニックへの転職を希望する看護師の多くが、クリニックには夜勤がないことを理由に挙げています。夜勤を含む変則的な勤務形態と違い、クリニックでの勤務時間は基本的に診療時間とその前後。仕事をする時間帯が日中のみと固定されるため、規則正しい生活を送ることができます

勤務日が曜日で固定されることで、身体的・精神的負担も軽くなります

看護師の口コミ
規則正しい生活でゆっくり休め今はよく眠れるように
(29歳・女性看護師 病院の障害者病棟にから、内科・消化器内科のクリニックに転職)
病棟勤務の時は4連勤があったりとかなりつらかったのですが、クリニックでは週2日の半日勤もあるためゆっくり休めます。夜寝て朝起きるという規則正しい生活ができるようになったことも良かったです。夜勤があると仮眠時間はありますが、気を張り過ぎて寝れないので不規則な生活になってしまいますが、今はよく眠れるようになりました。
夜勤がないうえ完全予約制で残業もなし
(29歳・女性看護師 小規模病院の内科病棟から、美容外科クリニックに転職)
美容外科や美容皮膚科クリニックは日勤のみなので夜勤がなく自分自身の身体にも負担がかからず良かったです。また、完全予約制なので終了時間が長引くこともなく定時に終了していました。休みも希望を伝えておけば休めるし、プライベートも充実しました。美容クリニックでしたが外科だったので、病棟の時よりも注射やルート確保をしていたので看護技術も向上したと思います。

メリット2.休みが固定できる

24時間365日休みのない病院に対し、クリニックは診療日時や休みも固定。勤務する看護師の勤務時間や休日も同様に固定となります。

日によって出勤時間が変わったり、休日の曜日が毎回異なることもありませんから、先の勤務の見通しが立ちやすく、プライベートの予定を入れられます。結婚や出産をしても家族と過ごす時間が確保できるのもメリットです。

看護師の口コミ
将来の出産・育児を見越してクリニックを選択
(30歳・女性看護師 300床程度の総合病院の療養病棟から、耳鼻科クリニックへ転職)
クリニックでの勤務を続ける中で結婚をしたのですが、働きながら家事や育児を両立させるうえでは、勤務時間や休日が固定されていることがクリニック勤務が大きなメリットだと思います。
病院時代より規則正しくゆとりある生活
(29歳・女性看護師 中規模の大学病院のICU・放射線科から、循環器科のクリニックに転勤)
パートで週3日~3.5日勤務で休みも固定されていたので、病院に勤めていた時よりも規則正しく、ゆとりを持って生活することができるようになりました。

メリット3.患者さんに寄り添った看護ができる

一人ひとりの患者さんにじっくりと寄り添った看護ができるのが、クリニックの特徴です。クリニック勤務の看護師の仕事は看護だけに留まらないため、患者さんに対してきめ細やかな対応をすることも可能。自分の理想とする看護を実践できるでしょう。

クリニックは地域のかかりつけ医であることから、患者さんとのお付き合いが長くなる傾向にあります。長期的な看護をしたい人にはぴったりの職場です。

看護師の口コミ
患者が通院する限り何十年も経過が見守れる
(30歳・女性看護師 大学病院の内分泌内科から、個人経営の糖尿病専門クリニックへ転職)
慢性期のクリニックでしたので、病棟と違い同じ患者さんが通い続けてくれる限り、何十年も外来で経過を見ていけることが、とてもメリットがあると感じました。クリニックは看護師の業務以外にもパソコンの事務的な作業が増えますが、スキルとして身につくので私にとってはそれもメリットだと感じていました。
患者の個別性に合わせて柔軟に対応
(38歳・女性看護師 公立病院の小児病棟(NICU)から、内科・小児科クリニックに転職)
病院よりもクリニックの方が小規模で、限られたスタッフによって仕事や組織を回すため、病院では他職種の仕事であることでも、看護師が行うことがあります。そのため、最初は戸惑うかもしれませんが、新しい仕事に出会うことができて、とても新鮮な気持ちになれることが1番のメリットだと思います。また、病院では組織が縦割りの場合が多く、患者さんの個別性に応じたケアが難しいことも多いですが、クリニックでは職種の壁が低いため、患者さんに対して柔軟な対応をすることができることだと思います。
患者さんとしっかり向き合いコミュニケーション
(29歳・女性看護師 大学病院の小児集中治療室から、内科クリニックに転職)
一人ひとりの患者様としっかりコミュニケーションを取ることができるなど患者さんと向き合う時間が多くありました。病院ではやるべきケアや処置などが多い時は患者さんと向き合うことができないときもあり、クリニックの方がそういう点では良かったと思います。
患者一人ひとりに丁寧な対応ができ給料もアップ
(32歳・女性看護師 公立病院の内科病棟から、アンチエイジング専門の美容クリニックに転職)
アンチエイジングは自分の興味がある分野で、病気にならないことを目的に意識の高いお客様と接することが自分にはとても合っていました。院長から学ぶ知識は自分自身への財産にもなりましたし、クリニックでの勤務では、お客様一人ひとりに時間を割き丁寧に対応できます。給料面も、頑張った分だけ評価をもらえたので増えました。

クリニックで看護師が働くデメリット

看護師がクリニックで働く場合、主に次の3つのデメリットがあります。

  1. 給料が低く福利厚生が十分ではない
  2. 出勤日数が多い・拘束時間が長い
  3. 消耗品が足りない・医療機器が少ない

デメリット1.給料が低く福利厚生が十分ではない

総合病院と比べると、クリニックの基本給は低く、福利厚生も充実しているとは言い難いのが実情です。個人経営のクリニックは経営状態や経営者の一存で待遇が変わってしまうことも

クリニック勤務で福利厚生が充実したところへの転職を望むなら、グループ展開しているクリニックが狙い目です。病院ほどではないものの、一般的なクリニックよりは福利厚生の種類が多いことも。クリニックで行っている施術を割引で受けられる美容クリニックもあります。

キャリアアドバイザーのアドバイス
(20代・女性 看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー)
院長のさじ加減でボーナスがなくなることも
ボーナスが院長のさじ加減で支給されなくなったりなど、特に個人経営のクリニックでは、事前に聞かされていた契約条件と違うことがあります。条件を反故されないようにするため、事前に内定通知書などに明記してもらうようにしましょう
看護師の口コミ
院長の気分で給与や休暇が変更になり不安
(30歳・女性看護師 大学病院の内分泌内科から、糖尿病専門クリニックへ転職)
クリニックに転職して2年ほどは大変働きやすく楽しい職場でした。日勤だけであり、定時でしっかり終わるクリニックは体力的にも続けられると感じましたし、プライベートも充実しました。しかし、院長の気分で給与体制、休暇体制の変更が多く、将来の不安を感じるようになりました。

デメリット2.出勤日数が多い・拘束時間が長い

一般的なクリニックでは、土曜に午前診療を行っていることが多く、丸1日お休みなのは日曜祝日のみ。固定休がありスタッフの人数も少ないため、有休が取りづらい環境であるクリニックは、実質、病院勤務よりも休日が少ない傾向にあります。

拘束時間でも、クリニック特有の中抜けがあるため、午後診療の終了時間が遅く病院に滞在する時間が12時間近くに及ぶことも。拘束時間も長い点がデメリットに挙げられます。

キャリアアドバイザーのコメント
(30代前半・男性 看護師転職サイトのキャリアアドバイザー)
業務負担が少ないが拘束時間は長く休みが少ない
業務としては病棟ほどの負担はありませんが、クリニックは拘束時間が長くなります。午前・午後と診療が分かれ、休憩が2、3時間くらい設けられていますが、その間も午前診療のカルテ整理や午後診療の準備、在庫補充などで働くことになります。結局、家に帰れるのが毎日夜の8時、9時になるケースが多いので、病院の日勤よりも長く拘束されます。さらに土曜診察をやっていると、実質の休みは日曜、祝日しかありません
(20代後半・女性 看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー)
看護師が少なく有給休暇が取りづらい
クリニックは有休が取りづらい環境にあります。看護師2~3人で回している場合が多いので、休みたくても業務を引き継ぐ人がいないためです。
看護師の口コミ
終業時間が遅いので昼休憩で帰宅する看護師も
(41歳・女性看護師 300床程度の大学病院の外科病棟から、訪問看護クリニックに転職)
どうしても終業時間が遅くなるのがデメリットだと思います。お昼休憩が長いので。小さなお子さんがいる方は、夕食の準備を昼休憩に作りに家へ帰っているようです。
常に看護師は一人なので急な休みが取れない
(28歳・女性看護師 250床の病院の慢性期病棟から、精神科クリニックに転職)
面接では福利厚生や給料、勤務日数の話のみで私からも聞かなかったのですが、入職してみたら看護師は常に1人でした。そのため急な家庭の用事での休みや体調が悪く休みたいというときに休めないことが多々あります。急な休みを必要としたときに代わりがおらず、病棟に戻りたいと思っています。
有休をスタッフ同士で融通するので気を遣う
(30歳・女性看護師 300床程度の総合病院の療養病棟から、耳鼻科クリニックへ転職)
病棟に比べてスタッフの数が少なく、ある程度勤務の長いスタッフは固定されているため人間関係を築くことが苦手な人にとってはデメリットだと思います。有休取得時などは上司(院長)というよりスタッフ同士で融通したりすることも多いです。また、看護助手さんも多く入職して間もない自分が看護師だからとリーダーになることも気をつかいます

デメリット3.消耗品が足りない・医療機器が少ない

病院と比べると、クリニックが医療機器や衛生用品にかけられるお金は限られています。そのため、病院なら使い捨てされる消耗品がクリニックでは複数回使われていたり、医療機器が十分に揃えられないことも

また、経営状態や経営者のモラルによっては感染管理や清潔・不潔の判断が甘いクリニックもあり、病院から転職してきた看護師はその落差に悩むこともあるようです。

キャリアアドバイザーのアドバイス
(20代後半・女性 看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー)
クリニックの安全管理・対策はあってないようなもの
感染管理面はちゃんとしてると言われて入職しても、実際は違うのがクリニックあるあるです。そこが許容できるかどうかは、看護師さん自身の覚悟という話になります。クリニックへの転職を希望する看護師さんには、安全管理や対策はあってないようなものと指導しています。大学病院などで育った看護師さんは清潔・不潔の教育をしっかり受けているので、例えばクリニックの先生がペーパーではなくタオルで手を拭いていたりするのが受け入れられないなどのギャップに苦しむからです。
看護師の口コミ
若手看護師にクリニック勤務はおすすめしない
(38歳・女性看護師 公立病院の小児病棟から、内科・小児科クリニックに転職)
どうしても大きな病院と比べ医療設備や医師の専門性が限られてしまい、安全管理や対策、感染症予防、清潔・不潔の区別があいまいなので、若手の看護師さんにとっては習得できる知識・技術が偏ってしまう可能性が高いことはデメリットだと思います。

クリニックで働く看護師の口コミ|辞めたい・つらい・しんどい・疲れたと感じるのは?

クリニックに転職した看護師が辞めたい・つらい・しんどい・疲れたと感じるのはどういったときでしょうか? 実際にクリニックへ転職した看護師さんに聞いてみました。

看護師の口コミ
希望休みや長期休暇が取れない
(30歳・女性看護師 大学病院の内分泌内科から、糖尿病専門クリニックに転職)
クリニックの勤務は少人数で構成されますので、人間関係が濃厚となりトラブルが起きることが多いと感じます。また、希望した日程の休みや長期休暇は取りづらく、長期休暇はほぼ難しい状況でした。
他のクリニックに通院したくても休みが同じで難しい
(29歳・女性看護師 病院の障害者病棟にから、内科・消化器内科のクリニックに転職)
スタッフの人数が少ないため誰かが欠勤するとバタバタします。身内の不幸やインフルエンザなど、どうしても休まないといけない時に、休みの連絡をしづらくとても気をつかいます。また、自分が働いているクリニックがお休みの日は他のクリニックもお休みが多いので大変です。皮膚科や眼科に行きたいなと思っても、同じ日が休みだったり半日しか開いてなかったりするので、半日有給をもらって行っています。
病院勤務の友人から自分だけ取り残されたような焦り
(29歳・女性看護師 中規模の大学病院のICU・放射線科から、消化器科クリニックに転職)
同期や大学の友人の話を聞くと、まわりは皆どんどん成長していき、自分だけ取り残されてという劣等感と焦りが出てきました。体調が優先とわかっていても、それを受け入れられるまでに時間がかかりました。
急性期の患者さんがいないのでやりがいを感じにくい
(30歳・女性看護師 大学病院の小児集中治療室から、内科クリニックにパートで転職)
クリニックでの勤務は週4日と大学病院での勤務に比べて体力的にも精神的にも非常に楽でした。しかし、急性期の患者様はおられず、内科クリニックということもあり全体的に落ち着いている患者様がメインだったので少しやりがいがありませんでした。
逃げ場のない狭い人間関係が怖い
(30歳・女性看護師 大学病院の内分泌内科から、糖尿病専門クリニックに転職)
人間関係が狭い世界となるため、急激に悪化したりします。クリニックは少人数で働くので、人間関係の悪化は逃げ場がありません。その点は怖いと感じています。
人間関係が狭く病院のように異動がない
(41歳・女性看護師 300床程度の大学病院の外科病棟から、訪問看護クリニックに転職)
狭い空間、少ない人数なので、人間関係がうまくいかないとなかなか居心地が悪いと思います。少なからずお局さんがいます。病院の病棟だと3年ごとくらいに異動があるのですが、クリニックはそれがありませんので。
医師のやり方・人間性が合わないとストレス
(38歳・女性看護師 500床以上の総合病院の循環器内科・小児科病棟から、内科クリニックに転職)
人員が少ないため、人間関係でうまくいかなかった時に続けるのが難しい人もいると思います。クリニックは先生の数も少ないので、先生のやり方や人間性が合わないと感じた場合も抱えるストレスが大きいと思われます。
キャリアアドバイザーのアドバイス
人材紹介会社は看護師さんが入職して初めて紹介料を得ますが、その看護師さんが早期退職した場合は紹介料を返金しなくてはなりません。その確率が高いのがクリニック。その原因は、ほとんどの場合、転職後のギャップです。これまで以下の理由でクリニックを早期退職した看護師さんがいました。
  • 清潔・不潔の区別があいまいで衛生管理が不十分な点が許容できず退職。
  • 病院のように残業代が◯分ごとに出ると思っていたが、切り捨てなことに不満で退職。
  • いざ入職したら点滴をしたことがなかった看護師さんで、スキル的に問題があり退職。
「クリニックは楽で言い転職先」と思い込んでしまっている看護師さんが多く、面接で先生が話していることをあまり聞いていない場合も多いです。クリニックに一度転職すると病院へ復職するのは難しくなるので、よく考えて転職すべきです。大抵、規模が大きく人気の病院の採用担当者は、クリニック勤務をブランクと捉えるからです。

クリニックに向いている看護師のタイプ3つ

クリニックに向いている看護師は、主に次の3つのタイプが挙げられます。

  1. 外来業務に抵抗がない
  2. 医師や患者とのコミュニケーションが好き
  3. 地域密着で長期間に及ぶ看護にやりがいを感じる

1.外来業務に抵抗がない

毎日同じ患者さんを看護する病棟とは異なり、クリニックには毎日違う患者さんが来院します。その場に応じて対応が異なり、臨機応変に看護する必要があります。一人ひとりの患者さんと向き合う時間も病院より長いため、コミュニケーションスキルは必須です。また、短時間の問診で患者さんの状態を知り、的確なアセスメントができる人がクリニックでは求められます

キャリアアドバイザーのアドバイス
(20代後半・女性 看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー
病院の外来経験がある看護師が採用されやすい
クリニックへの転職では、相手が心地良いと思うコミュニケーションを面接で存分に発揮することが重要。患者様の対応を安心して任せられるコミュニケーションができるかどうかを見るからです。そのため、病院で外来看護師をされていた方のほうが採用されやすい傾向にあります。

2.医師や患者とのコミュニケーションが好き

縦割り分業制をとることが多い病院とは異なり、クリニックでは看護師が担当する業務が多く、患者や医師・看護師・スタッフとの距離が近いのが特徴です。そこで、他のスタッフとの連携をいとわず、患者さんへも寄り添える看護師が求められます

特に、院長をはじめとする医師との距離も近く、サポートに入る機会が多いもの。医師とのコミュニケーションから学ぶ機会が多いのはメリットだと言えるでしょう。

キャリアアドバイザーのアドバイス
(20代後半・女性 看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー)
長期的な看護が好きで医師のサポートが得意な方
クリニックは地域に密着しているので、患者さん一人ひとりと長いお付き合いになります。そういった長期的な看護が好きで、人と接するのが好きなコミュニケーション能力の高い方が求められます。また、クリニックは小規模であるほど院長や医師との関係次第というところがあるので、医師とも問題なくコミュニケーションがとれ、スムーズに診療介助・補助ができることも求められます。

3.地域密着で長期間に及ぶ看護にやりがいを感じる

クリニックには継続して通院する患者さんが多いため、一人ひとりの患者さんとのお付き合いが長くなるのが特徴です。病院のように「退院すれば終わり」ではなく、患者さんの看護を継続して行えます。そのため、病気だけでなく、患者さんという「人」を看ることができるのもやりがいのひとつ。じっくりとコミュニケーションを取りながら看護にあたれるのは、クリニック勤務のメリットだといえます。

キャリアアドバイザーのアドバイス
(20代後半・女性 看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー)
長期的に寄り添う看護にやりがいを感じる方が向いている
看護師さんの中には「病院のほうがやりがいがあった」と、クリニックから病院への転職を希望する看護師さんもいます。体感としては、看護師さん全体の6~7割くらい。どこにやりがいを感じるかは人それぞれなので、病院で命を預かるような看護より、地域密着で患者さんに寄り添い長期間に及ぶ看護にやりがいを感じる看護師さんは、クリニックに向いていると思います。

未経験や新卒、1年目・2年目の新人看護師でもクリニックに転職できる?

クリニックに転職するためには一定の看護師経験が求められることが多いですが、1年目・2年目の看護師では転職できないのでしょうか?

看護師1年目・2年目でもクリニックに転職することは可能です。ミライトーチMedia看護師に寄せられたアンケートには、新卒1年目・2年目の看護師の転職事例も多く見られます。

アンケートでは、新卒1年目・2年目で前職を辞めた理由として「叱られる・責められることが多く、ほめる・認める風土がなかった」「忙しすぎて先輩看護師から教えてもらえなかった」「人間関係が悪く、コミュニケーションが希薄だった」といった人間関係に関する理由が上位を占めていました。こうした人間関係に起因する悩みは、職場を変えることで改善することもあるため、看護師経験が浅いからといって転職を諦める必要はありません。

新卒1年目・2年目でクリニックに転職したい場合、面接時の注意点として以下の3点が挙げられます。

  • 自信を持って前向きに志望動機を伝えること。
  • 一から学ぶ意欲をアピールすること。
  • 前の職場を非難するような発言はしないこと。

上記を意識すれば、今後の成長を期待され、採用してもらえる可能性が高まります。

看護師の口コミ
キャリアアドバイザーのアドバイス
(20代後半・女性 看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー)
1年目と2年目で転職できるクリニックが違う
1年目で退職しクリニックへの転職を希望する看護師さんは、多くの場合、人の死に関する責任の重さを感じないところを希望されます。美容クリニックや看護師資格を活かして企業の他職種へ転職するケースが多く、次に介護施設の順となります。
2年目で辞める看護師さんは、プリセプターが離れたタイミングで業務が煩雑になり、いろいろ任されることが多くなって夜勤もつらいしインシデントの責任が重いことを退職理由に挙げる方が多いです。1年以上の経験があるので一般クリニックでも採用されるケースがあります。
(40代前半・男性 複数の看護師転職サイトを経験したベテランキャリアアドバイザー)
美容系、皮膚科系、健診・検診クリニックは経験不問
内科、外科、小児科、産婦人科、透析クリニックの場合は、最低でも3~5年の臨床経験が求められますが、美容系、皮膚科系、健診・検診クリニックでは、新人看護師にも門戸が開かれています。むしろ、1年目・2年目の看護師は経験が浅い分、新しい職場のやり方を受け入れやすいと採用側が考えることも。少人数で働くクリニックではそれぞれのローカルルールや人間関係があるため、ついつい前の職場のやり方と比較してしまうベテラン看護師のほうが避けられる傾向にあります。

3年目・4年目の看護師が転職できるクリニックはどこ?

教育体制や研修体制が整ったクリニックは少ないためか、中途採用者に求められるのは即戦力。3年の臨床経験を採用条件としているクリニックが多いようです。そのため、3年目・4年目の看護師は、クリニックへの採用条件をある程度満たしており、1年目・2年目の新人看護師より選択の幅は広がります

ただし、中には経験者優遇の診療科もあり、特に産婦人科クリニックや透析クリニックは専門知識や経験が求められるため、未経験者の入職は難しいのが実情です。

キャリアアドバイザーのアドバイス
(20代後半・女性 看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー)
3年目・4年目は環境変化を求め転職気運が高まる時
クリニックは経験を問われることが多く、臨床経験は最低3年といった条件を設けているのが一般的です。時にはクレーム対応などもあるため、診察室を任せるとなると、スキルはもちろんコミュニケーション能力も必要。病院勤務で3年目・4年目の看護師さんは、少し上の先輩看護師がごっそり辞めている場合が多く、さらに上となる30代の先輩とは距離があるため居づらいという人が多いようです。病院業務は一通りできるので、良いところがあれば転職したいと考えており、環境を替える一環でクリニックも一候補という人が多いように感じます。

クリニックに強い看護師転職サイト3選

クリニックに強い看護師転職サイトでおすすめは次の3つです。

クリニックの求人数が多い|レバウェル看護(旧 看護のお仕事)

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)
レバウェル看護のキャプチャ
総合満足度
4.40
求人の質・量
4.6
サポート力
4.4
電話・メール対応
4.2
  • 仕事と家庭を両立したい人
  • ブランクがある・臨床経験が少ないなどでスキルに不安がある人
  • 入職から1年未満の早期離職をする新人看護師

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)の詳細を見る

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)は求人数が多いことが特徴で、公開求人数だけでも148,350件(2023年11月現在)。そのうち、クリニックの求人は30,878件と、全体の約20%を占めます。

クリニックは求人が少ないといわれていますが、レバウェル看護(旧 看護のお仕事)を利用すれば選択肢が広げられます。

クリニックへの転職に強い|マイナビ看護師

マイナビ看護師
マイナビ看護師
総合満足度
4.36
求人の質・量
4.5
サポート力
4.0
電話・メール対応
4.6
  • 対面での面談でじっくり相談ができる環境が整っている
  • 病院などの職場の内部事情に詳しく、転職後のミスマッチを防げる
  • マイナビブランドを活かし、企業や美容クリニックなどの人気求人も保有

マイナビ看護師の詳細を見る

マイナビ看護師はクリニックへの転職に力を入れており、特に美容クリニックへの転職には多くの実績があります。

転職サポートサービスは全国を網羅しているので、住まいの近くのクリニックへの転職もかなうのではないでしょうか。

クリニックへの転職サポートが万全|看護roo!

看護roo!
看護roo!キャプチャ
総合満足度
4.66
求人の質・量
4.8
サポート力
4.5
電話・メール対応
4.7
  • 初めて転職する人でも徹底的にサポート
  • 高給与・好条件求人が多い
  • 1人のキャリアアドバイザーが看護師と転職先の双方を担当する一気通貫制
  • 事業所は大都市の3拠点

看護roo!の詳細を見る

転職サポートの手厚さで評判の高い看護roo!。新人看護師でクリニックへの転職を希望している場合は安心して任せられるでしょう。

特に看護roo!は東京・大阪といった首都圏や大都市での転職サポートに注力しているため、都市部のクリニックを希望する看護師におすすめです。

クリニックへ転職するための履歴書・志望動機・面接対策

クリニックへ転職する際の履歴書、志望動機の書き方や面接対策は、病院へ転職する際と違うのでしょうか? クリニックへの転職に合わせた履歴書や志望動機の正しい書き方、面接に備えた服装や身だしなみの準備、面接の際に心がけることなどをまとめました

クリニック向きの履歴書や志望動機の書き方(例文付き)

履歴書は手書きとパソコンのどちらで作成しても失礼にはあたりません。ただ、医療機関の採用担当者の好みもあるため、転職サイトのキャリアアドバイザーに確認のうえ、作成すると良いでしょう。

志望動機を書く際に気をつけたいことは、どの医療機関にも当てはまる内容にしないこと。インターネットで見つけた例文をそのまま使用するなんてもってのほかです。

経歴、転職に至った経緯、応募先を決めた理由や魅力、入職後どのように働きたいかという4つの柱を押さえて、アンサーファーストを意識して作成しましょう。たとえネガティブな転職理由であったとしても、そのまま書かないこと。前向きな表現に言い換えて作成しましょう。

ここで実際にクリニックへの転職に成功した看護師さんの志望動機例文をご紹介しましょう。

クリニックの志望動機例文
アンサーファーストと志望動機が明確
(25歳・女性看護師 総合病院の小児科病棟から、小児科クリニックに転職)
以前より小児医療に対して関心があり貴院を希望しました。入院人数は少なかったですが小児科も併設されてる病棟だったので受け持つ患者の中には小児特有の疾患で入院となる子どももおり、小児科の看護について深く興味がわきました。子どもが地域で元気で過ごすためにかかりつけとなる小児科クリニックがどのような対応を行いながら関わっているのか、どんな治療を行うのかということに興味を持ちました。貴院では病児保育が併設されており、患児の1日の過ごし方を実際に自分の目で見て、患児だけではなく親の不安や疑問などを聞きながら関われるとうかがいました。以前経験した小児科でも患児の1日の生活、疾患を有している親の不安の傾聴は行ってきています。至らぬ点も多いかと思いますが、足りない知識を勉強し必ず即戦力になれるよう努力いたします。よろしくお願いします。
クリニックの理念への共感を盛り込む
(40歳・女性看護師 総合病院の内科から、内科・皮膚科クリニックに転職)
総合病院ではすべての援助が流れ作業のようになっており患者様一人ひとりと向き合うことができていないと感じておりました。貴院の理念である「患者様一人ひとりの立場に立ち、寄り添った診療を目指します」に私の求めていた医療がここにはあると確信し、貴院を志望しました。
未経験の診療科を志望する理由が明確
(25歳・男性看護師 大学病院の外科から老人ホーム・デイサービスの派遣を経て、皮膚科クリニックに転職)
派遣でデイサービスや老人ホームで働いたことがあり、皮膚疾患の多様さや難しさを感じました。そこで勉強しているうちに皮膚疾患に興味をもち、皮膚科のクリニックを希望するようになりました。貴院はオープニングスタッフということもあり、新しい仲間とクリニックを立ち上げていけることに魅力を感じています。

履歴書の書き方について詳しくはこちら▼

非公開: 看護師転職の履歴書のポイント!基礎から志望動機、封筒の書き方まで
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「履歴書の書き方を基礎から知りたい」 「看護師の転職で、良い印象を与えられる履歴書を書くにはどうしたらいい?」 看護師の転職の「第一関門...

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非公開: 【例文23選】看護師転職の志望動機、履歴書でどう書く?プロが添削
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「履歴書の志望動機を、どう書けばいいかわからない」「自分で書いた志望動機が問題ないか不安」 転職で必要となる履歴書や職務経歴書。その中で看...

クリニックの面接前に準備しておく服装・身だしなみ

面接には黒か紺のスーツを着ていくのがベスト。しかし、一般企業とは違って看護師はスーツを着て働くわけではないことから、転職面接においてスーツ着用は絶対条件ではありません

大切なのは、清潔感と面接に見合った服装であること。無地のシャツに無地のボトムス、シンプルなパンプスといった格好でもOK。襟付きのシャツにジャケットを羽織ってスーツ姿に準じた格好で面接を受ける人も多いようです。

髪型は勤務中と同様にまとめ、お化粧はナチュラルメイクにしましょう。A4サイズの書類がそのまま入れられるビジネスバッグも忘れずに

面接時の服装について詳しくはこちら▼

看護師の面接での服装はスーツ必須?転職時のおすすめと注意ポイント
看護師の面接での服装はスーツ必須?転職時のおすすめと注意ポイント
「看護師の中途採用面接はスーツじゃなきゃだめ?」「転職するのに、服装が原因で自分の印象を下げる失敗をしたくない」 看護師の転職でも、一般企...

クリニックの面接で聞かれる質問と正解な答え方

クリニックの面接では、主に次の質問がされます。

  • このクリニックを選んだ理由
  • このクリニックでやりたいこと
  • これまでの経験や実務内容
  • 退職理由
  • 看護観

中でも、必ず聞かれるのは、そのクリニックを選んだ理由です。これは、求職者の本気度が試され、認識にズレがないかを確かめるため。事前にホームページを確認し、クリニックの理念や方針に沿った内容の答えを準備しておきましょう。

答える内容も大切ですが、コミュニケーション力も大切。個人経営のクリニックでは同僚や患者さんとの人間関係が重視されるため、面接時の印象が結果を大きく左右します。

キャリアアドバイザーのアドバイス
(20代後半・女性 看護師転職サイトの現役キャリアアドバイザー)
院長の好みに合わせて面接指導
転職サイトでの面接指導としては、主にコミュニケーション能力や所作を指導しています。院長が話している時は前のめりで聞く、説明時は大きくうなずいて返事をするなどです。特にクリニックは院長に好印象を持たれるかどうかで採用が決まります。そのため、応募先の院長の好みなどをふまえたうえで、受け答えの内容や注意点を面接指導しています。

転職の際の面接についてくわしくはこちら▼

【OK/NG回答あり】看護師面接のよくある12の質問の意図と面接マナーと注意点
【OK/NG回答あり】看護師面接のよくある12の質問の意図と面接マナーと注意点
「面接ではどんなことを聞かれるの?」 「面接官はどこを見ている?」 「何に注意すればいい?」 看護師の転職活動の中でも重要なポイントで...

まとめ

同じ医療機関といえども、病院とクリニックでは仕事内容や勤務形態が大きく異なります。そのため、病院の転職活動とは違った対策をクリニックでは練らなければなりません。クリニックに転職したいなら、まずはクリニック特有の仕事内容や働き方をしっかりとリサーチしましょう。

また、クリニックへの転職は自身のキャリアプランにも影響します。夜勤がないため規則正しい生活を送ることができる魅力はありますが、クリニックから病院への再転職が難しい面も。こうしたメリットやデメリットも理解したうえで、クリニックへの転職活動に臨みましょう

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看護roo!
  • 初めて転職する人でも徹底的にサポート
  • 高給与・好条件求人が多い
  • 1人のキャリアアドバイザーが看護師と転職先の双方を担当する一気通貫制
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レバウェル看護
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  • 仕事と家庭を両立したい人
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