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フリーランスで働く魅力とは?5年間で100万人以上増加の背景や魅力をランサーズに聞いてみた

働き方改革、副業解禁など、ここ数年で『働く』に対する在り方や考え方は大きく変化しています。さらには在宅勤務の浸透もあり、会社で働くことの意味や会社に依存しない働き方を意識する人も増えたのではないでしょうか。

今回は、日本最大級のクラウドソーシングサービスを提供するランサーズ株式会社 取締役の曽根 秀晶(そね ひであき)さんに、フリーランス市場やフリーランスとして働く魅力・ポイントを伺いました。

話を聞いた人

曽根さんの近影お写真

曽根 秀晶(そね ひであき)

2007年よりマッキンゼー・アンド・カンパニーで、コンサルタントとして大手クライアントの経営課題を解決するプロジェクトに従事。2010年より楽天株式会社において、営業・事業戦略を担当後、M&A・PMIを推進、グループ全体の経営戦略・経営企画をリード。2015年2月、当社に参画し、2015年11月より取締役に就任。経営戦略の立案や新規事業の推進を担当。

             
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※当サイトは口コミの一部を掲載しています。

1.広義のフリーランスは5年間で100万人以上増加

ーー『フリーランス実態調査2020』を見てもここ5年でフリーランス人口は伸びているようですが、増加の理由はどのようなところにあるとお考えでしょうか。

まず定量的な変化のお話からすると、5年前の2015年と比べてフリーランス人口は100万人以上増加しており、現在では1,034万人が広義的な意味でフリーランスとして働いています。

日本の労働人口が6,000万人弱なので、「6人に1人がフリーランス」ということになります。そして、増加している理由についてですが、行政主導の法整備が関係しているといえるでしょう。

フリーランス市場を分解すると行政、個人、企業という登場人物に分けられます。行政はフリーランスや副業を推進したいという思いがあり、個人も「先行きの不安からもっと稼ぎたい」という思いを抱える方は多くいます。

そうした状況下で、2016年の働き方改革関連法、2018年の副業解禁が打ち出されたことで、フリーランス人口が増加したのです。

広義のフリーランスとは?

フリーランスは大きく4つのタイプに分けられ、会社員として働きながら休日などを活用して行う副業(サイドワーカー)。複数の企業と提携しながら仕事をする複業(パラレルワーカー)。そして自由業(狭義的なフリーランス)、自営業(個人事業主)。

これらをまとめて広義のフリーランスと定義しております。

ーー今後さらにフリーランス人口が伸びていくには、どのような変化が必要とお考えでしょうか。

さらにフリーランス人口が増えていくには、企業の変化が必要です。

先ほどの登場人物を踏まえて現状のフリーランス市場を簡単に説明すると、以下の図のように整理できます。

フリーランス市場の説明スライド

フリーランスが浸透するにあたって、企業が担う役割は、インサイドアウト(社内の副業推奨)とアウトサイドイン(社外人材の活用)の2つがあります。

この2つのうち、特にアウトサイドインの取組みの強化が必要です。

企業は、社外の人材を活かして業務を遂行したり、プロジェクトを進めることが求められます。しかし、社外に任せられるように業務を上手く切り出せる企業が少ないんです。

だからどうしても社外人材の活用が消極的になってしまうのが現状です。

ーー直近はテレワークの浸透など「リモートでも意外と働ける」と気づく企業が増えている印象があります。そうした動きもある中で、この先フリーランス人口は増えるとお考えでしょうか?

長期的な視点でみるとフリーランスは増えてくると思います。しかし、時間がかかるでしょう。

直近はリモートワークの浸透など、業務プロセス整備や標準化を進める企業もあり、そうした業務整備が進むと社外人材の活用ハードルも下がります。

ヤフー株式会社、ライオン株式会社のような副業人材の公募など、社外人材を活用する取組みが増えてくれば長期的にはフリーランスとして働く人は増えてくると思います。

2.フリーランスをうまく続けられない人も増えている

フリーランスについて説明している画像

実は、ここ3年間でみると広義のフリーランスは減少傾向にあります。

要因はフリーランスとして働く個人がセルフマネジメントの学習サイクルを上手く回せていないことです。

フリーランスというのは、複数の企業から仕事の依頼を受けることが多く、上司(取引先)が同時に複数名できるようなものなんです。誰も自分のタスク量の調整をしてくれないので、自分がどのくらいのタスクを一度に進行できるのか、自分でしっかり把握しておかなくてはなりません。

副業を始めてみたが上手く業務を回しきれずにパンクしてしまい、失敗を機にフリーランスを諦めてしまう人が少なくないと考えています。

ーー自分のキャパシティを知ることが大切なんですね。たしかに私もフリーランスとして働いていますが、自分の限界を把握できるようになったのはトライ&エラーを繰り返したからでした。

そうなんですよね。フリーランスとしてトライしたい人は増えているのですが、エラーを乗り越えてラーン(learn:学ぶ)まで持っていけずに挫折してしまう人が多いように思います。

このサイクルの中でも「ラーン」の部分が大切で、失敗から学んだことを次の業務に生かすことが重要です。

ーーなるほど。ラーンの部分をうまく回していく上でのポイントにはどのようなものがありますでしょうか?

フリーランスとして活躍するためのポイントを説明している様子

そうですね。ポイントは「将来なりたい姿」を描くことだと思います。

企業で働いていると目標設定などの機会を社内で用意してもらえるでしょう。しかし、フリーランスの方にはそうした機会を自分で作る必要があります。そのため、自分で目標やなりたい姿を設定する必要があるのです。

ランサーズで開催している『Lancer of the Year』...※1 の受賞者の方も未来の自分との対話を大切にしていると話されていました。

このように未来の自分の姿を描いたうえで、トライ&エラー&『ラーン』を繰り返す必要があるのです。

※1・・・時代に先駆け「新しい働き方」を実践し、活躍しているフリーランスを表彰するイベント。年に1度、ランサーズ株式会社により開催されている。

3.フリーランスは生き方そのもの~ランサーズの想いとは~

ランサーズのサービス運営の想いを説明する様子

ーーここからはランサーズでの取組みも踏まえて話をお聞きできればと思うのですが、フリーランスに興味をもっている方、この記事を読んでいる方に向けてメッセージをお願いします。

フリーランスというのは、働き方ではなく「生き方」だと私は思っています。

人生100年時代といわれ働き方が多様化している今の時代だからこそ、自分のライフデザインを考えていくことが大事ですね。

これまでに出会ってきた方を振り返っても、ユニークなフリーランスの方は大勢いらっしゃいました。

家族と一緒にハワイに移住することを決めたWebデザイナーの方、海外論文や書籍の翻訳をしながらマジシャンとして活躍されている方、みなさま共通する点として自分らしく生きるための手段としてフリーランスを選択しています。

ーーなるほど…フリーランスの方が自分らしく働く(生きていく)にあたって、ランサーズが支援していることはありますか?

ランサーオブザイヤー(Lancer of the Year)というアワードを年に一度開催しています。これはランサーズで活躍するフリーランスを表彰するイベントです。

表彰された方にはスピーチを行っていただくのですが、どれも勇気や希望、道標を得られるような内容なんです。

表彰される方々にとって、自分の生き方に自信を持てるキッカケになったり、受賞を受けて新しい仕事の依頼が増える場になっています。また参加者や視聴者にとっては、表彰者のスピーチを聞いて自身のロールモデルや「自分らしい働き方」を見つけるキッカケにもなっていると思います。

ーー確かに受賞される方、参加して話を聞く方、それぞれ得られるものがありそうですね。
受賞エピソードで特に印象に残っているものはありますか?

過去の表彰で特に印象的だったのは、初年度に「ママランサー賞」を受賞した女性ライターの方ですね。

女手ひとつで子育てしながら、未経験からランサーズで副業ライターをスタートさせ、特別なスキルや専門知識があったわけではないのですが目標から逆算して計画を立てて戦略的に行動されている方でした。

受賞を通じて仕事の依頼が増えるなど、報酬面でもメリットがあったそうです。現在では、取材やSEO記事といったライティング業務以外にも、Webライティング講師など幅広く活躍されています。

ーーランサーズの利用者に向けて、継続して活動ができるように工夫している取組みなどはありますか?

フリーランスが直面する「成長機会がない」「他人とのつながりが希薄」「収入が安定しない」「社会的信用がない」といった問題を解消するための取組みがあります。

例えば、フリーランスベーシックというサービスではバックオフィス業務の支援をしています。請求書、契約書などの作成・確認や税理士などの専門家紹介のサポートを受けられます。

その他にも『新しい働き方LAB』という、つながり・気づき・学び、をコンセプトにしたサービスを通じて、成長機会や他者とのつながりを提供しています。

新しい働き方LABは、フリーランスや副業をしている会社員に向けて展開しており、フリーランスとして働く個人同士でつながり、学びを共有、成長しあえるコミュニティとなっています。

ーーコミュニティを作ることで、先ほどのお話にも出てきたラーン(Learn:学び)にもつながってきてそうですね。

実際にコミュニティでの交流を通じて、自分が働くうえでの強みに気づけたという方もいらっしゃいました。

その方はフリーランスとして働く自分にあまり自信を持てていなかったのですが、グループワークでの交流を通じて、スキルの幅広さなど自身の強みに気づく、など気づきの場として活用していただけました。

ーーなるほど。周囲の人と交流する中でそうした価値提供もされているのですね。
フリーランス市場の動向、ランサーズの想いや具体的な取組みなど非常に勉強になりました。本日は誠にありがとうございました。

話を聞いた企業

企業名 :ランサーズ株式会社
設立  :2008年4月
事業内容:フリーランス・タレント・プラットフォーム事業

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▼「フリーランスエンジニアのメリット・デメリット」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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