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テレワークできる職種に転職したい人が知るべき働きがいの秘訣とは
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「毎日の出社が辛い…いま流行りのテレワークができる職種に転職したい!」と考えていませんか?
テレワーク(在宅勤務)は一見すると柔軟な働き方のように思えます。
しかし、調査によると、テレワークができるからといって必ずしも働きがいが高まるとは言えないようです。
この記事では、全国求人情報協会によるテレワーク実態調査の結果を踏まえ、仕事選びのポイントや転職活動の注意点についてお伝えします。
この記事のスタンス
- 働きがいは「テレワークの有無」よりも「社内コミュニケーションの頻度」に左右される
- 仕事選びのコツは企業の「社員一人ひとりに対する向き合い方」に注目すること
話を聞いた人
増本 全(ますもと ぜん)
全国求人情報協会 新卒等若年雇用部会事務局 事務局長
清水山 隆洋(しみずやま たかひろ)
全国求人情報協会 新卒等若年雇用部会事務局 調査担当
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
この記事の目次
1.テレワーク実施率の高い業界や職種は?
「テレワークが盛んな業種に転職したい!」と考えている人もいることでしょう。
内閣府の調査によると、テレワークがもっとも盛んな業界は情報通信業(IT業界)となっています。
業種 | テレワーク実施率 |
---|---|
情報通信業 | 65.6% |
電気・ガス・水道業 | 35.2% |
金融・保険・不動産業 | 29.0% |
製造業 | 28.9% |
卸売業 | 25.6% |
教育・学習支援業 | 21.8% |
建設業 | 17.6% |
公務員 | 14.5% |
農林漁業 | 17.0% |
小売業 | 11.1% |
運輸業 | 9.4% |
医療、福祉 | 4.8% |
保育関係 | 1.4% |
全体 | 21.5% |
(出典)第2回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査|内閣府
また、テレワークが盛んな職種としてはWebクリエイティブ職、企画・マーケティング、IT技術職が挙げられます。
テレワークの実施状況は会社ごとに異なる
しかし、たとえテレワークが盛んな業界・職種でも、社外への持ち出しが難しい機密情報を取り扱う場合には、テレワークが難しい場合もあり得るでしょう。
一方、これまでテレワークに不向きと言われていた業界・職種でも、ツールや業務体制を工夫してテレワーク導入をさせた事例があります。
テレワークの実施状況は会社ごとに異なるため、転職先を探す際に「テレワークのしやすい業種」で絞り込んでしまうことは自分の選択肢を狭めてしまいかねません。
2.テレワークの有無は転職志向に関係しない?
職場のテレワーク導入状況は転職志向に関係するのでしょうか?
当編集部は全国求人情報協会の清水山氏に取材しました。
「テレワーク経験がない人ほど転職志向が高い」は本当?
全国求人情報協会では、2020年4月に新卒入社して半年が経過した666人に入社後調査を実施。
2020年10月までの間に約6割がテレワークを経験したと回答しています。
そして、テレワーク未経験の人は、経験済みの人に比べて、入社後に転職志向をもっている割合が高いという結果になりました。
(出典)2020年卒 新卒者のテレワーク勤務実態調査|公益社団法人全国求人情報協会
やはりテレワークの有無が働きがいに関わってくるのでしょうか…?
いえ、一概にそうとは言えません。
「テレワークができないから転職したい」わけではない
テレワーク未経験の人は大半が「テレワークができる業務ではなかったため」と回答していることから、いわゆるエッセンシャルワーカーの可能性があります。
【エッセンシャルワーカーとは】
医療・介護・保育、小売店、公共交通機関、公務員など、社会インフラの維持に必要不可欠な仕事をしている人のこと。
実は、「テレワークができる業務ではない」と答えた方に転職意欲を伺ったところ、テレワーク経験者と比べて差異はありませんでした。
つまり、新卒入社後に「自分はテレワークしにくい業界・職種の仕事をしている」と理解している人は、テレワークができないことを理由に転職意欲をもつわけではないと言えます。
3.働きがいを高めるカギは「社内コミュニケーション」にある
調査を進めるうちに、勤続意欲に影響するポイントが「テレワークの有無」以外にもあることが見えてきました。
「社内コミュニケーションの機会が不十分」な人ほど転職志向が高まる
調査ではさらに、テレワークを経験した人に絞って「社内コミュニケーションの機会がどの程度あったか」を質問しました。
すると、テレワークをしていたとしても「社内コミュニケーションの機会が不十分」だと感じた人は、十分と感じた人に比べて転職志向が高まる傾向が見られました。
特に「上司への報告・連絡・相談の機会」が不十分だとその傾向が強くなります。
勤続志向 | 転職志向 | |
---|---|---|
上司への報告・連絡・相談の機会が不十分 | 16.1% | 33.8% |
ちょっとした問題や困りごとを相談する機会が不十分 | 22.6% | 31.6% |
自分の頑張りへの評価・自分の仕事への感謝の言葉をかけられる機会が不十分 | 16.0% | 24.0% |
同僚同士を気にかけたり・助け合う機会が不十分 | 23.7% | 28.2% |
指導担当や先輩への報告・連絡・相談の機会が不十分 | 16.1% | 25.8% |
(出典)2020年卒 新卒者のテレワーク勤務実態調査|公益社団法人全国求人情報協会
つまり、従業員の勤続志向を高める要素は「テレワークそのもの」というより「社内コミュニケーションの機会」にあると言えそうです。
テレワーク時に社内コミュニケーションの機会があった人は約7割
なお、今回の調査では「テレワーク時に社内コミュニケーションの機会があった人は約7割」という結果も出ています。
コミュニケーションツール・電話・ビデオ会議等で相談・会話する機会 | |
---|---|
あった | 66.7% |
なかった | 33.3% |
(出典)2020年卒 新卒者のテレワーク勤務実態調査|公益社団法人全国求人情報協会
テレワークを経験した新卒者の約3割が社内コミュニケーションをせずに在宅で仕事をしていたと考えると…恐ろしいですね。
入社前に勤続意向だった方も、入社後に上司や指導担当との接点が十分でなかったと感じると、転職志向に転じてしまう傾向にあります。
4.テレワークを含む「働き方改革」は今後どうなっていく?
新型感染症の流行を機に広まったテレワークという働き方ですが、今後はどうなっていくのでしょうか?
調査では、1回目の緊急事態宣言が解除された後「ほぼ出社していた」割合が3割から6割に増加しており、一見すると以前の働き方に戻ってしまった人が多いようにも思えます。
(出典)2020年卒 新卒者のテレワーク勤務実態調査|公益社団法人全国求人情報協会を元に編集部作成
全国求人情報協会の増本氏に見解を伺いました。
テレワークは「ダイバーシティ」の一貫で広がっていく
テレワークは浸透しなかったのでしょうか…?
いいえ。緊急事態宣言の解除後に出社の割合が増えたのは、「緊急事態だから」という一時的な理由でテレワークを導入した企業が多かったせいでしょう。
テレワークの取り組み自体は今後も広がっていくと思われます。
なぜなら、テレワークの必要性は「ダイバーシティ(多様な働き方)」推進の一環で以前から唱えられていたからです。
これまで自社にテレワークの導入は難しいと考えていた経営者からも「やむを得ない状況でいざ実施してみたら案外対応できた」という声が上がり始めています。
今後はライフステージや仕事内容によって「今日は出社しよう」とか「しばらくはテレワーク主体で仕事する」など、さまざまな働き方を柔軟に選択できるような企業が求職者に選ばれる時代になっていくかもしれません。
出社とテレワークを組み合わせた働き方が増えてくる
一方で、テレワークの導入は事業の生産性を上げる意味でも不可欠といえます。
現在はまだ、仕事のどの部分がテレワークに適するのか、適さないのかを試行錯誤している段階にすぎません。
今後はテレワークをやるかやらないかのゼロイチではなく、出社とテレワークそれぞれのいいところを組み合わせた働き方が増えてくるのではないでしょうか。
5.テレワークを理由に転職活動する場合のポイント
テレワークの広がりによって「柔軟な働き方が選べる環境に転職したい!」と考え始めた人もいることでしょう。
あるいは「今の職場は社内コミュニケーションが希薄だな…」と感じるケースもあるかもしれません。
ただし、転職を考えたきっかけが「環境改善」の場合は、面接での伝え方に十分に注意してくださいね。
元キャリアアドバイザーの私がアドバイスします。
「テレワーク」を転職理由として伝えない方が無難
面接で転職理由を聞かれた際、テレワークに関して言及することはおすすめしません。
テレワークに限らず、転職理由に「環境改善」を掲げてしまうと面接官に後ろ向きな印象をもたれがちだからです。
一発アウトというわけではないものの、中途採用はたいていが1名採用のため、前向きな転職理由をもつ候補者と比較されるとどうしても見劣りしてしまいます。
他の転職理由、特にスキルアップやキャリアアップに関する転職理由があれば、そちらをメインに伝えるといいでしょう。
【伝え方一例】
×「経営者の方針と合わなくて…現職では緊急事態宣言中も毎日出社を強制されて、非効率な環境にミスマッチを感じました。友人がテレワークしていると聞いて、自分で自分の身を守れるような会社に転職したいと思いました」
○「業務の幅を広げたいと思ったことです。現職は常に人手不足の状況でしたが、Excelやチャットツールを駆使して業務効率化に貢献できたことはよい経験になったと感じています。ただ、現在のポジションですとできる業務に限界があり、上長に相談しましたが難しいとのことでした。そこで今後はより裁量の高い業務にチャレンジしたく、転職を決意しました」
現職の良かった点、上長に相談したが改善の見込みがない点、今後の豊富が盛り込まれていると好印象です。
逆質問タイムで上手に質問する
面接の最後に「何か質問はありますか」と逆質問の機会が設けられることが多いはずです。
応募先の企業がテレワークや柔軟な働き方にどの程度理解があるかは気になりますよね。
しかし、労働環境に関する質問ばかりしてしまうと「仕事内容は重視していないのかな」と誤解されかねません。
逆質問タイムは入社意欲の高さを伝えるアピールタイムでもあるため、質問の仕方に注意しましょう。
【伝え方一例】
×「テレワークはどの程度実施していますか?」
○「テレワーク中は社内コミュニケーションが課題になりやすいようですが、御社で取り組んでいることはございますか?現職ではチーム定時会を設けるなど社内コミュニケーションを重視しておりましたので、質問させていただきました」
なお、テレワークの頻度が気になる場合は、リクルートエージェントのような転職エージェントを通じて応募することも一つの方法です。
面接で聞きにくいことは担当のキャリアアドバイザーに確認してもらうと印象悪化を防ぐことができます。
記事のまとめ
2020年をさかいに、テレワークという働き方に注目が集まっています。
しかし、従業員の働きがいは「テレワークの有無」よりも「社内コミュニケーションの機会」に左右される傾向が調査で明らかとなりました。
転職先で長く働きたい場合は、応募先の企業が社員一人ひとりへどのように向き合っているかに注目してみてはいかがでしょうか。
取材先情報
全国求人情報協会(https://www.zenkyukyo.or.jp/)
公益社団法人全国求人情報協会(理事長:鈴木孝二 略称:全求協)は、1985年2月に設立。全国の求人サイト・求人情報誌・ 折込求人紙・を運営・発行する67社の会員で構成されており、自主規制のための掲載基準作成、求人情報に関する苦情・相談 業務や調査・研究などの活動を実施。年間求人広告件数は1767万9752件(2019年)にのぼる。
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