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転職成功のカギはSNS?活用方法と注意点【専門家が解説】社会人1,000人のSNS利用調査あり

転職 SNS活用法と注意点

私たちの生活に欠かせなくなったSNS。その影響力は私たちの転職活動の場にも及んでいます。

企業が採用前に候補者のSNSを詳細にチェックするケースが年々増加。当初はリスクチェックが主でしたが、最近ではポジティブな側面も評価されるようになっているといいます。
ベンチャー・スタートアップ企業専門の転職エージェントの高野秀敏さんは、この状況を求職者にとっての大きなチャンスだと捉えています。

高野秀敏

話を聞いた人
株式会社キープレイヤーズ 代表取締役
高野 秀敏(たかのひでとし)さん

1999年、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に入社し、人材紹介事業の立ち上げに携わる。転職者とのキャリア面談11,000人以上、経営者との採用相談4,000人以上の実績をもつ。
2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。ベンチャー・スタートアップ企業専門の転職エージェントとして活動。Xをはじめ、YouTube等、さまざまなメディアで情報発信を行う。
キープレイヤーズ公式

※当サイトは口コミの一部を掲載しています。

転職活動にSNSを活用するべき理由

転職活動にSNSを活用するべき理由

SNSは、いわば自分の人となりをPRするメディアです。自分の意見を投稿したり、自身の応援したい人の投稿をシェアしたり。面接では届けられない自分の魅力や考え方を伝える場でもあるんです。

高野さんはSNSを活用することの具体的なメリットを以下のように分析しています。

リアルな情報収集が可能に

企業の公式アカウントや働くメンバーをフォローすることで、求人情報だけではわからない社風やふだんの働き方などの情報を得ることができます。

また、転職サイトや求人媒体だけでは出会えない求人に巡り合えるケースも少なくありません。企業によっては、公式SNSでしか募集を行っていないポジションや、採用サイトよりも早く情報を公開しているケースもあるんです。今はSNSで自社のPRを行う企業も増えているため、積極的にフォローしましょう。

高野さんいわく、ベンチャーや若手の多い企業はX(旧Twitter)だけでなく、TikTokやYouTubeといった動画系SNSで発信しているケースが多く、社員の年齢層の高い企業はFacebookを活用する傾向が強いとのこと。自分の希望する転職先や業界に合わせて、SNSを使い分けることが必要です。

自身の魅力を効果的にアピールできる

SNSでは、履歴書や職務経歴書だけでは伝えきれない、自身の経験やスキル、人柄、実績を効果的にアピールできます。
また、成果や結果に結びついた取り組みを発信することで、共感を得られたり、あなたの価値観やスキルに興味をもった企業や採用担当者から、直接オファーが届いたりする可能性もあります。

転職にはフォロワーやつながりが多い方が有利?

SNSのフォロワーとつながり

フォロワーが多い方が良い2つの理由

  • フォロワー数が個人の能力を示す指標になる
  • 事前に認知されているかが成功のカギに

高野さんは、フォロワーやつながりの多さが転職活動において大きなアドバンテージになると言います。

フォロワー数が個人の能力を示す指標になる

発信力のある人を採用することは、会社にとって大きな価値があります。例えば、採用担当者1人を雇うよりも、フォロワー1万人をもつ人を雇う方が効果的な場合もあるんです。インフルエンスのある人の価値は年々上がっているように感じますね。

さらに、フォロワー数自体が個人の能力を示す指標にもなりうると言います。

例えば、Webマーケティングについて発信している人のアカウントで、1万人以上のフォロワーがいれば、「この人は業界と強いつながりやノウハウをもっているな」と思うでしょう。

事前に認知されているかが成功のカギに

WACULテクノロジー&マーケティングラボが2022年に行った調査では、興味深い結果が明らかに。転職を考える人の約60%が、すでに知っている企業を選ぶ傾向があることがわかっています。

この傾向は企業側の採用活動にも表れています。あらかじめ企業や業界から認知されている人の方が採用されやすくなるんです。SNSに強い経営者がいる企業では、コアメンバーの大半をSNS経由で採用しているケースもあります。

今やSNSは、単なるコミュニケーションツールを超えて、キャリア形成における重要な要素となっているのは間違いなさそうです。

SNSのフォロワーやつながりの数が重要であることは理解できたかと思います。しかし、多くの人が疑問に思うのは、「どのようにしてフォロワーを増やすことができるのか」ということでしょう。

この点について、高野さんは「農耕型」というキーワードを用いて説明しています。

SNSのフォロワーを増やすためには、「農耕型」のアプローチが欠かせません。
「農耕型」とは、田畑を耕して作物を育てるように、時間をかけて成果に結びつける方法です。つまり、SNSのフォロワーを増やすためには、日々の地道な活動の積み重ねが大切なんです。

SNSでフォロワーを増やすなら「農耕型アプローチ」

とにかく地道な活動を継続することが大切です。自分のアカウントを農業のように時間をかけて大切に育てていく。これは一朝一夕には実現しませんが、結果として得られる関係性はより強固で価値あるものとなります。

さらに高野さんは、SNSを効果的に活用するには他にも重要な心得があると強調します。

「giver(ギバー)」として振る舞い、「信頼残高」を増やす

SNSでは「giver」として行動することが重要です。他者の投稿に「いいね!」をしたり、シェアしたりすることで、積極的に応援する姿勢を見せましょう。
まずは相手から「この人は良い人だな」と思われることが大切です。誰が「いいね!」やシェアをしてくれているか、発信する側は意外と覚えているものなんです。

SNSを活用するうえでの注意点

SNSでの注意点

SNSを活用するうえでは、注意点があります。

SNSを活用するうえでの注意点

  • ネガティブな発言をしない
  • 社外秘の情報を漏らさないようにする

当たり前ですが、批判やネガティブな発言をしないこと、そして現職の機密情報を漏らさないようにすることです。
有益なことを発信しようとするあまりに、社外秘の情報を漏洩させてしまう可能性はゼロではありません。投稿する前にいま一度、しっかりと内容を確認してから発信することを徹底しましょう。

近年、採用候補者のSNSアカウント調査を専門に行う企業が増加しており、いわゆる「裏アカ」の特定も高い確率で行われているといいます。この状況を踏まえ、一部の専門家は現在のSNSが以前ほどネガティブな発言や批判に寛容でなくなっていると指摘。こうした変化を考慮すると、私たちはSNSとの向き合い方を見直す必要がありそうです。

転職活動でSNSを活用している人は少数派? 社会人1,000人にSNS利用実態を調査

実際、SNSを就職・転職活動に活用している人は、どのくらいいるのでしょうか。20〜60代の会社員1,000人にアンケート調査を実施しました。

調査対象:会社員男女1,000人(20~60代の男女/各200人)
調査地域:全国
調査期間:2024年6月21日~24日
調査主体:ミライトーチ編集部
調査委託先:アイブリッジ株式会社

SNSを転職活動に活用している人はたったの17.4%

SNS活用のアンケート結果

「就活や転職の時にSNSで情報収集しましたか?」という質問に対して「した」と答えた人はわずか17.4%。この結果は、SNSを転職活動に活用することがまだ一般的ではないことを示しています。

SNSを転職活動に活かしている人はまだまだ少ないんです。多くの人が日常的にSNSを利用していますが、自身のキャリア形成に活用している人は限られています。
つまり、積極的に発信することで、他の候補者との差別化が図れる余地が大きいといえます。

高野さんの指摘どおり、SNSは転職市場においてまさに「ブルーオーシャン」といえそうです。

一方で、SNSを活用していない82.6%の人々にとっては、これからSNSを転職活動に取り入れる大きな機会があると考えられます。「農耕型アプローチ」を意識しながら、日々の活動を積み重ねていくことで、自身のキャリアチャンスを大きく広げる可能性が十分にあるでしょう。

SNSを味方につけて、キャリアの可能性を広げよう

SNSを効果的に活用できる人にとって、現在の転職市場は大きな可能性に満ちています。

自身の専門性や人柄を適切にアピールし、企業や業界のリアルな情報を収集することで、キャリアチャンスを大きく広げることもできるはず。

今後、SNSは単なるコミュニケーションツールではなく、キャリア戦略における重要な要素になることは間違いありません。自身の強みや興味を活かしつつ、慎重かつ戦略的にSNSを活用することで、転職活動はより効果的で充実したものになるでしょう。

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