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IT業界にはブラック企業が多い?SEの仕事が過酷になりがちな理由とは
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SEの仕事と言うと、ひどい場合は、きつい、きびしい、帰れない、の3Kなどとも言われます。
「ブラックな企業が多い」「残業ばかりで家に帰れない」など、待遇が悪いイメージがあるかもしれません。SEの仕事がなぜ過酷だと言われているのかについて、調べてみました。
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この記事の目次
IT業界にブラック企業が多いのはなぜ?
IT業界には、社員に残業ばかりさせるのに給料は安いという、いわゆる「ブラック企業」が多いと言われています。ブラック企業の多さがSEの仕事を過酷にしているという面はあると思います。ここでは、IT業界にブラック企業が多い理由についてまとめてみました。
ITゼネコン構造と呼ばれる業界の問題
IT業界は、しばしば「ITゼネコン構造」と言われることがあります。建設業界のゼネコン構造によく似ていることから、このように呼ばれています。
IT業界も建設業界も、大きな受注案件を大手企業が受注して、その仕事を子会社に委託し、さらにその子会社である孫会社に再委託していくという仕組みを取るという点で、非常に似通っています。例えば、大手の〇〇建設などという誰もが知っている大手企業が、タワーマンションや高層階のビルなどを受注したとします。
すると、その〇〇建設は、さまざまな子会社にその仕事を委託します。顧客からの提案を受けて設計をしたり現場で監督をしたりするのは親会社の〇〇建設の社員ですが、実際に現場でビルを建てる作業をするのは子会社や孫会社の社員です。
IT業界でも、同じようなことが起こっています。大手IT企業が大規模システムの案件を受注すると、親会社の社員が顧客との調整や設計などを担当します。そして、その後の工程である詳細な設計やプログラミング、テスト、サーバー構築などの作業を全て、子会社や孫会社に委託するのです。時には、設計の作業すら子会社に丸投げ、ということもあります。
このような「ゼネコン構造」と呼ばれる構造になっている業界でしばしば問題になるのが、子会社や孫会社の地位が極端に低くなりがちということです。
親会社に常に仕事をもらっている子会社や孫会社にしてみれば、親会社からの命令は絶対です。「この単価でこの期限までに、この仕事を仕上げろ」
と言われたら、子会社や孫会社は多少無理をしてでも親会社の言うとおりにしなければなりません。そうしなければ、次に仕事をもらえなくなってしまうかもしれないからです。
納期がきつい、単価も低いとなれば、当然、子会社や孫会社で働いている社員たちの待遇も悪くなります。また、子会社からさらにその子会社へ、そのまた子会社へと、仕事の委託、再委託が繰り返されることで、報酬はどんどん減っていきます。
最終的には、実際に仕事をするプログラマーが所属する小さなソフトハウスなどは、報酬が少ない割に納期がタイトという、立派なブラック企業になってしまうのです。
中小企業やベンチャー企業は経営者の考えに振り回されがち
IT企業には中小企業やベンチャー企業が多いです。なぜなら、IT系の仕事はパソコンさえあればできてしまうことも多く、フリーランスで働く人がとても多いからです。フリーランスとして独立してから仕事が軌道に乗ると、社員を増やして中小企業やベンチャー企業になるのです。
そのため、中小企業やベンチャー企業には、「俺がこの腕一本で立ち上げた」という考えの、ワンマンな経営者も多いです。このようなワンマン経営者の下で働くと、従業員からの主張は通りません。「休みがほしい」「もっと給料を上げてほしい」「スキルアップするために、いろいろな仕事を経験したい」などという要望は全く通らない、ブラック企業になってしまうというわけです。
労働組合がない
中小企業が多いIT業界では企業に労働組合が存在しないことが多く、ブラック企業を増やす要因の一つになっています。ある程度の規模の企業なら労働組合が存在するため、残業時間が増えすぎていないか、未払いの賃金は無いかなど社員が不当な扱いをされないようにチェックする仕組みがあります。
ところが、ベンチャー企業や中小企業が多いIT業界では労働組合などないことがほとんどですから、社員たちを守る仕組みがありません。そのため、残業がいかに多くても、給料がなかなか上がらなくても、「嫌ならやめてしまえばいい」ということになってしまうのです。
労働組合が無いことで、IT業界のブラック企業は野放しになってしまっているという面があるのです。
大手IT企業なら安心とは言いきれない!
では、ITゼネコン構造のトップにいて労働組合もきちんと存在する大手IT企業なら、ブラックではないのでしょうか?実は、そうとも言い切れません。最近問題になった、大手広告代理店のようなケースもあります。
「死ぬ気で仕事をしろ!」「若いうちは毎日日にちが変わるまで残業したって、どうってことない!」などという体育会系の大手企業はいまだに多く、普通では考えられないくらい残業している大手企業の社員はとても多いのです。
大手企業なので給料は高く、残業をすればするほど残業代が出ることが多いため、給与面では決してブラックではありません。残業ばかりして収入が異様に高いけれど、使う暇がないため貯金がたまってしまっている大手IT企業の社員も多くいます。しかし、勤務時間や仕事の責任の重さなどに関しては、立派にブラック企業である大手IT企業も多いのです。
SEは激務になることが多いのはなぜ?
もちろん、IT企業の全てがブラック企業というわけではなく、しっかり昇給があり有給休暇も取れるIT企業は数多く存在します。にもかかわらず、SEの仕事はなぜか激務になりがちです。その理由について、見てみましょう。
SEの仕事は納期厳守だから
SEの仕事が激務になってしまう理由として大きなこと、それはやはり「納期厳守」だからです。どんな仕事にも納期があり、納期を守らなければなりません。その中でも特に、SEの仕事は特に納期優先、絶対厳守とされています。顧客へのシステムの納品日が決められると、その日までに絶対に納品物を納品しなければ絶対にいけないのです。
「今日が納品日ですが、無理そうなので一週間遅らせるわけにはいきませんか?」などということは、絶対に言えません。納期が守れなければ次の仕事をもらえる保証がないからです。そのため、納期の直前には毎日家に帰れないくらい残業をしてでも、納品物を仕上げなければならないのです。
24時間体制で駆け付けなければならないこともある
SEの仕事が過酷である理由は残業が多いことだけではありません。24時間稼働しているシステムを担当しているSEの場合、いつ何時システム障害や顧客からの問い合わせが入るかわかりません。そのため、24時間いつでも呼び出しがある可能性があるSEもいます。
「24時間対応するため、3交代で社員を常駐させる」というケースもありますが、そのシステムのことを良く知っているベテラン社員を3交代で常駐させることができるほど、どの企業も人手が行き渡っているわけではありません。
問い合わせがあった際に連絡を受ける一次対応ができる程度のスキルしかない社員では、高度な対応はできません。システム障害が起こった時や重要な顧客からの呼び出しがあったなどという場合は、ベテラン社員が対応しなければなりませんそんな急な呼び出しが年に何度かしか起こらないのであればまだ良い方で、安定していないシステムやバグが多いシステムの場合、頻繁に呼び出しがかかることもあるのです。
SEはたとえ休日を楽しんでいたとしても、急な呼び出しがかかって職場に急行しなければならないことがあります。自分が作ったプログラムのバグが原因で顧客に迷惑が掛かっていたとしたら、すぐに直さなければなりません。いつもは何日もかけて仕上げているプログラムであっても、急いで直さなければならないのです。
それは、急患が病院に運び込まれて呼び出される医師にも似ています。医師は、どんな時もどこにいても、急病の患者がいれば病院に行かなければなりません。いつ何時呼び出しがあるかわからない仕事というのは、過酷なものです。そのため、SEは緊急呼び出しが多い医師と同じように、激務になってしまうのです。
計画が甘く後ろにずれ込みがち
仕事内容にもよりますが、SEの仕事は「設計書の作成」「プログラミング」など、「まとまった量の作業」であることが多いです。作業量や作業者の力量などを正確に見積もって計画が立てられていれば良いのですが、どの職場でもきっちりした計画の下で働いているとは限りません。
ざっくりとした計画しか立てられておらず納期だけ決められてしまうと、納期までに仕事が終わるわけはありません。
すると、納期の間際になって、「間に合わない!」ということになり、みんなで残業して仕事を仕上げなければならなくなります。
また、IT業界は「ITゼネコン構造」であることをすでにお話ししましたが、この業界の構造のために子会社が損をすることもあります。親会社の社員が顧客からシステム開発を受注し、その後のプログラミングやテストの工程を子会社へ委託する場合、前の作業のスケジュールが遅れると子会社の作業を圧迫してしまうのです。
親会社の社員の仕事が遅れると、後ろで仕事を待っている子会社の社員の仕事の開始が遅れますが、もともとの納期は変わりません。そのため、後工程を担当する子会社の社員たちは、仕事量は変わらないのに作業期間だけが縮められてしまうため、タイトなスケジュールをこなさなければならないのです。
一つの会社の中ですべての作業を担当するならば、社員同士納期に間に合うように協力するかもしれません。それでも、やはり後工程を担当する人たちは、痛い目を見ることが多いのです。このように、決まった納期に間に合うようにまとまった作業量を長い時間をかけてこなすという仕事の性質上、SEの仕事はどうしてもハードなものになってしまいがちなのです。
納期が短い→品質の悪いシステムしか作れない→作業が増えるという悪循環
SEが常に激務である理由には、納期が短い、スケジュール管理が甘いなどと言うものがありましたが、これらの理由が複合的に絡み合ってさらに悪循環を生むというケースもあります。
納期が短かったりスケジュール管理が悪かったりすると、仕事が粗くなりがちです。すると、プログラムなどの生産物にミスが混入しやすくなり、バグというプログラム上の欠陥を生み出してしまいます。
顧客に納品した後にバグが見つかると、会社としては大きな損害になります。そのバグをすぐに改修しなければなりませんし、顧客からの信頼も失ってしまうからです。プログラムのバグというものは、作っている最中に見つかれば影響は少なくて済みますが、出来上がってしまった後に見つかると途端に影響が大きくなってしまうのです。
ただでさえ仕事がタイトなのに、バグの改修作業や後始末の作業などが入ってしまうことで、ますます仕事が増えてしまいます。すると、社員たちは疲弊し、さらにバグを生むとい悪循環が出来上がってしまうのです。このような悪循環に陥ったまま改善ができない企業は、常に社員たちが激務にさらされてしまうというわけです。
上司が無能である
すでにお話しした通り、計画が甘かったり品質の悪いシステムばかり作ってしまったりすることでSEの作業はひっ迫してしますが、その原因を作っているのが「無能な上司」ということはよくあります。
作業の内容を正しく把握して適正なスケジュールを立てること、部下たちを教育して職場の仕事レベルを上げること、他の部署と調整をして部下の仕事をやりやすくすることなど、有能な上司ならしっかりとした仕事をして部下は仕事がしやすいものです。しかし、無能な上司は作業の内容や作業量、部下の仕事の力量などを考慮せず、適当な計画を立てます。下の教育もせず、職場を改善することはありません。
そのため、仕事はグダグダになり当然納期には間に合わず、納期の直前になってバタバタと無理やり仕事を終わらせます。そんな仕事のやり方では品質の良いシステムが出来上がるわけはなく、納品後にバグが数多く発生します。そのバグ改修や事後処理に追われ、次の仕事をひっ迫させます。
このように、上司が無能なせいで、部下たちは激務を余儀なくされるということも多いのです。
若い人が多く激務に耐えることができてしまう
SEが激務になる原因には、納期の問題やスケジューリングの問題などがありましたが、意外なところに原因があることもあります。それは、SEの平均年齢が低く、若くて元気な人が多いということです。
若い頃はバリバリ仕事をこなせるものです。また若くて体は元気ですし、気力も充実しています。そのため、若い人が多いSEの職場では、みんな「無理をすることができてしまう」のです。毎日残業ばかりで終電帰りでも、何とか次の日に出社できてしまいます。夜中に栄養ドリンクを飲みながら、何となく乗り切ってしまうのです。
そして、周りがそんな雰囲気だと、つらくても仕事を優先させなければならないという風潮が社内に根付いてしまいます。若い人が多い職場では、「無理をしてでもがんばれ!」などという風潮がしっかり根付いていることが多く休みづらいのです。
SEの平均勤務時間とは?
SEの平均的な勤務時間はどのようになっているのでしょうか?
一般的には、9時から18時までなどと定時の勤務時間帯が決まっています。中には、フレックスタイム制を導入している企業もあり、10時から17時までの間で既定の勤務時間勤務していれば良いなどという場合もあります。
SEは残業することが多く、特に、納期が近くなると残業量が増えます。通常は月に3~40時間程度の残業ですが、繁忙期には月に80~100時間というSEもいます。
SEは休暇をとれるの?仕事内容による勤務体系の違い
SEの仕事は激務が多いということをお伝えしてきましたが、実は、仕事の内容によって事情が異なります。SEの仕事の違いによる休暇の取り方や勤務時間など、勤務体系の違いについてお話しします。
花形の開発部署は時期によって休暇が取れることも
SEと言えばプログラミングや設計などを行う開発部署が花形と言われています。開発部署は激務になることが多いのですが、開発期間が終わると休みやすい時期もあります。
プロジェクトが忙しい繁忙期には残業続きで休みが取れず、特に納期が近くなるとほとんど休みが取れません。しかし、常に開発の仕事があるわけではなく、一つのプロジェクトが終わると次のプロジェクトに入るまでしばらく定時で帰ることができる期間がある場合もあるのです。
例えば、ゲーム業界では次々に新しいゲームが発売されます。あるゲーム開発会社では、このゲームの担当チームはAチーム、このゲームの担当チームはBチームなどと担当者がわかれており、それぞれのチームが発売日に合わせて開発をすすめていたとします。
Aチームで働いていた人たちはそのゲームが発売日を迎えるとしばらく暇になり、次に発売される予定のゲームを開発しているBチームが次第に忙しくなるという風になります。
プロジェクトの合間であれば有給休暇が取りやすく、自分が属しているプロジェクトの仕事が落ち着くころに長期休暇を取るという人もいます。このように、所属するプロジェクトのスケジュールによって、忙しいかそうでないかが変わってくるSEが多いのです。また、開発部署の場合は土日祝日がしっかり休めるところも多くなっています。
SEの仕事は時期によっては激務になるだけで、仕事が落ち着けば休みが取れる場合もありますから、納期間際が忙しいだけでSEの仕事は常に激務であるわけではないのです。計画的にプロジェクト運営されている職場なら、計画的に休みを取ることもできます。
運用・保守部門なら交代制
24時間365日稼働するシステムなどの運用や保守を担当する部署に所属している場合は3交代制で夜勤などもありますし、土日祝日関係なくシフトが入っています。
システム障害や顧客からの問い合わせ対応など、いつ何時呼び出しがかかるかわからない場合もありますから、さまざまなケースに対応できるように待機要員が必要なためです。また、システムは定期的にメンテナンスする必要があります。定期的に再起動してシステムをチェックしたり、新しい機能を追加するためにシステムを入れ替えたりするのです。
システムのメンテナンス作業は利用者が少ない夜中に行われることが多く、その場合は夜勤になることもあります。このように、仕事の内容によっては、日勤だけでなく夜勤がある場合もあります。この場合、シフト制なので事前に希望を出せば休暇を取ることも可能です。
営業担当SEは年中忙しいことも
開発担当のSEや運用・保守担当のSEとは異なり、職場によって忙しさが全く異なるのが営業担当SEです。営業担当SEは、顧客を新規獲得したり、顧客にシステム要件の説明や問い合わせ対応をしたりという、主に顧客対応をするのが仕事です。そのため、顧客からの要望があれば常に動き回らなければなりません。
担当する顧客の性質や数にもよりますが、多くの顧客を担当していたり要望が多い顧客を抱えていたりする営業担当SEは、常に忙しくなります。顧客との打ち合わせや接待があるためなかなか休めないという営業担当SEも多く、プロジェクトによってしっかり休みが取れる開発担当SEよりも忙しいこともあります。
急なトラブルで休日出勤や夜間対応をすることもある
サーバーがダウンしたりバグが見つかったりと、SEは休日や夜間など時間を問わずに呼び出されることもあります。システム開発の責任者ともなると、このような緊急事態には責任者として職場に駆け付けなければなりません。そして、急きょサーバーダウンを回復したりバグを改修したりするために、部下をかき集めて対応に当たる必要があります。
まとめ
SEの仕事は激務であると言われる理由についてお話してきました。その理由には、ブラック企業が多いこと、納期厳守であるという仕事の性質、スケジュール管理の甘さなど、いろいろなものがありました。また、開発担当なのか運用・保守担当なのか、営業担当なのかによって、仕事内容や勤務体系は大きく変わってきます。
このようなSEの仕事の実情を考慮した上で、自分が目指すSEはどこなのかを考えていただければと思います。
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