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「103万円の壁」で学生の「働き控え」は38%!上限が引き上げられたら73%が労働時間を増やす【学生1,000人調査】

どう思う?103万円の壁
どう思う?103万円の壁

アルバイトをする学生の収入が年間103万円を超えると、特定扶養控除が適用されなくなり、扶養している親の所得税の負担が増えてしまう、いわゆる「103万円の壁」。

現在この「103万円の壁」の見直しが進められ、上限額が引き上げられる見込みです(2025年2月現在)。

では実際、「103万円の壁」は学生たちにどのような影響をもたらしてきたのでしょうか。

この記事では、労働経験のある1,000人の学生(大学生や短大生、大学院生、専門学校生)に調査を行い、「103万円の壁」と「上限額の引き上げ」に対する感想や意見、エピソードなどをまとめています。

※本記事の数値(%)は小数点以下を四捨五入したものです。

(調査概要)
調査対象:学生1,000人(大学生・短大生・大学院生、専門学校生)
調査地域:全国
調査期間:2025年1月6日~14日
調査主体:ミライトーチ編集部
調査委託先:アイブリッジ株式会社 

※当サイトは口コミの一部を掲載しています。

38%が「103万円の壁」を意識して「働き控え」をし51%が生活費に困っていた

「103万円の壁」を意識して労働時間を控えたことがあるかについて聞いたところ、1位「意識して控えたことがある」38%、2位は「意識していたが、控えたことがない」「聞いたことはあるが、意識したことがなかった」が同率で29%、4位「聞いたことも、意識したこともない」4%という結果となりました。

少なくとも3人に1人が「103万円の壁」を意識して労働時間を控えた経験があることになります。

意識して労働時間を控えたことは?

さらに「103万円の壁」を意識して労働時間を控えたことのある学生に対し、生活費に困ったことがあるかを聞いたところ、51%が「ある」と回答しています

やはり「103万円の壁」によって我慢や苦労を強いられている学生も一定数いるようです。

「103万円の壁」を超えることに50%の親が反対している

「103万円の壁」を超えて働くことに親から反対された経験があるか聞いたところ、「ある」「ない」いずれも50%でした。

学生を抱える親からしてみれば学費や仕送りなど支出がかさむうえ、特定扶養控除がなくなり所得税が増えることは避けたいと思うのも当然でしょう。

103万円の壁を超えないよう親に言われたことは?

同時に寄せられた「103万円の壁」に関する親とのエピソードでは、「超えないよう忠告された」「超過したぶんの税金は自分で払うよう言われた」など注意喚起のほか、「ケンカになってしまった」など、ときに親子間でのトラブルも発生しているようです。

実際のところ学生の平均年収は103万円未満が89%

そもそもアルバイトをする学生たちの平均年収はどのくらいなのか聞いたところ、1位「60万円未満」51%、2位「60万~96万円未満」26%、3位「96万~103万円未満」12%という結果となりました。

つまり89%の学生が平均年収103万円未満ということになります。

平均年収はどのくらい?

ちなみに、年収103万円未満を月収に換算すると8万5,833円未満となります。

日本FP協会の『学生生活マネー&キャリア』によれば、自宅(実家)で生活する学生の平均支出は月13万3,458円、下宿やアパート(賃貸)の場合は月17万9,250円です。

両親からのお小遣いや仕送りを考慮したとしても、ただでさえ物価高の影響で食材や光熱費の価格が高騰している現在、毎月の収入が8万5,833円未満では厳しい懐事情といえるのではないでしょうか。

給料のおもな使い道は1位「娯楽費」2位「生活費」3位「交際費」

毎月の給料のおもな使い道について聞いたところ、1位「娯楽費(レジャー、趣味など)」358人、2位「生活費(食費、光熱費、通信費など)」229人、3位「交際費(飲み会、デート代など)」156人でした

給料のおもな使い道は?

娯楽費や交際費など学生らしい項目がベスト3にランクインしていますが、当然のように生活費もランクインしています。

また意外にも被服費より預貯金が上位となっており、堅実性と同時に将来への不安も垣間見えます。

「103万円の壁」の引き上げに69%が賛成

「103万円の壁」の引き上げについて賛否を聞いたところ、「賛成」が69%で過半数を大きく上回る結果となりました。続いて「どちらでもない」は25%、「反対」は7%となっています。(※小数点以下四捨五入のため合計は100%にならない)

「103万円の壁」によって実際に生活に困って「いる」「いない」に関係なく、半分以上の学生が上限が引き上げられることに賛成しているようです。

上限額(103万円)の引き上げについてどう思う?

「反対」という意見も一定数ありましたが、労働時間が増えてしまうことで学業がおろそかになることを危惧しているとも考えられます。

73%が労働時間を増やし生活を今より良くしたいと考えている

「103万円の壁」の上限額が引き上げられたら労働時間を増やすか聞いたところ、割合の多い順に「そう思う」41%、「どちらかといえばそう思う」32%、「あまりそう思わない」19%、「そう思わない」8%という結果となりました。

「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計は73%となり、上限額が引き上げられた場合、大多数が労働時間を増やしたいと考えていることになります。

上限額が引き上げられたら労働時間を増やす?

また労働時間を増やしたい理由については(複数選択)、1位「生活を今より豊かにしたい」、2位「将来のために貯蓄したい」、3位「レジャーや趣味を充実させたい」という結果となりました。

「給料のおもな使い道」と重なる項目が上位を占めています。働く時間を増やし、生活の質の向上や機会の創出にお金を費やしたいと考えているともいえるでしょう。

「103万円の壁」の上限額が引き上げられたら学生生活はどうなる?

最後に、「103万円の壁」の上限が引き上げられ労働時間が増えた場合、学生生活はどう変わりそうか聞いたところ、さまざまな意見が寄せられました。その一部を抜粋し紹介します。

上限額が引き上げられたらどんな影響がありそう?

予想どおり、労働時間を増やし収入が増えることで生活水準が上がるという意見が多数を占めました。

しかし一方で、学業がおろそかになる、みんなが労働時間を増やすと逆にシフトに入れず労働時間が短くなるかもしれないなど懸念する声もありました。

まとめ

今回の記事では、労働経験のある学生1,000人に対し「103万円の壁」に関する意識調査を行いました。

長期にわたって見直しの声が上がっていた「103万円の壁」問題。学生たちにも少なからず影響があったようで、38%が「103万円の壁」を意識して「労働時間を控えていた」ということがわかりました。
さらにそのうちの約半数が生活費に困っていたという事実も浮かび上がっています。

しかしようやく上限額が引き上げられる見通しが立ちました(2025年2月現在)。
引き上げに対する学生たちの反応は「賛成」が69%と多数を占め、労働時間を増やしたいという声は73%にものぼります。

また、労働時間を増やしたい理由としては「生活を今より豊かにしたい」ことが第1位となりました。

「103万円の壁」が撤廃されることで、学業だけでなく暮らしや遊びも今より充実した学生生活を送ってほしいですね。

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